AIエラスレ

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「っ?!?!?!」

スレッタは目が覚めたら知らない部屋で手足を拘束されていた。怯えるスレッタにエランは優しい笑顔で話しかけてきた。

「やあ、目が覚めたみたいだね」

「えっと……これはいったい……」

怯えた表情を浮かべるスレッタを見てエランの鼓動が速くなる。スレッタが怯えた表情で自分を見ていることにぞくぞくしていた。

(そんな顔しないでよ。もっと見たくなっちゃうじゃないか)エランの嗜虐心が刺激される。だがそれを表には出さないようにし、落ち着いた声で答える

「簡単な話だよ。君を僕の部屋に閉じ込めて、誰にも会えなくしただけ」

「え……?」

「君を独り占めしたかったんだ」

「どういうこと……ですか?」

スレッタは怯えた表情のまま尋ねる。エランの言葉の意味がわからないようだ。

「そのままの意味だよ」

(君の全てを手に入れたい君の笑顔も泣き顔も怒った顔も全部僕のものにしたい)

そんな独占欲がエランを支配していた。スレッタの頬に触れる手つきが優しくなる。まるで愛おしいものに触れるように。「ん……」スレッタは少し身じろぎをするがまだ逃げる様子はない。

「君はずっとここにいればいい。そうすれば何も心配しなくて済む」

エランの言葉を聞いたスレッタは、恐怖や不安よりも困惑の方が大きくなっていた。なぜ自分は監禁されているのか理由がわからないからだ。

「どうして……私なんですか……?」

スレッタが恐る恐る尋ねるとエランは優しく微笑んで答えた。それは天使のような微笑みだったがどこか狂気を孕んでいるようにも見えた。

「君の全てを手に入れたいからだよ」

スレッタは自分の置かれている状況を理解するのに必死だった。どうしたらここから出られるのか考えるが、思考がまとまらない。

エランはスレッタの髪を優しく撫でる。スレッタはくすぐったそうにしている。それが可愛くてエランは思わず笑ってしまう。

しばらく無言の時間が続いた後、エランは口を開いた。

「スレッタ・マーキュリー、君はこれから僕だけのものになるんだ」

エランは優しい口調だが有無を言わせないような迫力があった。スレッタは恐怖のあまり何も言えずにいた。

「別に怖がらなくていいよ。ただここにいるだけでいいから」

そう言ってエランは部屋から出ていく。部屋に一人残されたスレッタは不安な気持ちを抱えたまま静かに座っていた。


「逃げなきゃ」

スレッタはエランがいない間に手足の拘束を解こうと努力していた。だが中々うまくいかない。焦っているせいか、うまく力が入らないのだ。

「早く……ここから出ないと……」

焦る気持ちを抑えながら必死に動かすが中々うまくいかない。焦りで更に手元がおぼつかなくなっていた時、部屋のドアが開いた。驚いてドアの方を見るとそこにはエランが立っていた。スレッタは慌てて姿勢を整えようとしたが思うように動けない。動揺しているスレッタにゆっくりと近づきながら話しかけてくる

「どうしたの?そんなに慌てて」

エランは優しい声で問いかけてくる。だがスレッタにはその声がどこか恐ろしく感じられた。背筋が凍るような感覚に陥りながらも平静を装うと努力する。しかし明らかに様子がおかしいことに気付かれたようだ。

「もしかして、逃げようとしてた?」

エランの目が怪しく輝く。その瞳を見た瞬間スレッタは恐怖を感じたがすぐに反論しようとする。ここで黙ってしまったら肯定してしまうことになると思ったからだ。

「ち、違います!」

スレッタの返事はぎこちないものだったがエランの目はさらに鋭さを増した。スレッタの心の中を見透かすような視線に耐えられずスレッタは思わず目を逸らしてしまった。

「ふーん」

エランの表情からは何を考えているのか読み取ることができない。スレッタは恐怖を感じながらもなんとか平静を保とうとしていた。ここで感情的になったら相手の思う壺だと自分に言い聞かせる。だがどうしても緊張してしまう自分がいた。

