EVOLUSION

EVOLUSION


ダルヴァはそっと陛下の藍染惣右介訪問に付いていっていた

ダルヴァとしても陛下の会話の邪魔をすることなどせず ただ藍染の能力を回避した上で待機するのみ

実際の所ダルヴァが藍染と対面したのはこれが最初であり お互い存在は知りつつ敵対はしつつも因縁は無い

ダルヴァはただ陛下とハッシュヴァルトがその場を去るのを見届けてそれを追おうとしていると藍染が話しかけてきた

「驚いたな 『鏡花水月』に対して初見でこうも対策されるとはね」

「初見も何もおぬしの能力の情報は得ておる...特段驚く事でも無かろうに」

軽く流そうとするダルヴァに対して藍染は口を軽く歪ませ笑う

「君は彼を完全無欠の王と見ているようだが...彼は完全無欠などでは無い

買いかぶりは時に齟齬を生み不和を起こし得るものだよ」


ダルヴァは藍染が陛下の事をとやかく言うつもりかと身構えたがそうではないと解釈した そもそも想定が違う

「儂は陛下を完全無欠とは思っておらんよ 現に儂はおぬしが一時的とはいえ陛下を出し抜いたことも分かっておる...じゃが陛下は更にそれを踏み越えて更なる高みへと向かうじゃろう

寧ろ感謝したいくらいじゃな おぬしは陛下を出し抜いた逸材であり成長の糧となる...おぬしが崩玉で自身の進化を促したように陛下もおぬしを介して進化を果たすじゃろう」

藍染はダルヴァの問答を妙に静かに聞いていた 陛下を追いかけるためダルヴァはさっさと話を切り上げて出ていこうとする

「陛下がより良い王になる為にも儂ら臣下は更なる研鑽を果たし 時に陛下に迫り陛下を助け...陛下の糧となる それが忠臣というものじゃろう」

藍染はそれ以上は追及も何もせずただダルヴァを見送っていた

Report Page