CCCパロディ(前半)
※注意※
https://bbs.animanch.com/board/1415425/のレス156が上げたFILM BLACKの派生で生まれた「Fate/EXTRA-CCC」パロディネタを言い出しっぺが書き殴った長編プロット。
映画のプロットというより、元ネタ通りゲームのプロットに近い内容。
元ネタである「Fate/EXTRA-CCC」や、このパロディで重要な概念である「SG」の簡単でわかりやすい説明が難しいので、スレ12のレス175で貼ってくれていた別スレがだいたい説明してくれているのと、OP世界やキャラに落とし込んだらどんな感じかわかるので、リンクをこちらにも貼っておきます。
https://bbs.animanch.com/board/858098/
↑を見るのが面倒くさい、見てもよく分からなかったけど、このパロディが気になる方は、「SG」は「見られたくないけど触れて欲しい、自分の一面だと認めたくないけど、相手に受け入れて欲しい乙女心」であり、元ネタからクロスオーバーさせた「黒幕」は、「人間はこの世で自分ただ一人、それ以外は自分が快楽を貪る為の道具と思っている、この世最大の快楽を得る為に神になろうと目論む悪意の塊」という認識でOKです。
【あらすじ】
FILM BLACKのオークションからルフィ子奪還は一瞬で終わったが、ルフィ子の洗脳が解けなかった世界線設定で、「Fate/EXTRA-CCC」パロディ話。
起きてはいるが呼びかけても生気のない目で無反応なお人形状態なルフィ子をなんとかしようと、心の最深部まで侵入を許す可能性が高いローがダイブすることになり、ルフィ子の精神世界でサーヴァントなコラさんと夢の共演・共闘を果たしながら、ルフィ子の知られたくないけど触れて欲しい「秘密(SG)」を集めてパニッシュタイムで丸裸にして洗脳を完全に解くが、そのタイミングを狙っていた黒幕が現れ……
【主要登場人物】
麦わら一味とハートクルーも登場するが、主要キャラは4人。
最終戦ではハト麦クルーだけじゃなくて、ヤンデレ軍団や超新星もスタンピードしてるかもしれない。
・ロー
完全に主役、もしくは操作キャラ。
闇オークションから爆速でルフィ子を奪還したが、洗脳が解けず植物人間状態だったので、暗示から自分を守る為に閉ざした心を開き、最深部まで侵入を許す唯一の存在として、精神ダイブすることになる。
愛に生かされた、愛が深い男。
・ルフィ子
元ネタの桜&BB枠になんのかな?
闇オークションの商品として、買った人間を従順に愛するよう暗示をかけられたが、「ロー以外を愛する」「他人をローだと認識する」という暗示を拒否し続け、最低限の生命活動以外を停止させるほどに心を閉ざしてしまった。
実は黒幕の真の目的のためにトラウマを掘り起こされて、心はズタズタに傷ついている状態で、たった一つ、たったの一人を守り続けた。
恋を振り撒く、恋に一途な少女。
・キアラ
ルフィ子奪還の際、R18な乱暴を受けそうだった所を偶然見つけたハト麦たちが勢いで助けて連れてきてしまった、ハンコックに並ぶ絶世の美女。
助けられてすぐに、自分はヒューマンショップオーナーの奴隷であり、「シンシンの実」の能力者、自分や他者の精神を誰かの心に侵入させ、その心に直接影響を与えることができる精神侵入人間であり、ルフィ子を洗脳した張本人であることを自ら告白する。
しかし、主人の要望通りの暗示をルフィ子は他の全てを犠牲にしても拒絶してかからなかったため、主人の怒りを買って海楼石の錠で能力を封じられて罰を受けるところだった。
なのでロー達は自分の恩人であり、ルフィ子も暗示のかけすぎで心を完全に閉ざすまで、ルフィ子にとって加害者であるキアラが主人に殴られていたら庇おうとしていたことを感謝しているので、ルフィ子の洗脳を解く為に自分の力を使いたい、信用して欲しいと頼み込み、ローも麦わら一味も彼女の置かれていた状況からして嘘はないと思い、信用してしまう。
元ネタご存知の方なら知っての通り、元凶かつ黒幕はこいつ。襲われていたのは演技ではなく趣味の一環、奴隷という身分は本当だが、その美貌と能力はおまけレベルに巧みな人心掌握術で下剋上を果たしており、ルフィ子のニカとしての世界への影響力と彼女の特異体質に目をつけ、自分の能力で彼女を乗っ取る為に洗脳を施していたが、上記の通り彼女の恋心が鉄壁過ぎて掌握しきれず、なのでローを使って自分の精神をルフィ子の深層まで潜り込ませた。
ちなみにローがキアラと話す時、いくら呼んでもサラダを用意しても無反応だったルフィ子が、「そいつに近寄らないで」と言うようにローの手を掴み、キアラが元ネタ同様に、「キアラの能力でローがルフィ子の精神に潜るの為」ローにディープキスかました時はローの手を潰さんばかりに握った。どちらの行為も周囲は「嫉妬」と受け取ったが、ルフィ子は彼女の本性を知っていたので、キスすらも嫉妬ではなく洗脳で封じられた心から溢れた、「トラ男を守る」という意思。
・コラさん
元ネタのサーヴァント枠。
ルフィ子の精神世界に現れ、ローと共にルフィ子の精神世界を旅し、戦うパートナーだが、残念ながら本人ではなくローの記憶やイメージによって作られた、あくまでローの分身……なのかな?
