EQUAL SACRIFICE
1
「山じい!」
三発の凶弾が京楽に迫る 総隊長の霊圧は揺らぎ消滅まではいかないが今まで感じたことも無いほどに弱い
そのことに気を取られていた 避けられない
「ぬあああ!!最悪ですわ!!『第六感』が使えないのが不便すぎで困りますわよ!」
偶然ユーハバッハに飛ばされて来た翼に突き飛ばされて避けることが出来た
「山爺とユーハバッハの霊圧...!?君一体何をどうしたらそんなものくっつけて飛んでくるの?」
京楽は翼を見て確信した『この子が過程はどうあれ総隊長を生かした』と
「運がいい事だな...進め 『聖兵』」
影が伸び聖兵と呼ばれた白い服の兵隊が出てくる だが京楽はまだ笑えていた
翼はこれ見よがしに大きな刀には手を触れずに京楽に言い放つ
「『ままごと』はお好きですの?」
「ああ 好きだね...『遊び』は子供の物も大人のモノも好きな方でね
...勝てるのならボクごと殺してくれて構わない」
京楽は冷静に答えていた 彼は少なくともこの戦況を生きて目立った傷が無くここに来ている...この聖兵は一人でも減るならこの辺りの死神の命を纏めて持って行ってもらっても釣りが出る
「ショートコント__」
「成程...こいつは確かに『ままごと』だ ...この役職が『ままごと』で済むのが一番だけど」
直ぐに異変に気付いたのは能力の発端である翼と始解の性質からか理解が速かった京楽
ワンテンポ遅れてロバート・アキュトロンが気づいた 自らが『死神』の役職を背負っていることに
「ここは退け!聖兵!」
だがロバートは判断を誤った "退く"ことは__
「戦ってて分からなかったかい?敗北して血に伏せることも 立ち向かった結果死する事も 助けを乞いながら涙を流すことはボクら『死神』はする...でも"退く”事だけは許されてないんだよね」
彼らは今滅却師ではない 『死神』としてこの決戦の場にいるのだ
聖兵達が苦しみ悶え地をのたうち回る だがロバートはまだ銃を構えるのを止めない
「情報(ダーテン)にこの類の能力は貴方に無い!虎屋翼...陛下に認められた貴方の!!」
どこまで行っても陛下の兵としての矜持を捨てられないが故にその弾丸は正確に翼へと向かう
既にユーハバッハと戦い精神をすり減らした上でこの場にいる翼にはもう避ける余力はない
「それは困っちゃうな...『平隊士』である彼を傷つけられるのは ごっことはいえ『総隊長』を背負わされてるんだから勘弁してよ」
京楽は翼に向かう弾丸を庇い遂に意識を手放した ロバートもまだ息のある聖兵を引き連れ影へと消える
翼も魂魄の限界が近くそれ以上戦いへと足を運ぶことは出来なかった