>>9 普通の家庭って……何?
・設定
ルフィが海賊王になったら一緒に暮らす(結婚のようなもの)という約束を交わしたウタ
彼女はサニー号の上で”その時”が来たらどうなるかを考えていた
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紅白髪の少女ウタは頭の中で何かを必死で描こうとしているようだ
「……う〜ん」
「ルフィと一緒になって子供が産まれるとして…私たちがその後に幸せな家庭を築けるのかな?」
「島に置き去りにしないってことは分かるんだけどな〜」
「……だめだ…そもそも私は普通の家庭ってものも知らないから思い浮かばない…他の仲間も知らないだろうし……」
「……そうだ!!配信を見てくれる人たちに聞けば何か分かるかも!!」
「…早速配信の準備を____」
彼女は歌配信をする名目で人を集め、一曲終えた後に本題の質問を視聴者に向けて放った
「ねぇみんな…普通の家庭ってどんなのか分かる?」
”えーっとママとパパがいること?”
”普通ってのはわかんないけど家で楽しく暮らせること?”
”……私は海賊に奪われたから分からな__”
「あー!!ごめんね!!みんな色々教えてくれてありがとう!!じゃあ次の曲いくね」
視聴者を悲しい気分にさせてしまったことを少し後悔した彼女はその言葉を遮って気分を変えさせるために歌うことにした
結局それ以降は普通の家庭について聞けずに配信を終えてしまった
「……パパとママがいて一緒に楽しく暮らせる家庭…?…楽しく暮らせるためにはどうしたら……」
視聴者からひとつひとつ答えを受け取ったがそれでも紅白髪の彼女はイメージすることが出来なかった
「あら…配信が終わったのに楽しそうな顔をしてないわね……」
彼女の背後から部屋に入った黒髪の女性考古学者のロビンは口を開いた
「…ロビンさん……実は____」
ウタは今悩んでいることを彼女に全て話した
「……」
それを受けて普通どころか家庭も知らない黒髪の女は……
「ふふっ…深く考える必要は無いと思うわ」
「え?」
「ルフィと一緒にいる時のように産まれてくる子にも明るく接してあげればいいと思うわ それだけで幸せ家庭を築けるはずよ」
「…そうなのかな……」
それでもまだウタは不安気味だった
「そうね…あとは……家族で一緒に手を繋いだり悲しそうにしていたら抱きしめてあげるといいと思うわ」
「そして何があっても離れないでその子を愛し続ける……それだけで産まれてくる子供は幸せになれるはずよ」
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夕焼け空の下
”パパ〜ママ〜!!”
六歳ほどの小さな子供は麦わら帽子がもっと良く似合う男と歌が大好きな女に両腕を握られて”楽しそうに”家に帰った
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「…うん…思い浮かんだ!!」
「ありがとうロビンさん!!」
「礼なんていいわ このくらい…いつでも相談に乗ってあげるから」
「…でも私よりもいい相談相手が最初から居たわね」
「…え?だれ?」
「ルフィに決まってるでしょ?一緒になるんだから本人と話し合った方が未来の計画を立てれると思うわ」
「…そ…それは少し恥ずかしい……それにルフィはそういうことを考えないと思うから____」
「ウタ!!ロビン!!何話し合ってんだ?」
突然部屋に入ってきた船長にウタは驚きロビンは笑顔で部屋をあとにした
「…それじゃあ あとは二人で話し合ってね」ニコッ
「…?ウタ今のどういう意味だ?」
「そ…それは____」
ウタはルフィと共に普通の家庭を作るための計画を立てようとしたが、前提である”ルフィの赤ちゃんを産む”と話すことが恥ずかしくなってなかなか会話が進まなかったという____
完