「ACに乗ろう!」企画会議
ニューハウンズ本部
「”呼ばれたから来たけど・・・どこだろ?”」
廊下をきょろきょろしながら男は歩く。
今日はとある企画をするということで呼ばれたのだ。
「ここにいましたか」
h背後から声がかかる。見るとそこには河岸コエがいた。
「”あ、コエ”」
「さんを付けるべきだと思いますが・・・まぁいいでしょう。こっちです」
彼女に案内されてついていくと大きめのドアの前に立った。ドアには「臨時会議室」と書いた紙が貼られている。
意を決してドアを開けるとそこにはロニーやスネイル、五花海やミシガンをはじめとした重鎮が座っていた。
「来たな。座れ」
ロニーが座るよう促す。促されるがままに座ると再び彼が口を開いた。
「今回皆様に集まってもらったのは他でもない。ブランチ襲撃、及びアリウスの反乱で発生したACへの忌避感、それを除するための大規模ブースを開催しようと思う」
挙手。
「タキガワさん、どうぞ」
「ブースということは武器がメインかい?それとも、パーツがメインかい?」
「どっちもです。うちの部下にも話合わせたところ『どれも魅力的で選べない』とのことです。だから皆様には自分たちの商品を紹介していただけたらいい」
挙手。
「五花海さん、どうぞ」
「それをやるこちらのメリットは?」
「まずACへの忌避感が消えて購入意欲を沸かせること。幸運にもキヴォトス人は頑丈だ。スポーツ感覚を植え付けてしまえば大規模な大会も開くことができるでしょう。
キヴォトス人は死を強く忌避する傾向があります。ですがACは戦うだけのものじゃない。RaDのWRECKERシリーズを見ればわかるかと思います」
「成程・・・わかりました」
挙手。
「ミシガン総長、どうぞ」
「うちの大豊の面々が『キャンペーンガールをバイトで募集したい!』とやかましい。大丈夫か?」
「先生、どうですか?」
「”え?!私?!・・・まぁ、あなた方は少なくとも子供を陥れる真似はしないから大丈夫だと思いますが”」
「当然だ。あんな大人げない連中とは一味違う。うちの奴らにも伝えておこう」
挙手。
「フラットウェル社長、どうぞ」
「うちと提携関係にある工務部を呼んでも大丈夫か?他の面々も親しい生徒組織があるなら呼んでもらいたいのだが」
「是非どうぞ。口コミは多ければ多いほどがいい。皆様も仲がいい組織があれば声をかけてください。我々は組織的な関係は薄いですが・・・個人での友人は多い方です。他の皆様質問は?」
挙手。
「カーラさん、どうぞ」
「うちが今少し新製品を開発しててね、試作品ではあるが出してもいいかい?」
「どうぞ。試作品はいくら出しても構いませんからね。他の皆様も試作品があれば出していただいても構いませんよ」
それを聞いたシュナイダーの人の目が怪しくなった。スネイルが頭をしばく。
挙手。
「・・・オールマインド、どうぞ」
「”?!!”」
思わず先生が立ち上がる。そこにはにやにやした顔をしながら手を律儀に挙げているオールマインドの姿があった。
「”なんでお前が”」
懐から大人のカードを出そうとする。しかしガッとロニーが腕を掴んでそれを止めた。
「ここで争うな」
「”だが、こいつは”」
「争うな。もう言わないぞ。奴も開発者の端くれだ」
「”・・・ッ”」
すると憎々しげににらみながら彼はカードをしまう。それを彼女はにやにやと見ながら口を開いた。
「お気遣い感謝いたします。私は様々なアプローチを仕掛けましたがその前に開発者の一人だと自負しております。開催期間はどのくらいですか?」
「3か月位を予定しています。多少変更はありますがおおむねそのくらいですね」
「成程、わかりました。では我々も企画に向けて動き出すとしましょう」
「ほかに質問は?」
誰も挙手しない。どうやら大方の疑問は終わったようだ。
「わかりました。これにて企画会議を終了します。ブースはニューハウンズ本部を使用します。企画の反響に応じて会場を増やすことはあるかもしれませんが皆さまの健闘を期待しております。今回は以上です」
そうロニーは締めくくった。
【人物紹介】
・タキガワさん
「タキガワハーモニクス・キヴォトス支部」の支部長。まさかキヴォトスで武器を展示するとは思わずびっくりしたそうな。