4つ目の“災害”
ここだけゾロがルナーリア族Part2の145※閲覧注意
※R18G指定(保険)
※【ここだけゾロがルナーリア族】のスレより
※ゾローリアの更にIFネタ
※幼少ゾロが研究者に捕まり約2年間研究施設に、その後にキングが保護する√
※幼少ゾロはくいなと約束する前
※IFネタの派生⇒堕ちる月√
※キャラエミュが微妙
※文才なしの駄文
※捏造設定あり
※それでも良い方のみ、お読み下さい
「…ぅ゙ぅ…」
「…た、すけ…ッ」
「い゙、だ…ぃ゙…」
「ごべん゙、な゙…ざい゙」
「…ぅ……ぁ…」
海兵の白い軍服が赤黒く染まり、大量の血液で濡れ泥濘む地面に倒れ伏していた。
ある者は四肢が断たれ。
ある者は腹を裂かれて内臓が飛び出ていて。
ある者は滅多刺しに…。
ある者は袈裟懸けに斬られ肺に入った血により溺れ。
ある者は腰から上下に2つに斬り別けられている。
「…やっぱり脆いな、人間共は」
そんな惨状を…編笠を深く被った黒い乱髪の隙間から覗く銀の瞳が、路端の石でも見るような無感情のまま見下ろしていた。
その若者は黒染めの山伏装束を着込み、鬼の目の下頬を着けており…背には黒い翼がある、烏天狗の様な装いで。
その烏天狗の様な若者こそが惨状を生み出した張本人…そして、我等が百獣海賊団の新しい大看板の1人、“戦災”のワイルド様だった。
ワイルド様は片手に血塗れの刀を握り、もう片方の手には死なない程度に甚振られた海兵の髪が鷲掴まれていた。
「…ぁ…あの、ワイルド様」
普段は敵対者は鏖殺しかしないのに…1人だけ生かしている様子に疑問が浮かび、恐る恐る声をかけさせていただく。
「何だ」
ギロリ…そんな睨むような目線だけが自分に向けられて、凍える様な声音に身が竦む様な思いをする。
「その海兵は、生かすのですか?」
それでも敵対者と同じ様な路端の石に向ける視線でも、感情の読めない淡々とした声音でないだけ…まだ、マシだ。
そう考えて、先程の疑問を問いかける。
「……あぁ、カイドウさんの命令だからな。1人だけは生命を刈らずに帰す」
ゆるりと目を細められるワイルド様の様子に冷や汗が流れる…しかし、ワイルド様は問いかけた自分に対して機嫌を損ねた訳では無かったようで、疑問に答えて下さった。
答えも分かり、自身がワイルド様の逆鱗に触れる事も無く、ほっ…と安堵した。
「こん、な事を…して、海軍がゆ、るすと…でもッ」
不意にワイルド様へと声がかけられ…声の主を見れば、ワイルド様に生かされていた海兵で。
まだ話せるのかと、驚いた…あれだけ甚振られていたのに。
「黙れよ、狗が」
海兵に声をかけられたのが気に障ったのか、ワイルド様は鷲掴んでいた髪ごと海兵を持ち上げた。
「ぅぐっ!」
ブチブチと髪が千切れる音が海兵のうめき声と共に僅かに聞こえるが…当たり前の様にワイルド様は無視されて、ご自身と同じ視線の位置まで海兵を持ち上げていて。
「海兵に…世界政府の狗に許される必要など無い。…そうだな、あまり囀られても耳障り…喉を潰すか」
淡々とした声音で、路端の石を見る目で…海兵へと話し掛けている様に見えるが、独り言の様な言葉を紡ぐ。
そのまま、刀の柄を勢い良く海兵の喉へと振るい。
グリュッ
鈍い音を立てて、海兵の喉が潰されたのが分かった。
「…ッ…ッ゙!?…」
ハクハクと口を動かしているが…喉を潰されては悲鳴もうめき声も聞こえず。
「これで、耳障りな囀りは聞こえねぇな。…おい」
1つ頷いたワイルド様は、自分の隣にいた男に声を掛ける。
「はっ!!」
「この狗を海軍基地に捨てて来い」
遠回しだが〝死ね〟とワイルド様は命じられた。
背中に冷たい汗が流れる。
そういえば…命じられた男は、先日の任務で致命的な失態を犯していた。
成程、赦されたのでは無く…罰を先延ばしにされていただけか。
どの道、この命令を受けて死ぬか…命令に反してワイルド様に殺されるか。
命じられた男の未来は〝死〟のみ。
「ッ…御意!!」
それが理解出来たのか、男はその命令を受け入れるしかなく。
その返答を聞くとワイルド様は、海兵を男へと投げ渡された。
そして、我等へと向き直る。
「他の者は、おれと共に帰還する」
「「「「御意!!」」」」
既に男と海兵への興味を無くされたワイルド様へと、頭を垂れるしか我等に選択肢は存在しなかった。
男は、鬼ヶ島へと帰還する事は無かった。
後日、全ての海に手配書が届けられた。
我等が百獣海賊団の4つ目の“災害”。
“戦災”のワイルド様の、手配書が…。
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WANTED
百獣海賊団
大看板
“戦災”WILD
Β1,111,000,000−
DEAD OR ALIVE
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