>>66をうけてのイオリが詰め寄るお話

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「便利屋の戦力が上がってます」


風紀委員の切り込み隊長

銀鏡イオリは、その日、珍しく委員長であるヒナに詰め寄った。


「……元々彼女たちの実力はゲヘナでも随一よ」


だが、彼女はそれに対して取り乱すことなく冷静にそう返す。


そう、それはイオリも、そして風紀委員に所属する誰もが理解していた。


事実、彼女たちは強力な戦力だ。

僅か四名でありながら、彼女を含めた風紀委員の部隊を撃破し、四人そろっている場合であれば、ヒナからも逃げおおせる。


風紀委員長にしてゲヘナ最高戦力空崎ヒナから無事に逃げおおせる。

それが、どのような意味を持つのか、ゲヘナに住むものならばゲヘナバカマコトと名高い万魔殿の主ですら理解できる。


「……我々の手に負えなくなっています」


「それは……」


「全部ヒナ委員長のせいですよ!!!」


「わ、私のせい!?」


先の言葉を紡ごうとして、彼女は逃げ場をつぶされる。


「そうですよ!だって、逃げ切った後反省会するっていうから風紀の部隊の子たちと待機してたら便利屋と鍋囲って作戦の反省会してるんですよ!」


「それは……仕事終わったらノーサイドでしょ」


もはや、イオリの剣幕に、ヒナも仮面を維持しきれなくなっている。


「友達付き合いは委員長にもいると思いますけどせめておんなじくらい私たちも鍛えてください!この前なんて私たちほぼ全部隊で囲いに行ったのに委員長出撃までに全員片付けられたんですからね!?」


「……だって」


きっ、っと、本気でこちらを見てくるイオリに彼女は何も言えるはずがない。


しゃべるのがちょっと楽しすぎて最近は。ついつい朝が来るまで便利屋で戦術議論してる、など。

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