事前にキアラから、他者の心に剥き出しの精神体が侵入することはとてつもなく孤独で不安だからこそ、自分にとって最も信頼している人の姿を借りた分身が現れることがあると告げられていたので、ローは驚いたし本人ではないことを残念に思ったが、それでも大好きな人と再会し、「一緒に旅をする」という夢を叶えられたことをルフィ子に悪いと思いつつ喜んでいた。
ちなみにローのイメージによるコラさんなので、本人と人格等に違いはあるだろうが、メタ的に読者が知ってるコラさんはほぼロー視点のコラさんな為、たぶんキャラ崩壊などは起こってない。ドジが誇張されてる可能性はあるけど。
実はキアラがルフィ子の深層まで潜り込む為の「トロイの木馬」として意図的に作られ、生み出された存在。
しかしキアラがローを騙す為に使っていたガワで言動はキアラの演技というわけではなくて、ローの分身であることは本当で、コラさんにも自分がトロイの木馬である自覚はなく、体の中に寄生虫のように潜まれていた。
ローに自分の能力を付与した時点で、ローがトロイの木馬状態だったので、本来ならコラさんを意図的に作る意味は特になかったのだが、ローの絶望顔が見たいという欲求からわざわざ作り出して、彼を使ってキアラは悪趣味極まりない登場を果たす。
しかしこの己の快楽のみを追求した無意味な行為が、彼女の「失敗」を決定づけた。
彼女は「恋」と「愛」、そして「現実」の地雷さえも踏み抜いたが故に破滅する。
【第1ステージとSG】
第1のルフィ子精神世界は、シャボンディ→インペルダウン→マリンフォードと移り変わる世界で、ルフィ子とコラさん以外の登場人物はローを含めて皆、10〜12歳くらいの姿で子供化している。
初めは子供化しているローと26歳コラさんが19歳ルフィ子をシャボンディの遊園地で追いかけっこという平和さだが、徐々に世界がインペルダウンに変わってゆき、最終的にはマリンフォードで頂上戦争の再現。
ルフィ子以外が子どもになっているので、ルフィ子は無双してエースを救出できたが、エースも子どもだからこそ、既にルフィ子やサボと出会った頃とはいえ、自分の死を世界から望まれていることは思い知らされたが、白ヒゲとの関係を自分のものとは思えなかった為、生きてゆく意思を無くして自棄になり、ルフィ子の助けを拒絶。
そして彼女を振り払って、子供の姿でもルフィ子にとって強力な能力者イメージが強い赤犬に特攻してしまう。
拒絶されても兄を助ける為に自分が盾になろうとしたルフィ子を、ローがシャンブルズで捕獲。
自分の精神世界でも助けることができず、赤犬に殺されるエースを見て絶叫、号泣して「強くなりたい、子供のままなんて嫌、守られるだけの子供なんて嫌、大人になりたい」とトラウマと弱音と本音を泣き叫ぶルフィ子に、ローは小さな腕を伸ばして抱きしめながら、伝える。
強くなることと大人になることはイコールではない。むしろ、大人になればなるほどに色んなしがらみに縛られて動けなくなる。
白ヒゲさえも、そのしがらみで最初は動けず、結果として自分だけではなくそのしがらみを断ち切ってまで助けようとしたエースを、互いの家族愛故に失った。
けれどルフィ子は子供で、後先を考えない、しがらみなんてない子供だったからこそ、エースが何もかも諦めて死んでいくのではなく、「愛してくれてありがとう」と言える終わりを迎えたことを告げ、子供の自分を否定するな、ゆっくりと自分がなりたい大人になれと諭して、SG「強くなりたい(おとなになりたい)」を入手。
泣きながらも消えかけたルフィ子が「……大人になるまで、トラ男は待ってくれる?」という問いに「それぐらいしてやるさ」とローは答えた為、ルフィ子は「じゃあ、大人になったら妹扱いじゃなくて女扱いしてね!」と言って消え、ローが発言の訂正を求めて慌てている横でコラさんは「孫の顔が楽しみだ」と笑って宣い、「あんたは俺のなんなんだよ!?」とローが突っ込んで第1ステージ終了。
