>>33下二つはミックスすることにしました
ウソップとチョッパーが配信見てるところにたまたまルフィが通り掛かって配信越しに再会を喜ぶ→一人ぼっちを知って迎えに行く→海軍や政府が黙ってるはずもなく____。 偶然立ち寄った島で例の新型電…脚本
ルフィが配信を始める(ウタの電伝虫とはちがい受信相手と連絡はできず、動画を送ることしか出来ない一方的な通信)
ウソップとチョッパーが動画をより面白くするにはどうすればいいか他の動画を見て研究→ウタを知る
その場面をルフィが見る
ひとりぼっちを知ってエレジアへ
民衆の不安の受け皿となっていたウタが消えたことでより海軍不信に
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「なんだこれ?」
麦わらの一味は海上で海戦に負けたであろう船の残骸を見つけた
「これは__政府の廃船のようね…」
「船の木片以外にも何かが入ってそうな箱が浮いているわ…」
「政府の船!?きっとお宝があるはず!!ジンベエお願い!!」
「うむ!わしに任せとけ!!」
海中に入ったジンベエは漂流物が漂う海流を一本の縄のように纏めてサニー号の甲板へと背負い投げした
「うお〜っ!!宝探しだ!!」
「お宝お宝︎ ✧」
「…ありゃ?」
木箱の中にはさらにもう一つの箱が__
厳重に保管されていた箱の中身は一匹の電伝虫だった
「なにこれ?私の目には高級品に見えないけど」
「一緒にメモのようなものが入ってるわね____なるほど これは広範囲の電伝虫に録画した映像を送れる"配信型電伝虫"のようね」
「配信?なんか面白そうだな!!じゃ〜これはおれが貰う!!」
「あっずるいぞルフィ!おれも配信ってやつがして〜!!」
「頼むルフィ!おれとウソップも混ぜてくれ〜!!」
「お宝じゃないなら私は要らないや あとはあんた達で好きにやりなさい」
かくして麦わらの一味…いや、ルフィ ウソップ チョッパーの三人は配信を始めるのだった
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ルフィ ウソップ チョッパーの動画は大人気!!
三人によるおバカな日常やサンジによる料理動画、ブルックの音楽は多くの市民や他海賊に視聴されていた
配信者である彼らは自分たちで海賊だといっているのに市民たちはそれを信じられなかった
何故なら彼らの姿は自分たちの知っている海賊とはあまりにもかけはなれていたからだ
____ある日 ウソップとチョッパーはどうすればより人気動画配信者になれるかを他の配信者の動画を見ることで研究していた
「う〜ん…このプリンセス・ウタを超えるのは大変だな…視聴者の桁が違う」
「あっちの電伝虫は相互受信で視聴者と通話もできるし、おれたちと違って海賊じゃないから拒否反応なく色々な人が見れるからだろうな」
「……でも少し可哀想だよな…最近は ただの歌配信の時も解決できないお悩み相談を聞かされることが多いし」
「…目にも少しクマができてる…しっかり寝れてないんだろうな」
「ウソップ チョッパー!何見てんだ?」
「あぁルフィ 他の配信者の動画を見て視聴者を増やすための研究をしてたんだ」
「へェ〜 誰を見てたん____」
「どうしたんだよ 固まってるぞ?」
「……ウタ…」
「なんだルフィも知ってたのか!プリンセス・ウタのことを」
「ウソップ!!ウタと話せるか!?」
「お…おい落ち着け! 肩揺らすな!」
「でもよルフィ…ウタは"海賊嫌い"だから海賊のおれ達とは話したくないと思うぞ」
「"海賊嫌い"?なんでそんなことを言ってんだ? あいつシャンクスの娘なのに」
「「 ……え〜〜!!!! 」」
「とにかく通信するぞ!連絡先を教えてくれ!!」
「わ…分かったよこれだ!」
「____あと少しで配信を始めないといけないのに……喉の調子が悪いままだ……」
「私の歌を待ってくれてる人たちがいるのに……みんなの期待を裏切ることになるのはいやだ!……なんとかしていつもの歌声を出さないと…」
プルプルプル……
「____ん?電伝虫の発信?誰だろ」
"すーっ"と息を整え通話先に明るく振る舞う準備を終えた彼女は電伝虫のマイクを手に取った
