ChristmasCAMEL

ChristmasCAMEL

キミとクリスマス


2年間の幕間の話




 現在、海域の天気は荒れ模様というより嵐のど真ん中なのだがそんな事は気にもしないで船内で激しく揺れる中でシュトーレンを切り分けて自分とショコラの前に並べるとクリスマスのコースはいよいよもって最後になった。

「今回も最高だったねショコラ? ケーキもシュトーレンもアドベントカレンダーも今年は新店から選んでみたけれどハズレも無く最高だった」

 満足そうにワインを揺らして──中身は勝手に揺れているが──キャメルはシュトーレンの最後の1枚を味わうように口に入れる。

 と、言ってもそこで彼のシュトーレン生活が終わるわけではなく年越し用の物を既に用意してあるので最後も何も無いのだが。

「クロはまた新聞を賑わせてるね。ふふ⋯⋯今年はたくさん載ってて嬉しいな」

 あの騒動からあっちこっちで海賊の活動は更に活発になり新しく立ち上がった者達も多い。それを聞いたらじっとなんてしていられないのがキャメルという生き物だ。

 強い奴と鋏を交える時、心はまるでスーツを仕立て上げた時と同じ高揚感をおぼえる。戦闘中は弟でさえ思考の外へ行く事が一瞬とはいえ起こるのだから本当にどうしようもない病気だろう。

 クロコダイルとはそれが原因で叱られる時もあるし直近では白ひげの件で本当に怒られて落ち込んだばかりだが最後にはキャメルが謝ると、

「分かったから早くここから離れろバカアニキ!」

 そんな言葉と呆れた視線と共に許しを貰えたようだった。諦めもあっただろうがその細かな感情を弟曰くバカアニキは拾えていない。


 そんなわけで兄弟は現在離ればなれな訳だがキャメルに届く海賊たちの悪行の報の中に密かに紛れるクロコダイルが裏にいるだろう記事を見つけてはキャメルは元気で良かったと海賊によってばら撒かれる死臭も気にせずに笑えるのでこうしてクリスマスも平穏に過ごす事ができている。


「今度会うまでにまたいっぱい良い服を考えよう」

 来年もよろしくね、ショコラ。

 可愛らしいサンタ帽子をかぶった相棒は顔を上げて返事をする。

 一際揺れ出す船にも負けないよく通る鳴き声にキャメルはやはり無表情のままだったが喜んでいることはショコラは理解していた。


「きっと来年も面白くなるね」

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