3日目のぐだ子

3日目のぐだ子



 レイシフト先ではぐれてしまった藤丸立香。もはや恒例となりつつあったが、今回は幸運の女神は彼女に微笑まなかった。

 魔猪の群れに遭遇したのである。

 逃げようとはしたもののただの人間である彼女は瞬く間に魔猪に取り囲まれ、体当たりで何度も木や地面に叩きつけられて、ついにぐったりとうつ伏せに倒れた。

「ぅ……ぁ、ぐ…」

 魔猪は獣臭さとケガレの混じった息を荒くしながら少女の体に群がる。彼女の身を守るべき礼装は、何度も魔猪の攻撃を受けたことで破け、その機能を破損している。魔猪たちは牙と爪で更にその“皮”を剥いで、彼女の柔肌を露出させていった。

(食べ、られ、る……)

 まともに動かない体が、恐怖でさらにすくむ。カチカチと歯が鳴る音がして、自分が震えていることに気づく。

 しかし、彼女の予想は裏切られる。

 魔猪たちはスッと波が引くように立香に群がるのを止めた。そして群れの中から一頭の魔猪が悠然と歩み出す。その下腹からは、異形の性器が生えていた。

 ――一般的に、ブタ・イノシシの類の性器は細長く、先端がドリル状になっている。これは彼らが子宮内射精をする動物であるためだ。サイズは品種によるものの、射精量は平均300ml前後に及ぶ。

 魔猪の性器の形状は概ねブタのそれと同じであったが、神秘の強さ故か、それは裔たる家畜よりもよっぽど巨大であった。先端はより子宮を抉り抜くように発達し、そして幹には疣状の突起物が生えている。凶器としか言えない威容であった。

 魔猪は晒された少女の恥部を検分するように鼻先を寄せる。びくん、と大きく揺れた体が硬直し、小刻みに震え始める。獣の吐息が秘部にかかって、たまらなく恐ろしかった。

 やがて魔猪は一つの穴に狙いを定めた。異形の性器が、肛門に擦り付けられる。

 ここでようやく魔猪の狙いを悟った少女は蒼白になり、もがいて逃げ出そうとした。

「ひっ!?やだ、やだやめ、やめて、やめてえぇ!いや、やだ、やだ、ぁ゛ッ……ひ、ギッ、や゛ぁあ゛ああああっ!?」

 けれど、それも裏目に出てしまった。抵抗したことで腰が浮き、前日に散々浣腸でいたぶられ緩んでいた菊孔に魔猪の性器が突き刺さった。

 ぐぬぐぬと魔猪が侵入し、腸が魔猪の性器の形に拓かれていく。閉じた肉が鋭い肉の槍に抉じ開けられ、腸壁が肉の瘤に削られる。

「あ、ぁ゛、あ゛、やめ゛、ゃ゛め゛ぇ゛ッ」

 胸骨を圧迫されて潰れた声で少女が泣き叫ぶ。けれど、捕食者側の魔猪は一向に意に介さない。

 ぐぶん。とS状結腸から先へと先端が侵入する。狭窄した部位をドリル状の肉槍は易々と貫き、少女は激痛に泣き叫んだがその悲鳴は魔猪から背を強く踏まれて潰された。

 そしてようやく、本格的に魔猪の性行が始まる。

「ぁ゛がッ ぎィっ ひ、ぐぅううっ!!」

 体重を載せたピストンのたび、ドリルが結腸から大腸までを抉り抜く。何度も何度も貫かれる激感に大粒の涙がぼたぼた落ちる。

 直腸はゴリゴリと固い疣に擦り上げられ、ピストンの勢いのあまりに時折捲れ上がっては赤い粘膜を晒した。

 まだかろうじて手袋に覆われた手が地を掻く。

 自分より遥かに重い獣のピストンは腹を突き破りかねない勢いで、苦痛と、そして確実にそれだけではない何かをもたらした。

 一突きごとに貫かれ、充血して火照った粘膜が、やがて快楽を受け取り始める。魔猪にとっては気に止めることもないことであり、立香にとっては絶望の底が抜けて更に奈落へ落ちるようなことだった。

「ぁ、あ、あ…やだ、やだあ…」

 啜り泣く少女。

 魔猪は獲物が大人しくなったのを好機に、ますます激しく腰を打ち付けた。かき回される腸はきゅうきゅうとうねり、肉槍に絡み付いてはまた貫かれ、そのたび立香は震えて泣いた。

