FILM WHITE prologue
※ローが「スパイ関連の情報をドフラミンゴに話さなかったこと」をコラソンに伝えずそのままコラソンが海軍に戻った
※コラソンがいなくなったのでオペオペは将来の右腕と見込んだローに食べさせた
※ローは15歳で右腕兼3代目コラソンまで上り詰めたがドレスローザ略奪計画を聞いて実行前に突如離脱、能力を使って逃亡し行方不明に
※コラソンは海軍に戻ったあと頑張って中将になった(スモやんの先輩ポジ)
※なんやかんやあってルフィがドフラミンゴを吹っ飛ばしたあと
富、名声、力。
かつて、この世のすべてを手に入れた男・海賊王ゴール・D・ロジャー。
彼の死に際に放った一言は、全世界の人々を海へと駆り立てた。
ーーおれの財宝か?欲しけりゃくれてやる…探してみろ。この世のすべてを、そこにおいてきた。
世はまさに、大海賊時代。
「馬鹿馬鹿しい…」
漆黒のコートを痩身に纏った青年が、本を閉じながら静かに呟いた。
壁一面に埋め込まれた棚に、手にしていた本を押し込む。
富や力を求め略奪を繰り返す海賊、正義の名の下に海賊を追う海軍。外の世界は、ここ2年間で随分騒がしくなった。
11人の最悪の世代を筆頭に、偉大なる航路後半の海・新世界は新進気鋭の実力者たちによって日々混乱の渦に飲み込まれている。
身体を回転させた青年の目には、複数の島に×印が付けられた新世界の海図が映っている。
何かを思い出すように、青年はじっと目を瞑った。
瞼の裏に浮かぶ、燃える町の光景。
泣き叫ぶ子供、逃げ惑う大人。彼らに襲いかかるのは、防護服を纏った白い化物。
「…」
目を開けた青年は、新たに新世界の中央に位置する島に×印を付け足し、海図を破り裂いた。
細長い指に、「DEATH」の文字が踊っている。
椅子に立てかけていた大太刀を手に取った青年が右手を掲げると、空中に青い球体が出来上がった。球体は、青年を守るように範囲を広げる。
ふっ、と部屋を照らしていた蝋燭が消えた。
暗闇に包まれた部屋には、元から無人であったかのように、誰もいなくなっていた。