36日目②
鳥飼天竜人私の口から思わず悲鳴が漏れ出た。
いくらD.Dと言えど、海楼石を付けられた状態だ。弱体化した身体に、不意打ちの弾丸はいとも簡単にめり込んだ。
駄目だ、死んでしまう。
その時、私の背中を鋭い剣が斬りつけた。
D.Dを気にする余り、背後を見ていなかったのだ。
しまった、油断した。
すぐさま反撃を試みる。しかし、焦っていた私は痛恨のミスを犯していた。
手元にある武器はスタンガンのみ、ほぼ丸腰だ。
殺られる。
そう思った時にはもう遅く、私の世界は暗転した。
目覚めた私を迎えたのは、鉄格子と数名の天竜人だった。
やはり頭がおかしい、我々を殺す気か、何故アレを聖地へと連れてきたのか、トリスキー一族の気狂いめ、ずっとここに閉じ込めておけ。
私は固い床に転がされたまま、それらの罵倒を黙って聞いていた。
騎士団の男は私を見下ろしながら、何か言う事はあるかと尋ねた。
何も弁明する気は無い、今回の事故は全て私の管理が悪かったのだ。
少し迷った末、D.Dはどうしているのかとだけ聞いた。
男はそれには答えずに、この場を去った。