【第2ステージとSG】
第2のルフィ子精神世界は、オレンジの町やアラバスタ、エニエスロビー、パンクハザード、ホールケーキアイランドなどの国や都市が混ざりあっているが、ベースはドレスローザ。
ここではローは現実通りの姿だが、ルフィ子の方が男(つまりは原作ルフィ)になっている。
男になっているルフィ子は、距離こそは近いがそれでも馴れ馴れしい程度であり、恋愛的な好意の触れ方や発言はなく、ローを友達として扱い、「どっちがミンゴを倒すか競争な!」と言って再び追いかけっこ。
ドレスローザに混じったその場所で倒し、そしてヤンデレになった奴らがそれぞれ現れて襲ってくるが、皆ルフィに恨みこそはあってもヤンデレてはいない。
ただ、「飛び回る人影」が所々現れ、「弾むバネの音」がドレスローザの中心部に近づくにつれて間が短くなり、音が大きくなってゆく。
ドレスローザの王城に到着するが、王座にいるはずのドフラミンゴはおらず、そのことを不思議がるルフィにローは「バネ足の人影」ともう絶え間なく鳴り続ける「弾むバネの音」の正体であろう「ベラミー」について尋ねるが、ルフィは無表情で「そんな奴知らない」と答える。
その答えに「恍けんな!」とキレながら、ローは本物のドレスローザの城にはなかったはずの「鐘楼」に駆け出し、今度はローを止める為にルフィが追い、攻防しながらローはドレスローザにはない、彼女から聞いていた自分の故郷の海の物語、夢物語であったはずの「黄金の鐘」を鳴らすと同時に、空の雲にもう見落とせない、気づかないなんて嘘がつけぬほど巨大な「バネの手足の人影」が写り、ルフィは男の姿から女の姿に戻りながらその場に座り込む。
ヤンデレどもは「加害者」だと思っていた、可哀想だとかそう思われる同情はいらないが、自分が「被害者」だと思っていた。
自分に執着したが故に、憧れる相手を二度も間違えた者と出会うまで。
「ベラミー」は自分が呪いをかけたからこそ、仲間を失ってもドフラミンゴの下につき、あらゆるものを踏み躙られた。
自分が呪われているのではなく、呪いを振り撒いているのだと思い知らされた相手だからこそ、自分を追う影も、バネの弾む音も、自分の本来の性別からさえも目を背けていたルフィ子にローはブチ切れ続行しながら一喝。
シャボンディでのヒューマンショップのオークション、天竜人をぶん殴ったあの事件はローにとっては他人事ではない、過去の自分やコラさんが救われたような、忘れられない、忘れたくない、頂上戦争で駆けつけて命を助けるだけでは足りないくらい価値あるものだったことを語り、要約すれば「お前の性別も体質も関係なく、お前のやらかすことが眩しすぎて脳が焼かれるやつなんざ腐るほどいる!ベラミーもその典型だ!もっと『お前自身』で自惚れろ!!」と叱りつけて、第2のSG「強くなりたい(おとこがよかった)」を入手。
「……トラ男にとって私は、男でも女でも変わらないんだ」と喜んでいるような残念そうな顔をして消えかけるルフィ子に最後、コラさんが気まずげに「所でなんでドフィいなかったの?」と聞いたら、「ヤンデレの方向がバグりすぎてて、こいつだけは被害者でも加害者でもないって思ったから」と答えられ、コラさんがとてつもなく複雑な面持ちとなって第2ステージは終了。
【第3ステージとSG】
第3のルフィ子精神世界は、フーシャ村、グレイターミナル、コルボ山。つまりはルフィ子の故郷で、ルフィ子は子供の姿をしており、ウタ・エース・サボと遊んでいるが、この三人は現在(享年)の姿をしている。