すると通信先の映像が壁に映し出された
「ウタだよ〜!どうしたのかな?」
「ウタ!!やっぱりウタなんだな!!!!」
…ん?誰だろう……それにこの顔に見覚えがあるし声にも聞き覚えが………!?もしかして
「ルフィ……なの?」
「そうだぞ!……それより お前海賊やめて歌姫やってるんだな」
どこか悲しそうに彼は元気を振り絞った声をと顔をしている彼女に告げる
「……うん…こっちの方がさ!!歌って踊れて楽しいから!!だから海賊は……」
「楽しい?目にくまができてやつれてるのにか?」
「それは!!……寝る間も惜しいからさ!」
「そうか それでお前は満足なのか?」
「満足だよ!!みんなに私の歌声を聴いてもらえる……それ以上に幸せなことなんて____」
「ならもっと楽しく歌えるはずだろ!!お前の歌声ならもっと笑顔で響き渡るだろ!!なのに今のお前の歌声からはちっとも楽しさが感じねェんだよ!!こんなもんじゃねェんだよ!!おれが好きだったお前の歌声は!!!!」
「____うるさい…大体いきなり連絡入れてきて何なの!?あんたは私にどうして欲しいの!!」
「おれはただ!!お前に楽しく歌って欲しいだけだ!!!!」
「____グスッ……」
____彼女はずっと救世主ともてはやされて叶えることの出来ない願いを聞かされ続けていた
だけどこの願いだけは違う
この願いだけは叶えることが____
「____ルフィ……あんた今何やってるの?」
「海賊」
「___そっか……なら…迎えに来て」
「どうしても謝りたい人がいるの その人に謝れた時 私はもう一度楽しく歌えるようになれるはずだから……!!」
「____待ってろ 必ず迎えに行く」
救世主ともてはやされる彼女は少女のように涙を流して少年に願いを伝えた
____そして数日後
ルフィとウタは再開した
電伝虫越しではなく直接顔を合わせて…
「____ルフィ 久しぶり…」
「ウタ 約束を果たしに来たぞ で お前が謝りたいやつって誰だ?」
「____シャンクス」
「…そうか 心配すんな!必ず会わせてやるからな!!」
なぜ彼と連絡をとっていないのか
なぜ彼に謝りたいのか
ルフィは深くは聞かない
それはシャンクスとウタの問題だと割り切っているから
第二の育ての親であるゴードンに泣きじゃくりながらも別れを告げたウタは海賊船の船長のルフィに手を引かれて彼の船のサニー号に搭乗した
____ルフィとの通話を終えた後から 歌姫は活動を停止していた
特に理由を説明せず 一方的にファンである彼らに"休止"を告げたのだ
それが後に世界に流れるニュースと合わさることで世界がほんの少し混乱することになるのだが……
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サニー号に搭乗したウタは楽しそうに一味のクルーと毎日仲良く接していた
睡眠もしっかり取れているからか ふらつくことも無く目のクマも無くなっていた
そんな彼女は今日は船の甲板上でルフィと二人だけで話をしていた
「____聞かないの?私とシャンクスに起きたこと」
「お前が言いたくないなら聞かない そうシャンクスたちと決めたからな」
「____そっか……なら…私も言わないな」
昔は楽しそうに話せていた間柄だったが再開してからはどこか隠し事をしているからか以前のように笑いあって話せずには言えなかった
____言えないよ……私が何をしたか知ったら……ルフィは私の事を……嫌いになるかもしれない
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市民side
「おぉ 今日もありがとう」
別の島で音楽の青空教室を開いているゴードンはニュースクーから世界新聞を受け取った
「____なんだこれは!!」
新聞の一面にはこう書かれていた
"歌姫"麦わらの一味に攫われた!!……と
そのねじ曲がった報道によって市民の考え方は多種多様に変わった
麦わらの一味の配信を見ていたものは所詮海賊は海賊と知り
歌姫の配信を見ていたものは歌姫ですら攫われるという恐怖を感じ取る者
歌姫の歌を二度と聞けなくなるかもしれないという悲壮感を感じてしまった者
