2年後

2年後

キャラ崩壊・解釈違い注意!

ここは新世界を目前に佇むシャボンディ諸島。観光地としての人気が高いこの島だが、海軍本部が拠点を移した影響か、最近は少々治安が悪くなってきている。

 その証拠に、島には多くの海賊いる。海賊たちが新しい仲間を募集するためのポスターまで出回っている始末だ。



「『麦わらの一味募集』……何これ。」


 ある少女?がとある海賊のポスターを見て疑問を呈する。そこには「麦わらの一味」という名が連ねられていた。


「私たち以外があの腕のサインを理解できるわけないし…ただの偽物?それにしてはタイミングが良すぎる気もするけど。」

 

 彼女の名前はマリアンヌ。2年前にここシャボンディ諸島で壊滅したとされる「麦わらの一味」のメンバーの1人だった。 


 しかし壊滅とはあくまで表面上、実際は偉大なる航路後半…すなわち「新世界」を渡り切れるだけの力を付けるために、2年間それぞれが別の地で過ごしたのだ。

 そして今日はその修行の日々を終え、いよいよ一味が再集合する日。…なのだが、2年の間にだいぶ変わった島の環境のせいか、なかなかスムーズにいかないようだ。


「一応…行ってみようかな。」

 万が一ということもあると、マリアンヌはポスターに書かれた集合場所まで行ってみることにした。



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 …予想通りというべきか、ポスターを出した麦わらの一味は偽物だった。しかしそうだとわかるのは一味を知る人くらいだろう。2年前にかなり名を馳せていた麦わらの一味が復活、さらに仲間になれるということで多くの海賊たちが集まり、海軍まで出動してきたのだ。


「全くもう、人騒がせなんだから。」

 遠目から偽物たちを眺めていたマリアンヌだが、海軍に見つかったら面倒なことになるので、ささっとその場を離れる。


……移動の最中、激しい戦闘音の中に何やらよく知った声が3つほど混じって聞こえた気がするマリアンヌだったが、この後すぐに会えそうと直感で感じたので気にせず逃げることにした。






「ーーみんな、久しぶり。」

 あの後海軍に見つかることもなく、無事にサニー号にたどり着いたマリアンヌは、2年ぶりに再開した仲間たちと話に花を咲かせていた。


「マリアンヌじゃない!久しぶりね〜、元気にしてた?」

「おう!元気そうでよかったぜ!」

「久しぶりねマリアンヌ。」

「お前もい〜い女になったじゃねェか!!」

「ヨホホ!お久しぶりです。それにしてもマリアンヌさん垢が抜けたと言いますか、一皮剥けた感じがします。ということで、パンツ見せてもr「やめんかバカタレ!」


「…うん、みんな変わってなくて安心した。」

 懐かしいやりとりを繰り広げる仲間たちを見て、マリアンヌはホッと胸を撫で下ろした。お前までそんなこと言うのか!いいだろうよ〜く見ておけおれさまのこの進化した体を……と1人叫んでいるフランキーを横目にまだ来ていないメンバーを確認すると、いないのはルフィ、ゾロ、サンジ、チョッパーの4人のようだ。


「あの3人はともかく、チョッパーがまだなのは意外。」

「ああ、チョッパーならその3人を迎えに行ってるわよ。」

「そうなんだ、なら納得。」

「面倒なこと起こしてなければいいけど、まあ望み薄よね〜。」

「うん、たぶんもう手遅れ。」


 偽物たちの集まりから逃げる時に聞こえたあの声ーーーあの感じだと、もう恐らく何かしら騒ぎは起こっている。慌ただしい出航になりそう、とマリアンヌは静かに微笑む。


「そういえば大丈夫だったの?あんな別れ方したあと2年も会えないことになって……」

「…すごい辛かったよ。けど、この船のみんななら絶対に生きて会えるって信じてたから……それよりも無茶ばかりしてたことについて小一時間問い詰めたい。」

「あははは!そうね、あんたは1番怒っていいわ。なんなら3発くらい殴っても文句は言われないわよ?」


ーーーそうして話していると、突然大きな羽ばたく音と共に巨大な鳥が姿を現す。



そして、一味の全員が待ち望んでいた声が響いた。



「久しぶりだな!お前ら!」


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「うわぁぁぁフランキー……お前ぇぇぇ……!!」

「ちょっとルフィ!気持ちはわからないけど落ち着いて!」


船に降りた船長はまずフランキーの変化っぷりに度肝を抜かれたようで、目をギラギラさせている。


「相変わらずだね、船長さん。」

「ん、この声…マリアンヌか!久しぶりだなァ元気にしてたか?」

「うん……いや元気じゃなかった、ルフィのせいで。」

「俺の!?」

「そうだよ、無茶ばかりしてたでしょ?……すごい心配したんだから。」

「あー…それは悪かった!ごめん!」

「いいよ、1番辛かったのはルフィだろうし。…でもひとつだけ、いい?」

「おう!何でも言え!」

「じゃあはい、手出して。」

「ん?こうか?」


 右手を出しながらそう言ったマリアンヌに、ルフィも同じように右手を出して向かい合わせる。

 するとマリアンヌは、自分より少し大きなルフィの手を優しく、力強く握った。


「手、ちょっと大きくなったね。」ニギニギ

「そうかー?自分じゃわかんねェな。」

「…うん、なんか安心する。」


 手を握りながらマリアンヌはあの日ーーー2年前、シャボンディ諸島で起きたことを思い出していた。

 大将との戦闘中に突如現れた七武海“バーソロミュー・くま”により、一味はバラバラになった。マリアンヌは飛ばされる瞬間、ルフィに助けを求め手を伸ばしたが、無情にも、2人の手が触れ合うことはなかった。


「これからは私もルフィを…みんなを守れるように頑張るから、よろしくね。」

「……ああ!よろしくな!」


 2年の空白を経て、マリアンヌは誓う。もう一味がバラバラにならないように、あんな思いをせずに済むように。



「それにしても…」

「どうしたの?」

「マリアンヌはあんまり変わってねェな!」

「……」


 確かに他の仲間と比べれば見た目の変化は著しくない。が、船長の発言に若干の怒りを覚えたマリアンヌは反撃に出ることにした。


「…ちょっとだけだけど大きくなったんだよ?」グググ…

「ししし!今のお前にどんだけ強く握られても痛くねえぞ!」

「へー……」


 試しに握った手に力を入れてみたが、思った通り全然効かなかった。そこでマリアンヌは、握った手を離してルフィの手首を掴み…


「どう、大きくなったでしょ?」ムギュ


 …自分の胸にルフィの手を押し当てた。


「な、何やってんだ///!?」

「だって成長してないって言われたから。」

「言ってねェ!」

「言ったでしょ変わってないって。」

「こういう意味じゃねェよ!ってか離せ///!」

「やだ。」グググ…

「くっそー!なんで動かねェんだよめっちゃ鍛えたのに!!」






「相変わらずだなルフィのやつ。」

「懐かしいぜこの風景!!」

「この2年でマリアンヌはさらに手強くなったようね。」

「ヨホホ〜お2人とも変わってないですね。」

「まあ、久しぶりに会った女性に変わってないは禁句よね。」

「ルフィのああいうとこはレイリーにも直せなかったか。」

「あんにゃろうクッソ羨ましい…!!おれもあんな風にレディに力強く手を掴まれてそのまま胸に手を…置き…た……」ブシャ-----ッ

「うわあああサンジーーー!!お前あの2人を見てこんなになるって何があったんだ!?」

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