ローが現れると、ウタが「悪い海賊がルフィを攫いに来た!ルフィは隠れて!」と言い出し、エースとサボがルフィ子を抱えて走り去って、彼女を追おうとしたローとコラさんはウタと交戦。
そのまま、ルフィ子を追えば彼女を守ろうとウタ(フーシャ村)・サボ・(グレイターミナル)・エース(コルボ山の麓)の順で立ち塞がって応戦することになる。
三人を倒すと、ウタは泡、サボとエースは炎となって消えるが、ウタの泡の中、サボとエースの炎の中に、ルフィ子が彼らと別れて泣いた日の光景が映り、ローは最悪の気分のままコルボ山の奥まで進んだ先で、最後に立ち塞がるのは「冒険」の対義語であり、「置いてゆかれた」ルフィ子が「置いて行った」人であるダダン。
三人と違って能力者ではないダダンは当然一番、ローやコラさんの相手にならないが、三人と違ってどれだけ傷ついても、ルフィ子が泣いて「もういい!」と叫んでも倒れず、ローに問う。
「一緒にいてやれないくせに、どうしてルフィを連れ出そうとする!?」
「海賊になりたかったのは、自由に生きるには海賊になるしかなかったからだ!悪党になりたかった訳じゃない、自分らしく生きるだけで悪党の烙印を押されたんだ!」
「置いていかれたのだから、追うしかなかった!!なのにお前は、置いていくつもりで連れ出すのか!?」
ダダンの言葉に、「置いてゆかれた側」であるローは何も返せず、膝をつく。
代わりに前に出たのは、彼を「置いて行った」コラさん。
コラさんはダダンに今度は一切手を出さず、どれほど殴られても無抵抗を貫くが、彼女と同じくどれほど傷ついても立ち上がり、前に進みながら答える。
「ごめん」
「守れたら、無事でさえいたら、生きてさえいてくれたら大丈夫だと思った。幸せになるって信じて疑わなかった」
「そんなに好きになってくれるなんて、思ってなかった。もっともっと好きになる人が現れて、すぐに忘れられると思ってた」
「ごめん、本当にごめん」
「……同じなのに、同じものが嫌なのに、怖いのに、それなのに同じ思いをさせることをわかってなかった」
「……それでも、『本当の独り』じゃなければ、ずっと一緒にはいられなくても、……『ここ』にいさせてくれるのなら、……いつかは分からなくても、それでも必ず会えるのなら、帰ってきてくれるのなら、……寂しくないから」
いつしかダダンの攻撃も止み、ダダンの思いを汲むようにすれ違い様に肩に手を置いて、ルフィ子の前に膝をついてコラさんは懇願する。
「頼む、麦わらちゃん。ローの元に帰ってきてくれ」
コラさんの言葉に、ルフィ子は「トラ男、寂しい?」と聞く。
その問いに、ローは膝をつき立ち上がれず、俯いたまま答える。
「…………ああ」
「……一人は、…………独りぼっちは、寂しい」
その答えに、いつしか目の前まで来ていたルフィ子が、ローの頭を撫でる。
顔を上げるローに、ルフィ子は泣きそうな顔で、それでもひだまりのように笑って言う。
「いっしょ!!」
その言葉で第3のSG、「強くなりたい(ひとりはいや)」を入手。
ローは入手したSGとルフィ子を見比べてから、ぎこちなく笑って「帰るぞ、麦わら屋」と手を差し伸べる。
ルフィ子も満面の笑顔でその手を取ろうとしたが、手が触れる直前に子供から大人に戻ったルフィ子がローの手を払いのける。
予想外の反応に目を見開くローとコラさんに対してルフィ子は、ローにとって見たことはあるが自分に向けられたことなどない、敵にいつも向けられていた凄絶な嫌悪と壮絶な怒りによる拒絶の顔と声で、絶叫。
「お前は入ってくるな!!!!」
その拒絶の直後、ルフィ子は巨大な自身のレリーフがついた頑強な壁となり、第3ステージ終了。
【乙女コースター突入前】
一旦現実世界に帰還して、キアラにSGを三つ入手したが、信じられないぐらい拒絶されて更に閉じこもられたとローは説明する。