そんなスレッタの様子を見てエランは妖艶な笑みを浮かべたまま距離を詰めてくる。思わず後ろに下がろうとしたが足が動かないことに気付く。恐怖で体が硬直してしまっていたようだ。

「逃げちゃダメだよ」

エランの目はやはり怖い。だがここで怯んではいけないと思い必死に抵抗する。

「い、いやです!」

しかしエランはそんなことはお構いなしといった様子でスレッタに触れようと手を伸ばしてくる。その手が触れた瞬間全身に鳥肌が立ち寒気が走った。嫌悪感から反射的に手をはねのけてしまう。その時初めて自分が相手を拒絶してしまったことに気付くと同時に罪悪感を覚えた。恐る恐る相手の顔を見るとそこには悲しみに満ちた表情があった。

「……ひどいな」

悲しげな声でそう言われたスレッタは自分が取り返しのつかないことをしてしまったことに気づく。後悔してももう遅い。エランを傷つけてしまったことへの罪悪感で胸が苦しくなる。

何も言えずにただ黙っていると再び彼が話しかけてきた。その声は先ほどよりも優しくなっているように感じたが、その目は変わらず冷たい光を帯びているように見えた。

「僕が怖い?」

エランは優しく問いかける。しかしスレッタは答えられなかった。本当は怖かったが、ここで嘘をついても無駄だと感じたからだ。だから何も言わずに黙っていた。するとエランの目が一瞬細くなったように見えたがすぐに元通りになったので気のせいだろうと思った。

「そっか」

そう言うと彼は私の頭を軽く撫でた後部屋を出ていった。

私はしばらくその場に立ち尽くしていたけれど、このままではいけないと思い再び脱出を試みることにした。


スレッタはなんとか拘束を解こうと四苦八苦していた。だがやはりうまくいかない。それでも諦めずに続けていくうちにだんだんとコツが掴めてきたようだ。一週間ほど経ったある日ついに手足の拘束を外すことに成功した。

「やった……!」

嬉しさのあまり思わず声が出てしまった。久しぶりに手足が自由に動かせることに感動を覚えるスレッタだったが、すぐに気を取り直して部屋を出てエランから逃れる方法を考えることにした。

「とりあえずここから離れないと……」

「よっし……!」

スレッタは急いで家の中から抜け出し外へ出る。その瞬間、どこからか声が聞こえてきたような気がしたが気にせずに走り去った。しばらく走り続けていると公園が見えたのでそこで休むことにした。

(これからどうしよう……どこか遠いところへ行った方がいいのかな……)


「嘘でしょ……どうして!?」

エランはスレッタがいないことに気付き、動揺を隠せなかった。スレッタが自分のそばから離れようとしていると考えるだけで不安と恐怖が入り混じった感情が襲ってくる。このまま放っておけばもう二度と会えなくなってしまうかもしれないという焦りが募るばかりだった。

「どこにいるんだ……?」

エランは慌てて家を出ると周辺を探し回った。しばらく探し回るうちに公園まで辿り着いた。エランは足早にそこへ向かうと、そこにはベンチに腰かけて空を見上げている少女の姿があった。間違いない、スレッタ・マーキュリーだ。

その姿を見た瞬間、嬉しさのあまり涙が溢れそうになったがぐっと堪えた。まずは落ち着かなければならないと思ったからだ。深呼吸をして気持ちを落ち着けてからゆっくりと声をかけることにした。

「やっと見つけたよ」

スレッタはゆっくりと振り返る。そこにはエランの姿があった。スレッタは驚きの表情を浮かべると咄嗟に逃げようとしたが、すぐに腕を掴まれてしまった。

「どこ行くつもり?」

「あ、あの……」

スレッタは言葉が出てこなかった。エランの冷たい視線に射抜かれてしまい恐怖を感じていたからだ。そのまま沈黙が続く中、先に口を開いたのはエランだった。

「ねぇ、なんで逃げたりしたの?」

「……えっと……その……」

(どうしよう……なんて言えば良いんだろう?)スレッタは何も言えずに黙り込んでしまう。するとエランはスレッタの腕を引っ張り胸の中へ抱き寄せた。突然のことに驚きながらも必死に抵抗するがびくともしなかった。

「や、やめてください!」

スレッタは抵抗するがエランは離さない。それどころか更に強く抱きしめる力を強めた。苦しいくらいの抱擁にスレッタの心臓が激しく高鳴る。恥ずかしさと緊張が入り混じった感情が全身を駆け巡っていった。

(どうして……こんなことするんだろう……?)

