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こういう事もあったんじゃないかなと思った結果のちょっとした話
怒ったIFミンゴに摘出糸で記憶引っこ抜かれるやつ
単純にIFローが可哀想
ギシギシと軋むような音が聞こえる
「ぅあ……うぐっ……」
頭を強く掴まれているせいで動けない。いや、そもそもそれ以前に全身を動かす事が出来ない
原因は何だっただろうか
死んだクルーを1人で部屋の中でこっそり弔っていた事だろうか
それともいるかも分からない神に、あいつ等に会わせてくれと祈った事だろうか
何にせよクルーの事を想っていたのが気に食わなかったんだろう。鳥籠から引き摺り出されて足蹴にされて、椅子に腰を降ろしたドフラミンゴの前、床に座らされてその状態で糸で固定された
「ロー、俺の何がそんなに不満なんだ?月命日にゃ必ずお前のかつての仲間を弔う場所も時間も用意してやってる。それなのに、まるで当てつけみてェに祈ってやがる。俺との時間よりそんなに大事か?」
「あがっ!かはッ!!」
糸が首を締め上げると一気に気道が狭まる
縛り上げられているせいでもがく事すら出来ず、されるがままでいれば、血が滞って顔が熱くなる。それと同時に段々と視界が暗くなり、周囲の音が遠ざかっていく
このまま死ねるかもしれないと思ったその瞬間、一気に空気が肺へと流れ込んで来て、それと同時に遠退いた意識が一瞬で引き戻された
「げほッ!!ゴホッ!!――――ッは!!はー…はー……」
堰き止められていた血液が一気に流れて顔の熱が冷めていく。死にたいと思っていても体は勝手に生きようと必死に酸素を肺へと送り込む
そんな俺の様子が相当愉快なのかドフラミンゴは心底楽し気に笑っている
呼吸が落ち着くよりも早く、ドフラミンゴは俺の頭を鷲掴みにしてきた
「うっ…いつッ!」
ギリギリと締め付けられるような痛みに勝手に声が出る
「俺は比較的寛大なんだがな、流石にそろそろ我慢の限界ってのが近いんだ。お前が大事にしているからって取り上げないようにしてたんだがなァ、さァてどうしようか?」
取り上げないように?
散々俺から大事な物を取り上げ続けてた奴が何を今更そんな事を言うんだ
俺の手元にはもう何も残ってない。そんな俺から取り上げられる物が他に一体何がある
それこそ命くらいだろうが、生憎と俺は今はもう自分の命を大事になんてしていない
ならドフラミンゴが言っているのは一体何の事だ?
えも言われぬ嫌な予感がする
何故ドフラミンゴは今俺の頭を掴んでいる?危害を加えたいならそのまま揺らすなり床に叩き付けるなりすれば良い。なのに何故しない?
物理的な危害を加える事が目的じゃない?
それに気が付いた途端に汗が噴き出した
駄目だ
それは、それだけは駄目だ
取られる
俺の
今の俺の唯一の拠り所
「まっ…いや、やだ……ごめ、ごめ、ん、なさい……」
「フッフッフ、さてどうしようか」
ドフラミンゴの手から少しだけ力が抜ける
「ッ!!」
「そんな顔するなよ。あァだがそうだよなァ?俺がこの手を離す時に能力を使えば、お前の『宝物』が無くなっちまうからなァ?そりゃあ不安と恐怖で顔が引き攣っちまうのも頷けるよ」
心底楽しそうにそう言って俺を嘲笑う。何か言い返したいがこいつの言う通りだ
摘出糸(エクストライト)という技をドフラミンゴは使える。俺がここに囚われて暫くした頃に使えるようになった技だ
他人の記憶を、その名前の通り『摘出』する
だから今、ドフラミンゴの神経を逆撫でするような事を言えば、俺は下手したらクルーの記憶を奪われかねない
だから今の俺に出来る事はたった一つ
「ご、めんな、さい…も、しない…もう、しない、から……おねがい、します……ゆる、して…ゆるして、ください……」
ただ、許される為に謝る事だけだ
「…んでも…なん、でも……するから……おねが、い…ゆる、して……」
「……何でもか。そうだなァ、なら許してやるよ」
許すという言葉に安堵して顔を上げると、愉快そうに笑うドフラミンゴと視線が合った。
「その代わり、俺以外の事は全部忘れてもらおうか」
「…………は、え…ッ!!?」
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!
必死に糸の拘束を抜け出そうとしたが、そもそも暴れる事すら出来ない
「何でもする!!!何でもするからそれだけは止めて!!!お願いドフィ!!!ちゃんと言う事聞く!!!だからお願い止めて助けてぇえええええええええ!!!」
「フッフッフ、何でもと言ったのはお前だろう?だから俺がお前を許してやれる条件を決めただけだ」
「ッ!!!いやっ嫌だ!!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!それ以外なら何でも良い!!!何でもする!!!だからお願い!!!どうかそれだけはッ!!!!!」
「摘出糸(エクストライト)!!」
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ここはこわいことなにもない
しずかでまっしろなへや
いつからいるかもわからない
なんにもおぼえてない
おれにはなんにもない
でもドフィがいる
いつもおれになにかくれる
おれのことあいしてくれる
「フッフッフ、あァ良く似合ってる」
きれいなあおいふく
キラキラのほうせきたくさん
まっしろなフワフワのコート
ドフィがくれた
にあってるっていってくれた
うれしい
ドフィがいつもまもってくれる
だからこわいことなにもない
たくさんあいしてくれる
しあわせ
……………………
しあわせ?
ならなんで
このふくをきると
このほうせきをみると
このコートをきると
かなしくて
なみだがとまらなくなるの?