その疑問はキアラから、「恋する乙女は複雑で殿方には矛盾の塊に見えるかもしれませんが、それが正常です。SGはその壁を突破する為のもの」と説明される。
ローは納得がいかなかったが、女性陣や数名の男性陣から「乙女とはそう言うものだ」と熱弁され、ルフィ子の反応に違和感を持ったままだが、精神世界の更に奥底であるルフィ子のレリーフ内にダイブ。
(熱弁した男性陣はフランキーとブルック。この二人とロビンはSGとその入手方法を説明された時点でそれらは「性行為の暗喩」だと気づいていた為、「そりゃルフィが拒絶する訳だ。でも、だからこそトラ男じゃないとダメだ」と思ったので、ローが気づいてめんどくさくなる前にゴリ押した)
【ルフィ子の乙女コースター】
ルフィ子の乙女コースターのBGMはさざなみと風車が回る音。
周囲に流星のように散って流れるのは、大輪の向日葵。
「あの日、助けに来てくれたのが嬉しかった。
仲間ではないあなたが。
友達でもない、知り合い程度でしかなかったはずのあなたが、助けに来てくれたことが嬉しかったの。
仲間ではないあなただからこそ。
友達でもない、ただの医者として私を助けてくれたからこそ、嬉しかったの。
あんなにも『特別』な場所で、『特別』な状況で、『特別』な立場の私を……特別じゃないただの、あなたからしたら他の人と平等に大切な患者にしてくれたことが。
あなたの為にした訳じゃないことで、あなたが私を気にかけてくれたくれたことが、あなたを助けた訳じゃないのに、私を助ける理由にしてくれたことが。
ただの『私』を見つけて、助けてくれたあなたが大好き」
「ただ自由でいたいの。
じいちゃんは私を守ろうとしてくれてたことは知ってる。海賊が悪い奴らだってこともわかってる。
それでも私は海軍になんかなりたくない。
縛られたくない、縛りたくない。決められたくない、決めつけたくない。
私はただ、私でいたい。私がなりたい私になりたい。それだけなの。
だから私はゾロが、ナミが、ウソップが、サンジが、チョッパーが、ロビンが、フランキーが、ブルックが、ジンベエが大好き。
私を、私の夢を、なりたい私を見て、信じて、一緒にいてくれる皆が大好きだから、私はいくらでも頑張れる。
なりたい私を決めたのは私だから、この『なりたい私』に縛られるのは受け入れられる。
皆の期待は、受け止められる。
……けれど時々、なりたくない、捨ててしまいたい『私』が寂しいって泣く。
そんな時は、あなたに会いたくなる」
「私を追いかける、私の自由を奪おうとする、私を求めるけど私を見てない奴らの気持ちなんてわからないけど、例え振り向いてくれなくても、同じ想いを返してくれなくても、それでも求めずにはいられない気持ちだけはわかってしまった。
その人しか見えなくなる世界を知った。
その人へ手を伸ばさずにはいられない衝動を知った。
その人のことしか考えられない心を知った。
理解できない、したくない、怖くて気持ち悪くて腹が立って見たくもなかったはずのものが、今では楽しくて嬉しくて仕方がないの。
怖くて気持ち悪くて腹が立って見たくもないものと思って欲しくない、同じぐらい楽しいと思って欲しい。
好き、好き、好き、好き、大好き。
大好き。ずっとずっとこれからもずっと、破れても失っても折られても散っても忘れたって、ずっとずっと大好き。
私、あなたに恋してる。
だから、だから、だから…………」
「お前は入ってくるな!!!!」
普段の無邪気で騒がしくて幼く拙い好意の言葉より、落ち着いて穏やかな子守唄のように紡がれるローへの想いだが、やはり最後は「敵」に向ける嫌悪と怒りの拒絶に、ローは「本当にこれはただの『乙女心』によるものなのか?」と思いながらも、最深部にコラさんと到達し、ルフィ子と対峙する。