Future Loyal Subject
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「そこのおぬし『XUSION』という何になんぞ覚えは無いかのう...」
「誰よあんた」
「これは失礼なことをしてしまったのう 相済まぬ 儂は『シーカー・ダルヴァ』と申す者じゃ
こっちの金髪の方が『マツィヤ』じゃ」
街の中で買い物をしていたリルカの元に現れた二人の人物 XCUSIONで一護の身近にいて比較的警戒すべき相手だと言われていた二人だ
「そ!あたしは忙しいしキョーミ無いのよ!あと スカウトならお断りよ」
踵を返して距離を取ろうとする 相手は追いかけも引きとめもしない
「そうかでは構わぬ 仔細迄聞かずとも分かったからのう」
少しムカついたから一度振り返って文句を言おうとした
ダルヴァの後ろに『月島』がいた どう考えてもダルヴァを刺そうとしているし...月島と敵対している組織に属している設定が自身をどうすれば良いか分からなくさせる
(なんで私がいる状況で出てくんのよ!)
恐らくXCUSIONではない人物が自身の後ろに居る 刀を持っていて自分を狙っている
(静血装で受け止め反撃を...!)
「本当にそれでよいのか ダルヴァよ」
「貴方様は 陛下!」
白いのみで構成された部屋の中 陛下に頭を垂れ次の言葉を待つ
「今まで『XCUSION』を調べていて分かっているはずだ 彼らはお前を知ったうえで情報を隠していた
そしてその一員と思しきものが今刀を向けている その理由に気づかぬのか」
(恐らく彼は儂の硬さは知っておる その上で今突きを繰り出そうとしている)
カチッ「最低でも貫通能力 最高で副次効果を持った刀...恐らく切断がトリガー!」
「フッ 魅せてみろ 我が未来の忠臣ダルヴァよ───
儂自身に全力で蹴りを放つ 静血装ではなく動血装を使って壁にめり込むほどに吹き飛ばす
「なにやってんだダルヴァ!?」
「その男の能力は最低でも防御は無視してくる!儂が対応するからおぬしはあちらの女子に対応するのじゃ!」
「お おう」と戸惑いながらリルカに向かうマツィヤ
「鋭いね」と小さく零す月島 そして
「最悪よ!!すっごく最悪!」
巻き込まれるのが確定したリルカの慟哭が響いた