ENCOUNT servant?
神永side inとりあえず鞄にいくつかの式神を放り込みライダーと共に夜の学校へと向かう、なるべく時間をかけたくないため若干小走りでだ。
「しかし主殿、何度も同じことを言いますがそれは優先すべきことなのですか?儀の方が優先順位は高いと思いますが」
「確かにその通りなんだが俺の性分の問題なんだ、面倒ごとは後回しにしたくない」
そう言って学校に向かう、面倒事は嫌いだが後回しにしたらよりめんどくさい、故にさっさと思わらせるのが鉄則なのだ。
それにある意味囮となって他の陣営を誘い出せるかもしれないのだ、損にはならないだろう。
そう楽観視していた。
───
「とりあえず学校には来れたな」
「ほほう、ここが主殿の学び舎ですか…こんなに大きいのですね」
ライダーは物珍しいように校舎を眺めている。
今はそれどころでは無いのでさっさと校舎に忍び込まねば、入口からだとカメラに移る可能性があるため裏手に周りそこにある非常口から入ることにする
「ライダー、こっちだ」
そう言って先行し非常口の扉に立つ、鍵は無論かかっているがここは腕の見せどころだ。バックから式神を一枚取りだし隙間から内側に入れる。視界を共有し中から扉の鍵を式神で開く、全く我ながらくだらないことに魔術を使っていると思う。だが便利なものは便利なのだから仕方ない、これだから美作に「貴方は魔術師なんかじゃない」なんて言われるのだ…
そんなことを考えながらライダーと共に教室に向かう、教室には無論誰もおらずあるのは机と椅子、それと教室用の備品だけだ。
「たしかここに…あった、やっぱり学校に置きっぱなしにしてたか」
そう言って課題を机から取りだしバックの中に放り込む
「ライダー、これで用事は終わりだ、さっさと帰ろう」
そう言ってライダーを呼んで教室から出る、尚ライダーは教室の中をウロチョロして備品なんかを見ていたりした。
「帰るぞ、ライダー」
「…あ、ええわかりました。」
そう言って2人で廊下に出た瞬間
「そこにいるのは誰だ?」
しまった…宿直の教師がいたのか…!
「あ〜ん?2人で何やってたんだ…?」
まずいまずいまずい…(主殿、倒しますか?)
(馬鹿野郎一般人に手を出したら駄目だ!)
そんなふうな会話をしていると教師が近づいてくる
こりゃお説教コースだな…そう思っていた。
「規則を守レナい悪イ生徒は説教ダぞ!」
片手には懐中電灯、もう片手には宿直室に置いてあったのであろう包丁を持っていた
「は!?」
「コッココロスコロロロ」
「やばっ!?」
教師は包丁を振りかぶりこちらに切りかかってきた、動きは精細を欠いているが正直一番危険な動きだ。
「そこまでですよ」
その一言と共にライダーが腕を捻りあげ包丁を取り上げる。
「主殿、なにか縛り上げる紐かなにかありませんか?」
「…たしか教室にスズランテープがあったな、それで縛るか」
教師の両手足をテープで縛り上げ、大人しくさせる
「しっかし、一体なんでこんなことになってんだ?」
「他陣営による妨害では?」
「つってもこんなことできるのはキャスター位じゃ…」
そう言って教師を観察すると首元に謎の傷跡を見つけた。鋭い牙かなにかでつけられたのであろうふたつの跡
「何だこの傷、何かに噛まれたのか?」
「…これ、蛇の噛み跡ですね。山にいた時に何度か見たことがあります」
蛇の噛み跡?…学校内にそんな蛇なんか出てこないしそもそも噛まれただけであんな風に錯乱するか?
ただの蛇じゃない気がするんだよな…
「…ひとまずこの先生連れて一旦外に出るぞ、調べん事には何にも分からない」
そう結論づけて先生を抱え外へ出ようとしたその時
───もう、お帰りになるのですか?
明らかに自分たちでは無い声が廊下に響く、だがどこにも姿が見えない、むしろ声ではなく何かが這いずるような音が聞こえてくる、この音は…
「これは…蛇の這いずる音か…?」
明らかに異常だ、もしこれが教師に何かをした蛇だとしたらまずい
「…主殿、敵襲です」
ライダーが太刀を抜く、だが周囲には特に姿は見えない。一体何が襲ってきているのだ…?
「主殿は私の後ろに、そこから動かぬように」
先生を抱え後ろに下がる、ライダーは音の聞こえた方へ向かい空へ太刀を振るった。
そこから鮮血が吹き出たと思えば大蛇が姿を現した
「な!?いつの間にそんな蛇が…!?」
「…ただの蛇ではありません、おそらく何らかの呪が原因の怪異です」
蛇の呪い…世界中に似たような伝承があるため絞り込むには情報が足りない…
「なら急いで外に出るぞ!明らかに敵サーヴァントに捕捉されてる!」
そう言って非常口に向かおうとするがそちらの入り口にも蛇がいつの間にか湧いている
「…っ、やられた!」
人一人を抱えた状態で蛇をどうにかして進むのは無理だ、そしてライダーはなるべく自分たちから離したくはない…どうする───?
神永 side out