>>91のやつ
「晴信のせいですよ! 責任取って下さい」
ばーんと部屋のドアが開いて、カチ込んできたのは、生前の宿敵、長尾景虎だった。
「は?」
景虎はなぜか、真っ赤な顔で涙目だ。
その表情は、少し前に発生した黒歴史を思い起こさせるものだが、件の部屋の苦情にしては、時間が経ちすぎている。
あれから顔を合わせてもいない。
何の苦情だか、皆目見当もつかなかった。
「晴信が悪いんですよ。あんなことして、こんなふうにして、放っておくから」
「説明は具体的にやれ」
全く、景虎らしくない。
説明が要領を得ないというより、説明になっていない。
「こ、のっ……!」
景虎がおそらく怒りに顔を歪ませる。
珍しい。
思う間もなく、寝台に連行され、腰に馬乗りされた。
「取って下さい」
袴の前を開く。
秘められるべきその場所には、本来あるべき下着がなかった。うっかり直視してしまい、瞬時、息が止まる。
「何を…?!」
「これです」
景虎は自身の指を、あろうことか女陰に差し込んだ。
反射的に注視する。
見せつけるように開かれたその場所に、何やら異物が見えた。
「取って下さい!」
「……と、言われても」
何がどうなってそうなった。
あとどのあたりが俺のせいだ。
俺は一切何も関与してないぞマジで。
「晴信が!してくれないから、こうなったんですっ」
「は? ……はあ?!?!?!」
涙目の景虎は、もう自分が何を言っているのか理解できていないのかもしれない。
いやそもそもそれがどういう意味なのか知らないのかもしれない。
混乱していると、襟首を掴まれてがくがく頭をゆさぶられた。
「とにかく!これを!取って下さい!!!」
「しょ、承知した」
完全に条件反射であったが、承諾してしまった以上、腹を括るしかない。
見やすいように、上下を入れ替える。褥に転がした景虎の脚を開かせてソコを見ると、何やら丸っこい桃色の物体がすっぽり入りこんでいた。
「これ、なんだ」
「メイヴ女史にもらいました。ぴんくろーたーと言うそうです」
「ああそう」
他に何を返しようもなかった。
それがどういう形状のものかは、聖杯ぺディアにより判明したので、なんとか取り出すべく、そこに己の指を挿し入れる。
「んっ……」
景虎が小さく腰を跳ねさせる。
「こら、動くな」
「わかって、ます」
景虎のナカは、狭い。俺の指一本、その小さいおもちゃひとつで隘路はいっぱいになってしまう。
「にゃあっ」
指を入れた分だけ、奥に転がる。まずい。
ぐにぐにと膣壁を擦ると、ぬるぬるとした愛液が分泌されて、さらにつるんと奥に滑るようになる。
「こら、滑るだろうが」
「どうしたらいいんです?!」
「俺が知るか!」
女を濡れさせる術ならともかく、逆を俺が知るはずがない。
「どうにかしてくださいよぅ」
半泣きの景虎を前に、止めるとも他を頼れとも言えるはずがない。
「なんとかする」
腹の上から押し出せないかと、薄い下腹をなぞる。捏ねて押さえて揉んでみる。
「にゃ、あんっ、それ、だめ…!」
分からない。
それほど大きなものではないから当然だ。
腹を捏ねるのとは逆の指で、丸い物体を掴もうと指でナカをまさぐる。
「にゃっあぁあん♡♡♡」
びくびく跳ねる腰を押さえつける。
「おい、じっとしてろ」
「わかって……ますけどぉ、にゃあん♡♡♡」
ナカが蠢く。景虎の腰が揺れる。
まるで俺の指で自慰をするかのように、くちゅくちゅとたっぷり愛液を分泌させている。
まずい。これは非常にまずい。
俺まで妙な気分になってしまうではないか。
これは治療のようなもので、なんというかまぐわいとかそういうものではない。
ないのに、にゃあにゃあ鳴かれるとついうっかり股間の逸物が反応しそうに……いやもう遅かったが。
とにかく、一刻も早く、このおもちゃを取り出さなくてはならない。でなければ、俺の理性が取り返しのつかないことになる。
「はるのぶぅ♡早く……っ」
涙目の景虎が俺を見上げる。
その目は潤んでいて、頬は上気していて、唇は半開きで、熱い吐息を漏らしていて、もうあれだ。見てはいけない。
挿し込む指を増やす。ぐちょぐちょの内部は、2本目の指も簡単に咥えこんだ。
俺は、2本の指でその物体を挟もうと膣壁を押す。
「んにゃあん♡♡♡♡♡♡」
「こら、動くな」
景虎が腰を跳ねさせるから、掴みかけたそれを取り逃がす。
「だってぇ♡♡もぉ無理ですぅ」
きゅうきゅうと内部が締まる。俺の指はおもちゃを挟めず、ただぐちゅぐちゅとそこを攪拌するばかりだ。
「いいからじっとしていろ!」
「無理ですってばぁ……♡♡♡」
ああもうどうしろというのだ!
「あっ、あ……っ♡そこ、いい……♡♡♡」
景虎が腰をくねらせる。
俺の指は内部を抉るばかりで、一向に目的を達成できない。
焦る。焦ればなお、取り逃がす。
「ん……♡晴信のゆびで、ナカ擦られてますぅ」
「おまえ、自分ばっかり気持ちよくなって、後で覚えてろよ」
「それ、取り出してくれたら、何でもしますからぁ」
「その言葉、忘れるなよ」
「ん……♡忘れませんから、だから早くぅ♡♡♡」
景虎のナカがうねる。
もう限界だった。
俺は容赦なく壁を抉って一気に深く指を挿し込む。よし、引っかかった。
そのままの勢いでそれを一息に抜き取る。
じゅぷ。にゅぽん。
「ひにゃあぁぁああ♡♡♡♡♡♡」
粘つく感触と共に、それはころんと景虎の股の間に転がった。
景虎は一際高く鳴いて、腰を跳ねさせた。それからくたりと弛緩する。
どうやら達したらしい。
全身をひくつかせた景虎から、俺は目が離せなかった。
「とれたぞ」
「あ……♡ありがとう、ございます」
「だいたい何でこんなもので遊んでたんだ」
「だって、晴信がしてくれないから。自分じゃ気持ちよくなくて」
「それでおもちゃか。馬鹿だな」
景虎は不満げに唇を尖らせる。
「晴信が悪いんです」
「じゃあ何だ?俺はおまえに許しを請うてたっぷり気持ちよくしてやればいいのか?」
「そ、それは……」
「どうしたいんだ?」
俺は寝台に横たわったままの景虎に覆い被さる。その腰に手を這わせると、ひくんと揺れた。
「晴信でいっぱいにしてください。私の全部、晴信のにして、晴信の好きなようにしてください」
想定よりずっと広い許可範囲に頭が一時停止する。
ああもうこいつは!本当に!
何度人の情緒やらプライドやらをめちゃくちゃにすれば気がすむのか。
今度という今度は許さん。
今すぐ俺のものにして、俺なしではダメにしてやる。じっくり時間をかけて、覚えこませてやろう。
「覚悟しろよ」
俺は景虎の唇を強引に塞ぐと、そのまま思うさま貪った。