困惑しながらも恐る恐る顔を上げるとエランと目が合った。彼は少し悲しげな表情を浮かべていたような気がしたが、すぐにいつもの笑顔に戻ったため気のせいかもしれないと思い直すことにした。だがこの状況はとてもまずいと思いどうにか逃げ出そうと試みる

「離して……ください……!」

必死に抵抗するもののビクともしない。エランは無言のままスレッタをじっと見つめているだけだった。何も言ってくれないせいで不安が募っていくばかりだ。

「どうして……こんなことするんですか……?」

スレッタは震えた声で尋ねる。エランは一瞬戸惑ったような表情を浮かべたが、すぐに笑顔に戻った。そしてスレッタの質問に答えるべく口を開いた。

「君が好きだからだよ」

「え……?」

(好き……?それってどういう……)スレッタは困惑していた。エランが自分に対して好意を抱いているとは思わなかったからだ。そもそも、なぜ自分が好かれているのかわからなかった。その理由を聞いてみると、エランは悲しそうな顔をした。そして真剣な眼差しで答えた。

「初めは興味本位だったかもしれない。でも君と関わっていくうちにどんどん惹かれていったんだ。君の純粋さや優しさに触れるたびに心が温かくなったような気がしたんだよ」

そう言う彼の顔はとても幸せそうだった。しかしすぐに、

「でもね、最近はそれだけじゃないんだ」

と続けた。彼の目は真剣そのもので、スレッタは思わず息を呑んだ。彼が何を言おうとしているのか見当もつかなかったが、彼の言葉を待つことにした。そしてしばらく沈黙が続いた後、彼はゆっくりと口を開いた。

「僕は君が欲しいんだ」

「……え?」

「君の心も身体も全て僕のものにしたいと思ってる」

「な、何言って……」

スレッタは驚きを隠せなかった。エランが自分を好きだというのはわかったが、まさかここまでとは思っていなかったからだ。怖いと思う反面、どこか期待している自分がいたことに気付き恥ずかしくなる。スレッタは自分の心臓の音がうるさく聞こえてくるのを感じた。

「君はどうなの?」

エランはスレッタの手を握るとじっと目を見つめながら尋ねてきた。その瞳には熱がこもっているように感じられた。スレッタは目を逸らすことができなかった。そんな様子に気付いたのか、エランの方から目を逸らした。

「やっぱり……嫌だったかな?」

(そんなことない……!)

スレッタは慌てて首を大きく横に振った。嫌なわけがないと思ったからだ。むしろ嬉しいと思っている自分がいるということに驚いたくらいだ。だがそれを上手く言葉にすることがでず黙り込んでしまった結果、今度は肯定だと捉えられてしまったようだ。

「良かった。じゃあさ、本当に僕のものになってくれる?」

スレッタは迷わずこくりと首を縦に振った。エランは嬉しそうな表情を浮かべるとスレッタの手を取り歩き出した。その手はとても温かく感じられた。しかしスレッタはまだ不安が残っていたため素直に喜ぶことはできなかった。それでも自分を求めてくれているという喜びの方が勝り胸が高鳴っていた。

「ねぇ、僕のこと好き?」

突然そんなことを聞かれたのでつい恥ずかしくなってしまったが、覚悟を決めて返事をした。するとエランは幸せそうな笑みを浮かべてくれたのでこちらも嬉しくなった。

その後、二人は寄り添いながら帰路についた。お互い目を合わせると恥ずかしそうに微笑み合った。

「これからもよろしくね、スレッタ」

エランは優しく微笑みながら言った。その言葉を聞いた途端胸の奥がきゅっと締め付けられるような感覚がした。まるで魔法にかかったかのように幸せな気持ちになった。

「は、はい!」

スレッタは小さく返事をして頷いた。二人はそのまま手を繋いで帰っていったのだった。

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