……海軍をより頼りないと思う者まで…
___そして今まで彼らは海賊被害を歌姫に報告することで鬱憤を晴らしていた
今、そのはけ口がないこの状況で市民はその感情をどこにぶつけるのだろうか
____決まってる それは……
____とある島____
「あんたたちはいつも遅いんだよ!!海賊からは守ってくれないし!歌姫だって守れていないじゃないか!!!!」
「役立たず!!!!」「あんたらがもっと早く来てれば息子は___!!!!」
「落ち着いて!!落ち着いてください!!!!」
市民の怒りは既に海兵に向けられていた
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海軍side
事をよく理解した上層部はこの革命を収めるために歌姫の奪還が必須と考え、勢力を集め"麦わらの一味"から歌姫ウタを生かして連れ戻す作戦を開始した
____それはひとりの少女を助けるためではない
救い終えたあと再び彼女に配信をしてもらうことで市民を鎮圧するためだ
海軍はウタをひとりの人間ではなく、世界の維持のための人柱かのように扱っていた
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麦わらの一味side
ウタの記憶を頼りに彼らは海軍を上手く巻いて、いくつもの赤髪海賊団の縄張りの島に上陸した
しかし当のシャンクスどころか参加の海賊にも会えずに空回りで終わってしまっていた
「____うぅ…」
「大丈夫だ 次の島で会えるさ」
「だといいんだけど……」
「____島が見えてきたね……!!?」
目に映るは懐かしい船……いや"お家"
「シャンクスの船だ!!ルフィ!!あれシャンクスの船だよね!!!!」
「ああ!!間違いない 懐かしいな〜……ジンベエ あの島に上陸するぞ!!」
到着点を決めたルフィは島に上陸することを決めた
決めようとしたのだが……
「おいおいなんだあの海軍の数は!!バスターコールか!!?」
デザートを運びに甲板に出たサンジの目には何隻もの海軍の軍艦がこちらに向かっているのが見えていた
これでは上陸するのは困難だろう
「____決めた」
「一度だけ船を岸に近づける ウタはその瞬間に上陸するんだ」
「……ルフィは会いに行かないの?」
「……おれはまだ会えない 約束があるからな___もう時期着くから準備しろ」
「……分かった…みんな今日まで私のワガママに付き合ってくれてありがとう!!みんなのことは絶対に忘れないから!!」
手荷物を抱えたウタは麦わらの一味に感謝を告げて、船が岸に近づいた所で船から飛び降りた
大砲の砲撃音が鳴る中、少女はひたすら父を目掛けて走り続けた
そして……そして……
____一方麦わらの一味は海の上で降ってくる大砲の砲弾を迎撃していた
しかしルフィだけはただひとり島を見つめていた
彼の目にはしっかりと映った
泣きじゃくる幼なじみとそれを優しく抱き寄せる憧れの友達の姿を
「____お前の歌 楽しみにしてるぞ」
「よし野郎ども!!こっからは全力で逃げるぞ!!!!」
シャンクスの存在を知られないようサニー号に注目を集めるために、迎撃しながら彼らは島から離れたのだった
「____ルフィ ありがとう」
「私の歌 楽しみにしててね!!」
先程まで乗っていた思い出の船 その影に彼女はいつまでも手を振り続けた
曇りなき光り輝く笑顔を添えて……
〜それからしばらくして〜
「おいルフィ!!プリンセス・ウタがまた配信を始めたぞ!!」
「ほんとか!?見せてくれ!!!!」
「____良かったな ウタ」
彼女の配信の背景は以前と変わっていた
また映像は時折揺らぐようにもなった
つまり"そういうこと"なのだろう
彼女は自分の家で楽しく歌うことができるようになったようだ
「"風のゆくえ"か この新曲今までで一番唄声がいいかもしれねェな!!」
「な?言っただろウソップ あいつが楽しく歌った時の歌はもっとすごいって!!!!」
ルフィはウタをシャンクスに会わせる約束を…
ウタはルフィの大好きだった歌声をもう一度…いや 何度でも彼に届ける約束を果たせたのだった
END