 やがて、魔猪が一際奥まで陰茎を突き入れて咆哮する。

 一拍置いて灼熱としか言い様のない液体が腹の奥に迸った。

「ひっ、いや゛ああっ!?あづいっ!あづいいいいっ!!あ゛あ~~~~ッ!!」

 精液には魔力が含まれる。古い種である魔猪の精には、当然たっぷりとその魔力が込められている。それは瞬く間に蹂躙に火照った粘膜を犯し、侵食していく。より受け入れやすいように。

「ぁ゛…ふ、ぁぐ、むり、もぉ、はいら、な……」

 蛇口のように流し込まれる精。みるみるうちに立香の腹は膨れていく――1L近い量を注ぎ込んで、ようやく魔猪は離れた。

 肛門から勢いよく精が零れる。開ききった穴からぼたぼたと黄ばんだ獣の精液が流れ出していた。

 そこに、次の魔猪がのし掛かる。

「ぇ、ぁ――」

 人類最後のマスターの顔が、絶望に染まる。

 彼女を取り囲む魔猪の群れは皆一様に獣臭い息を荒くして、いまかいまかと獲物の少女を見ていた。

 ずぶっ!

「うぁ゛ああっ!」

 魔猪の陰茎が再度突き刺さる。結腸をドリルが貫き、直腸が削られ、肛門が捲れ上がる。

 違うのは魔猪の精で重たく膨れた腹と、作り替えられている穴だった。

「ぁっ♡ひあっ♡なんで、ぁっ♡なんでえ…♡」

 一突きごとに甘ったるい声が押し出される。奥まで突き刺されて、奥の狭いところをぐちゃぐちゃとほじくられるのがたまらない、陰茎に絡み付く肉ひだがピストンでねじ伏せられるのが気持ちいい。それを嫌がって、少女は弱々しく首を振った。

 彼女のもう一つの穴からはぼたぼたと滴るほど愛液が零れ、陰核はピンと立ち上がって震えていたが、誰も知る由もない。

 魔猪が腰を突き込むたびに彼女のアナルはうねり、肉槍に媚びて肛虐を悦んだ。昨日まで排泄のための穴でしかなかったそこは、すっかり魔猪のチンポを咥え込むメス穴に作り替えられてしまった。

「あ゛あああっ♡イクッ♡やだ、イクッ♡イッちゃぁ゛あ゛~~~~ッ♡♡♡♡」

 ぶしゃあ、と触られもしないマンコが潮を吹いた。獣に絶頂させられた少女の目が濁り、涙が零れる。

 だが言葉も通じなければ立香を慮ることもない捕食者は、絶頂の最中のメスをますます責め立てる。絡む粘膜を引き倒すようにして突き入れ、肉穴を一心不乱に耕した。

「ひぃいいい♡やだ、まだッ♡まぁ、イ゛っ♡て、ぇ♡♡あ゛ああああっ♡むり゛ッ♡や゛あああああッ♡♡♡♡」

 再度の射精。再び大量に流し込まれる精に、立香は泣き叫びながら絶頂した。

 そして、魔猪は次々に彼女に群がった。


「やあッ♡やだ♡ほじらにゃ♡でえっ♡」

「きぢゅい゛いいいッ♡も、やだぁ♡たしゅ♡たじゅげでぇ♡」

「ひぃ♡むり、むりぃ♡も、入らな、あああああああッ♡♡」

「ぁ、あ、あ♡あ゛ーッ♡あ゛ーー……ッ♡♡」

「オ゛ーー……ッ♡♡んお゛ぉ……♡♡♡♡」


 群れの最後の魔猪が本懐を遂げた時、彼らが散々精を吐き出した器は半死半生の状態だった。光の無い目で獣じみた声を上げながら、ゆうに20頭を超す魔猪の精ではちきれそうに膨れた腹を抱え、耐えられず逆流した精液をごぼごぼと吐いていた。かろうじて生きているのは、魔猪の精に濃厚に含まれる魔力のせいだろう。

 最後の魔猪はぶるりと身を震わせると、S状結腸の狭窄部に大量の粘液を吐き出した。ブタが射精後に精液を閉じ込めるために出す粘液の類いだった。それは散々いたぶられて開ききった結腸部を覆い、一滴も精を外に出せなくしてしまう。ブタの粘液の場合は持続力3日ほどだと言うが、魔猪のそれはいかほどもつのか。

 いずれにせよ、魔猪の群れは哀れな獲物に興味を無くし、森に打ち捨てて去っていった。

 後にはいびつに膨れた腹の少女が一人。呪いじみた魔力をぱんぱんに詰め込まれている。限界を超えて流し込まれた精はけれど排泄できず、後々地獄のように苦しむだろう。後に待つ苦しみも知らず、彼女はただごぼごぼと精を吐き出していた。

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