Fertig zum Sprung, Signal gegeben. Das Leben will gewonnen sein.

Fertig zum Sprung, Signal gegeben. Das Leben will gewonnen sein.


「あっ!あそこ!見て!」

『本当に倒すなんて』

「ネル先輩すごい!」

「ユズちゃんもすごかった!全部、ユズちゃんの作戦のおかげだからね!」

「わ、わたしは…と、特に何か、したわけじゃ、ないから…」

「作戦立案も大事な仕事だぞ、ユズ参謀?どうする?せっかくだしWIDに来るか?」

「あ、良いですねそれ!」

「ふぇっ!?」

「ちょっと、部長を取らないでよ!」


准尉のエリアルリバーサーによるネルの治療が完了した後、ゲーム開発部が合流した。


“ネル、大丈夫?“

「ああ、傷もだいぶ…っと」


ネルの体がふらつく。


「大丈夫!?」

「エリアルリバーサーにより外傷もある程度回復しましたが、普通に重傷ですからね。回復しても体への負担も大きいですし。暫くは安静にしておくのがよろしいかと」

“なら、ネルは暫く休んでた方が良いかな?“

「そうですね…戦場の興奮状態で、少しでも戦力が必要な状況ならいざ知らず、戦闘が終了した後だと少し不安があります。メイド部の人たちも下で休んでいるようですし」

「…そうか、オイ、チビ共」

「う、うん?」


「アカネやアスナ、カリンと…あたしらがここまで繋いできた。」

「後はもう一つだけだろ」

「そいつ、ぜってぇ連れ戻せよ」

「…うん!」


「それとお前ら」

「何でしょうか」

「軍人、なんだろ?何かあったらチビ共と先生をぜってぇ守り抜け、いいな?」

「全力を尽くしましょう」

「…そこは『絶対に守る』って言えよ、相変わらず言い方が一々気に入らねぇやつだ」


“ありがとう、ネル…みんな、行こう!“


──────────────────────


「着いた!」

「ここがエリドゥ中央タワーの最上階…」

「正直要塞の中枢となる施設がこんなビル型なのってまずくないか?砲撃で狙いたい放題じゃないか。戦国時代の城でもあるまいし」

「平時の通信を統括するならこっちの方が良いのかもしれませんがね…」

『地図によると、ここのどこかにアリスがいるはずだよ』


「そう、アリスならここにいるわ」

「会長…!」

「…!」

「まだ戦うつもり!?」

「いいえ。トキが倒れた時点で、私が持っている手札はすべて消えた。認めましょう…私の負けよ」

“リオ…“

「本当に…貴女たちはここまで来たのね。近い将来、キヴォトスの脅威になる事が確定しているあの子を救うために…遮るものを全て薙ぎ払って…」

「当たり前だよ!最初からそう決めてたからね!」

「アリスが、キヴォトスに終焉を招くとしても?」

「急に何?アリスの事そんな風に言わないでよ!」

「私は、ただ…」


目の前の光景を見て、心が痛むような気がするのは、きっと気のせいではないのだろう。多分、俺は、立場が違えば、モモイに、ミドリに、ユズに


“でも、一つだけはっきりと言えるよ“

“リオは、誰にも相談せず、一人で全てを判断して結論づけた“


そして、先生になじられる立場だったろうから


「まあまあ先生、落ち着いてください。我々はアリスを取り戻しに来たんです。調月会長への説教が主目的ではないでしょう?」

“ボンノウ?“

「それにまあ、我々が何で知っているのかは聞かないでほしいですが、アリスは実際そういった兵器としての面も持っています。であれば、リオ会長の判断は会長として別に不思議なことではありません」

「ちょっとボンノウ!ここまで来て何を言って…!」

「そう、アリスにとって世界を滅ぼすことは自らの存在意義の一つ。すなわち繁殖を目的とする生物たる先生が、自慰を行うのと同じぐらい大事で、当然のことなのです」

“「「「ぶっ!?」」」“


皆が一斉に吹き出し、准尉が後ろで苦笑いをしている…とりあえず、説教モードは終わったかな?

