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ボン!!

ボン!!

「なんだ今の音!!敵襲か!?」

「いや、それは違うみたいだクソマリモ

見聞色で探ってるが俺ら以外の気配はない。」

「まァ警戒はしとくぜ?クソコック」


「!?!?!?」

私は朝は皆より早く起きるタイプだ。

今日もいつものように起きたのだが、体の様子がおかしいことに気付いた

具体的に何が変わったかというと、

私の胸が無くなった。小さくなったとかではなく、完全に消失した。

そして、アレがついている。ナニとはいわないが、アレだ。

どうしようと思い、取り敢えず甲板にでる。

どうしようといっても、どうしようもない、そんな事をかんがえているとルフィが起きてきた。ルフィが起きてきた…ハズだったのだがそのルフィもおかしかった。

胸があった。多分昨日までの私よりも大きい。

なんなら一味女性陣でトップかもしれない。

そしてまつ毛に大きな黒目。

私は泣きそうだった。

私より可愛いじゃん!!

絶対今”可愛さ勝負”やったら負けるじゃん!!!!

そして突然床にへたりこんで泣いてしまった私を見て、ルフィが声をかける。

「どうした?ウタ、急に泣いちまって」

声たっっっっっか!!!!

なにその萌えボイス!!!!

「ルフィ…気付いてないの…?」

「気付いてないって、何がだ?」

コイツ気付いてない

何その無自覚マウント!

私は胸の大きさも顔の可愛さも負けてるってのに!!!

「ほら…」ツン

私はルフィのバストトップをつついた。

「!?!?!?」ビクビクゥッ!!!

「何すんだよウ…タ…てエェ!?!?」

ルフィはやっと自分の異変に気付いた様だ。

「あっそういえば… ハッ!?ナイ!?!?」

あぁ、アレがなかったんだろう

「つーことは、おれ女になっちまったってことか」

「ルフィ…これ…」

私は消失した胸をルフィに見せる

「あっ…じゃあウタは…」

「男になっちゃったみたいなの…!」

「誰かの能力か?」

「わかんないの…私も朝起きて気付いたらこうなってて…」

「うーん…プラスに捉えたらどうだ?ウタ」

は?プラスなんてあるわけないじゃない

「例えばさァ…あのー、あ!がなるような曲上手く歌えないっていってただろ?」

なんだかんだでいつもこのポジティブ思考には助けられる。

「そうだね!ポジティブに考えよう!!」



「あー、お前ら起きたなら言えっていって…!?」

ゾロが明らかに驚愕の顔をする。

まぁ当たり前だろう

「あぁ、ウタが男になっちまったみたいでよ、おれも女になっちまったんだ。」

「あー、昨日の音はそれか…

昨日爆発音がしてな、敵襲かと思ったんだが、良かった良かった。」

うー、私はあんまりいい事ないのに!

でも、いい事を考えた。

これまで私はコイツの無自覚行為でずっとドキドキさせられてきた。

あぁ、恋なんてレベルじゃ無いくらい

だから、私もルフィをドキドキさせてやる!!!!


「はい、私とルフィの性別が入れ替わってしまいましたー」

「「「「「「えェー!?!?」」」」」」

「いつまでこうなってるか分からないから、まぁ、あー、ヨロシク!!!!!!!!!」

よし、皆に説明も終わったしまず一つ目

顎クイだ

前、上見てみろよって言われた時に見事にきれいな顎クイをされたことがある。その時のリベンジだ!!!

「ルフィ、ちょっとこっち来て?」

ルフィを人目のない所に誘い出し、一気に仕掛ける。

アゴクイッ「好きだよ…ルフィ…」

耳元で囁くようにいうのがコツだ。だが、

「?、おれも好きだぞ?」

と一瞬で返されてしまった。

なんで!くそー!次こそは!!!


「なんだよ急にウタ…」ドキドキドキドキ

ウタがおれに囁いてから心臓の音が止まらない。深呼吸して気持ちを和らげようとするが、全くもって効果がない。

「……///」ドキドキドキドキドキ

さっきの事を思い出す度になんだか胸が苦しくなる、。

(好きだよ…ルフィ…)

「えへ…えへへへへ////」ドキドキドキドキ

ていうかなんだよあのイケボ!!

おれは声が高いのコンプレックスだったんだぞ!!!

でも、思い出す度にニヤケが止まらない。

引き攣る口を必死に戻す。


「ルフィ…」ギュッ

「なんだよウタ」

「んー!」プンスコ

「作戦失敗ー!!退避ー!!」

成功してる。さっきから信じられないくらい心臓がなってる

やべぇ、おれ死ぬんじゃないかな。


「ルフィ!あーん!」

「おう!」パクッ




ガチャ

扉を開け、おれはその場で立ち尽くす。

(好きだよ…ルフィ…)

(ルフィ…ギュッ)

(ルフィ!あーん!)

今日うけてきた猛攻の数々。

全部受け流したように見えて全部おれにクリーンヒットしていた。

「えへ…えへへへ…えへへへ////」

「大丈夫?ルフィ?」ギュッ

なんでここにウタが!?ニヤケを隠さないと!!

「あっ///いやこれはその///」

苦し紛れにでた言葉はとても頼りないものだった。

「?」

そんな小首をかしげたりなんかしたら…

「あっ゛」プシュー

バタン!!

「わっルフィ!!大丈夫!?」

そうやっておれの意識は、おれが今までどんなに罪深いことをやってきたかを考える暇も与えずにフェードアウトしていった。

「えへ///えへへへ////えへへへへへ///」


ルフィ、敗北

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