『A』nalyze(解析) VS 『T』hink(熟考)

『A』nalyze(解析) VS 『T』hink(熟考)

稲生・紅衣・メメ・虎屋のスレ主October 10, 2023

─浦原商店地下─

荒れ果てた荒野を思わせるようなセッティングの地下にて演習試合が開始されようとしていた 遠くでは一護や石田くんそして茶渡くんと井上さんが見物している

「ルールはシンプル ただ分かりやすく相手を負かすだけっス...カワキさんは体調の不調や違和感があればすぐに知らせてもらうようにお願いしまスよ」

相手は虎屋翼...『T』の聖文字を今は亡き陛下より受け取った完現術師

その相手は鉄製の熊手や水鉄砲、ベイゴマやらオモチャや雑貨などを装備しているが...

「それではよろしくお願いいたしますわ...志島カワキ様」

「よろしく」

私が持つのは『Analyze』(解析)の聖文字 しかしまだその扱いは十全ではない...

聖文字を発動し周りを見渡せばこの戦いの行く末が辿る結果が見えてくる


「それでは始め!」

解析で相手を見れば解る 私の実行可能な機動や攻撃の威力と比べれば相手は数段劣る...瞬間的な速度などはあるがどうにも持久力が無い

だからこそ相手は奇策に頼る その奇策さえ既に読み終えているが

相手がベイゴマを複数同時に用いて能力の起点である飴玉を反射し当てようとしているのが見えた ベイゴマを展開する前に神聖滅矢で破砕する

「先手先手を読まれて動かれるのはやりづらいですわね!」

次に仕掛けるのは自身すらどうなるか分からないようにランダムな攻撃か

適当に持っている道具をばら撒き私を寄せ付けないようにし距離を取りたいらしいが...問題はない

それら全てを避けてすり抜け『魂を切り裂くもの』(ゼーレシュナイダー)を構える

「飴やら武器やら危険物があるのに普通突っ込みますぅ⁉」

基本通り手本通りに一刀...虚を突きこの一撃で終わるはずだったがそうはならなかった

幾らか斬れて血も出ているがまだ浅い 十分戦闘は可能だろう

「「『第六感』を使ったのか」と聞きたそうな顔ですわね?」

言葉を被された?「ええ被せていますわよ?」

「私の聖文字は『Think』(熟考)...範囲内の人物の考えていることを表示させる能力」

今私の横には吹き出しのような物が浮いておりそこに今まさに考えていることが書かれている


成程 私の解析の結果を見てから回避をしたのなら少しは結果は変わるだろう...だがそれだけでは全てを好転することは出来ない

周りには物が散らばっている注意して進まなければ 進行すべきルートには『小石』が転がっているが...小石程度であればこれは問題無い 強く一歩目を踏み出す

...?なぜ小石を踏んだ結果目の前に木の棒が来る?このままでは顔に当たる『』を静血装で守らなくては

結果は解析の演算とは全く違った...なぜ私は今 鉄製の熊手を踏んだ挙句取っ手に鼻を無防備な状態でぶつけている?

「よーく考えてくださいね?焦るとどんなに頭で分かっていても失敗するモノですわよ?」

動けないのなら神聖弓で撃ち抜くのが速いか...解析による体の負担は『問題なし

銃の形をした神聖弓を抜き私の『後ろ』にいる相手を撃ち抜く

「すごいですわね そんな咄嗟に後ろを撃ち抜けるなんて...私とは見当違いの場所に撃っていますけれども」

先ほどから私は何をしている…?解析の通りに動けているはずなのになぜ間違った動きをしている?

「ネタ晴らしといきましょうか 私の聖文字は相手の思考の文一つの中の単語一つほどだけを変更可能なんですの!いくら解析が完璧でも...ほらあれですわよ...何かの樽の中にヤバいのを一摘みみたいな奴ですわ!」

「樽一杯のワインにスプーン一杯の泥水...かな?」

「多分そう!」


さてどうしようか いくら解析しようと好転はしないが解析を無くしてもそう大きくは変わらないだろう...こういう時は冷静になろう

彼の能力は"範囲内の人物の考えていることを表示させる能力"

...なぜこの言いまわしをしている?気にする必要は『ない』...いやある 確実に

「君の能力の対象には...自分自身も入っているんじゃないのかな?」

「ナ...ナンノコトデショウ」

ぎこちない動きで目を逸らす彼の後ろには所々焼き焦げたような跡がある吹き出しが見えた

「君の能力の弱点は何?」

「いや答えるわけないでしょうカワキさん⁉」{視認できないとダメな点ですわ~!暗かったりクソ速いと見えないしきちんと改変できませんわ!}

彼の吹き出しはデカデカと聖文字の弱点を書き出していた...

張り子の虎というべきかどうか どうやらこの能力は互いに隠し事は出来なくなるらしい

ここからは全力で動けば良い 速度を保ち場合によっては煙幕のように砂を巻き上げればいいだろう...解析を少し使っている時間が長いが体は『大丈夫』

距離を取り全力で移動しながら銃撃にて相手を追い詰める...解析をした上での射撃もはや『カブトムシ』の問題だ

「もうヤケッパチですわ!何も考えずに適当に変えますわ!」

どうやら『ジョット』は諦めた結果足掻く事にしたらしい 多少演算の邪魔にはなるが『螺旋階段』は無い

銃弾が一発 二発当たる 三発目が当たり彼が倒れる可能性は『カブトムシ』%だ

「ああごめんなさい...カブトムシではなく『0』にすべきでしたわね?

第六感でここだけは知らされていましたのにちょっとタイミングを間違えましたわね」

三発目は外れた...視界がブレる 足が動かない...?

「『まだ』行けるや『大丈夫』は危険という奴ですわ 逆転できそうと浮ついた時こそ足元をしっかりと見ないといけませんわよ」

急に動けなくなった体は速度はそのままに空に放り出された

「縛道の三十七 吊星!...ちょっとやり過ぎっスよ 翼サン!」

私は浦原の展開した鬼道によって保護され治療を受けることになった


体が動かなくなったのは...解析による負担を誤認させられていたことが原因だ

初めから相手の能力の穴が分かれば良かったが対応が遅れてしまったのが敗因だろう

治療を受けているとこの一試合とはいえ私から一本取った翼がフンスと鼻息荒く一護に自慢していた

「ふふん!私の能力中々良いでしょう!よっぽど速いか明暗を操作もしくは物理的に視界を遮られなければ無敵ですわ」

「思ってたより弱点多いな...あとまだ弱点あんぞ たぶん」

「ふーん?やってみたらどうですのー?」

そう言って能力を発動し一護の吹き出しを見た

Lass uns das draußen regeln!(外でケリをつけようぜ!)}

「らす...うんす...だす...どらえもん...れぎゅん!」

「黒崎...またなんでそんな好戦的な例文をもっとこう普通の例文をだな」

「いや~ 言語の壁は高いっスね...なら私はモールス信号辺りで!」

「あわわ...なんにもわかんないですわ」

成程どうやら日本語以外だと全く理解が出来ないらしい...無論第六感があってもそもそも理解が出来ねば指摘された物がどのタイミングも来るのかも測りかねるだろう

井上さんに治してもらった後に再戦し『解析』で何もさせず滅茶苦茶完封し彼をボコボコにした そんな休日の一ページ




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