…これ以上あんな光景を見たくないというのは、完全に俺のわがままではあるのだが。俺が先生に、自治区で命を失いかけたこと、大事なものを失いかけたことを話した時に、先生はあんな表情をしてくれただろうか。


「何ですか先生、今まで一度もそういったことをしてらっしゃらないのですか?」

“黙秘権を行使する!“

「ムゥ…法に従う組織として黙秘権を行使されるとどうしようもないのですが…」

「二人とも何の話をしてるの!?」


気を取り直して…


「さて、調月会長。貴女の行動の是非を論じるつもりはありません。しかし、勝者は我々。おとなしくアリスを引き渡していただけますか?」

「えぇ…あっちよ」

「ありがとうございます。各務さん、わざわざ居場所を突き止めようとしてもらった所申し訳ありません」

『別に大丈夫』


そのまま、アリスの方へ歩いていく。


「アリス!お待たせ!」

「アイスティーしか持ってこなかったけど、良かったか?」

「やめなよボンノウ!言葉狩りは恥ずかしいことなんだよ!?」

「アリスちゃん!」

「アリスちゃん…」

「ゲーム開発部の皆が、迎えに来てくれたよ、アリスちゃん」


しかし、アリスは反応しない。さて、次に来るのは…


“アリス…?“


電気が落ちる


「な、何が起きてるの!?」

「あ、あそこのモニターが…!」

「これは…!」


『…み…な…応答…!?』

“チヒロ…!“


通信が麻痺する


「エリドゥのシステム全体が…ハッキング…いえ、これは単純なハッキングではない…都市全体が『何か』に変質していっている?」

「こんな事してる場合じゃない!早くケーブルを外してアリスを…!」


「その行為は推奨しません」

「!!」


お出ましだ


「現在『王女』の表層人格は内部データベースの深層部に隔離されています。強制的に接続を解除すると、取り返しのつかない損傷が起こるでしょう」

「アリス…!?一体何を…?」

「お姉ちゃん、これアリスじゃないよ…」


「アリス…?それは、あなた達が私たちの『王女』を呼ぶ際の名称…『王女』に名前など不要です。名前は存在の目的と本質を乱します」

「何を言ってるの!?ねえ、あなたは誰!アリスちゃんを返して!」


「私の個体名は<Key>。王女を助ける無名の司祭たちが残した修行者であり、彼女が戴冠する玉座を継ぐ「鍵」<Key>です」

“…なに?“

「彼女は『王女』であり、私は『鍵』。それが私たちの存在であり目的」

「要するに名もなき神々の王女の補佐役、といったところですね、先生」


「今、我々を妨害していた攻撃が止まったことを確認しました」

「只今よりエラーを修正し、本来あるべき玉座に『王女』を導かせていただきます」


エリドゥ全体がケイに掌握され、ロボットの兵隊たちが出現する。リオ会長が狼狽し始める。そして、


「私は───間違っていた?」


と呟いた。そのまま、先生とのトロッコ問題に関する問答が始まる。

その間に…


(准尉、最後の通信記録はどうだった?)

(『作戦準備完了』とのことです)

(上々、では作戦を開始する)


そうしている間に、ユウカとノアが介入してくる。電源が落ち、ケイの掌握が止まる。


『それより、会長!』

「!!」

『セミナーの予算を横領してこんな都市を作るなんて…後でお説教ですよ!覚悟しておいてください!』

「…ユウカ」


このタイミングかな。原作でもケイは失敗したが、俺がいる結果がどうなるかわからない。ということで一応の保険は用意した。


「セミナーの皆さん」

「「「?」」」

「我が学園のミレニアム勢力圏内における軍事行動の許可を頂きたい」

「!それって!でも、戦力なんてどこに…」

「すでに近くで4個独立親衛降下猟兵大隊、3個ASS降下猟兵大隊が作戦準備を完了しています。戦力は足りていないでしょう?」

「いつの間に…わかりました、許可します。会長もそれでいいですね?」

「…ええ」

「ありがとうございます、早瀬さん」


そのまま、信号弾を込めたプラネットカノンを上に向ける。ミレニアムを通じて回線を繋ぐよりこっちの方が早い。


「発射!」


信号弾が天井を貫き、タワーの上に輝いた。


──────────────────────


『信号弾確認、作戦行動を許可』

『降下開始!』


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