(CP妄想につき閲覧注意)14に触発されて書いたテス藤お風呂ックスの前座
まだまだ続くし、ただただイチャイチャしてるだけのお話になりそう
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例えば後ろから獣のように激しく抱かれたり。
例えば正面から優しく甘やかすように愛されたり。
膝の上に乗せられて、密着したまま何度もキスをしたり。
他にもたくさん。いろんな体位で求められて、たくさんの愛の言葉をもらって、数え切れないくらい絶頂を迎えさせられて。
何度も何度も中出しを繰り返されてぽっこり膨れた下腹部に、まだ足りないと言わんばかりに種を植え付けられた。まるでもう中に子供がいるみたいだと彼に告げたら、なぜかもう数回ほど追加で種付けされた。
そうして気が遠くなりそうなほどの長い時間を過ごしてようやく解放された頃には、日は完全に沈み切っていた。
「ぁ、あっ……ぁ……」
ベッドの上に倒れ伏し、ぴくっぴくっと小刻みに痙攣を繰り返す。身体のどこに力を入れても甘い痺れが走って、思うように動かせない。
全身汗やら何やらの液体塗れになっていて気持ち悪いはずなのに、疲労感と充足感の方が強くて気にならなかった。むしろ今はシーツに身体を擦られるだけでも感じてしまいそうだ。
「大丈夫か?」
「ぅ……?」
霞んだ視界の中で、何かが動く気配がした。緩慢な動作でそちらを見遣ると、すぐ傍にテスカトリポカの姿があった。
彼は労わるように大河の頭を撫でると、額に張り付いた前髪を掻き分けてそこに口付けを落とす。そしてそのまま頬へと滑らせた掌で、ゆっくりと慈しみながら輪郭をなぞった。
「ん、ぅ……くすぐっ、たぃ……」
「だが、嫌ではないだろ?」
「……ん……」
優しい手つきがくすぐったくて身を捩るが、もちろん本気で抵抗するつもりはない。心地良い温もりに身を委ねるように小さく首肯すると、テスカトリポカは満足げに微笑んだ。
そしてそのまま大河の身体を引き寄せ、軽々と持ち上げる。ふわっと宙に浮かんだ浮遊感に驚いているうちに、いつの間にか彼の腕の中に抱き締められていた。所謂お姫様抱っこの状態だ。
「んんー……?なぁに……?」
「風呂入るぞ。汚れたままじゃ寝れないだろ」
「ふぁ……おふろ……うん、はいろ……」
呂律の回らない舌で答えて、ふにゃりと笑う。そのままぎゅーっとテスカトリポカの首に手を回すと、大河を抱きかかえる力が少しだけ強まった。
「あまり動くなよ。落とされたくなければな」
そうは言うものの、テスカトリポカの腕はがっしりと大河の腰を掴んでいて離そうとしない。絶対落とすつもりなんてない癖に、と心の中で呟いて、大河はくふくふと笑みを零した。
「なにを笑ってる」
「なんでもぉ……ふふっ、ほらはやく。おふろつれてって」
戯れるようなやり取りが楽しくて、つい調子に乗ってしまう。すりすりと広い胸に頬を摺り寄せて催促すれば、呆れ交じりのため息が返ってきた。
「仕方のないマスターだ。……お前くらいだぞ、神をこんな風に扱えるのは」
使用人のように甲斐甲斐しく世話を焼かせて、我がまま放題に振り回して。
それを受け入れているなんて自分らしくないとテスカトリポカは思う。けれど、それが嫌じゃないのだからどうしようもない。
改めてマスターもとい恋人となった女を見つめれば、ふわふわぽやぽやと夢見心地に蕩けた表情をしている。無防備に晒しているあどけない顔はあまりにも幼くて、とてもではないが普段の彼女からは想像できないものだ。
(オレだけの特権か)
それを独り占めできるという事実に、テスカトリポカは言い知れぬ優越感を覚えていた。この先もずっと、他の誰にも見せる気はないし、見せたくないと思う。
───ああ、愛しい。
自然と湧き上がってきた感情に、己のことながら苦笑いを浮かべた。かのテスカトリポカ神がここまで一人の人間に入れ込むことになるなど、一体誰が予想できただろうか。
腕の中の温もりをきつく抱きしめて、その髪に鼻を埋める。甘く香る匂いに酔いしれながら、テスカトリポカは浴室までの道のりを急いだ。