2スレ112触手姦経由の純愛ユママコ(破)6/6
まだ完成してません! 加筆修正するかもです。BL・純愛になる予定・純愛だけどリョナ凌辱前提・触手姦描写・破のエピローグですhttps://telegra.ph/2スレ112触手姦経由の純愛ユママコ破56-01-01
これの続きです。
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「は……っ、ぁ」
「……、ぁう」
完全に萎える前に抜いたペニスからスキンを取り外して、ユーマは気怠さに耐えていた。
(結局最後は手荒に扱ってしまった)
喘鳴めいた呼吸を繰り返すマコトは、意識はあるようだが茫然としているように見える。ペニスはとっくに萎えているが、腹部には薄く最後の吐精の名残りが残っていた。後で拭かなければ……いや、シャワーを浴びた方がいいだろう。
セックスの後だからといえばそれまでだが、髪を乱して、生気を欠いた瞳で涙の跡を残す少年は、対外的に見れば強姦に遭ったように見えた。
時折ピクピクと痙攣し、喘鳴の中に甘やかな声が混在する。
(まだ降りて来られないのかな)
終盤のマコトは恐らく本イキした。脱力は、マコトが最も感じている時の癖で、最もボルテージの高い絶頂の時に見られる。
ここ半年でも数度見られていたが、抱き締めると安堵する様が可愛いらしいので、ユーマもよく覚えていた。
「マコトさん、平気? 何処か痛いかな」
「……大丈夫だ」
受け答えはしっかりしている。起き上がろうとはしないのは、腰が抜けているからだろうか。
「お水、持って来ようか」
「いい。それより」
視線を一度逸らしたマコトは、逡巡の末にユーマを見据えて「側にいてくれ」と呟いた。曖昧に返事したユーマは、マコトの隣に寝転ぶ。
もう暫く休憩したらシーツや枕カバーを交換して、洗濯機に数度に分けてシーツ類や衣服を放り込む。シャワーを浴びたら何か口に入れる。そんな取り留めない計画を脳裏に描こうとして、ユーマは失敗した。
「触れても?」
「好きにすれば」
「ありがとう」
ユーマが抱き込むと、マコトは一度ビクついたものの、大人しく抱擁を受け入れていた。マコトの髪に手櫛を通しながら、ユーマは彼が落ち着くのを待った。
最中、明らかにマコトが強張って、傷付いていたように見受けられる瞬間があった。
(怯えや恐慌。強迫観念)
ユーマが持った所感は、この手の感情を何かをトリガーにマコトが感じていたのではないかというものだ。その確証も、手を振り払われてしまったから判然としなくなる。
目を閉じて手櫛を受け入れているマコトは、今随分落ち着いているように思われるが……。
「マコトさん、終わり際泣いてなかった?」
「キミは性行為中の落涙全てを哀傷に纏わるものとして換算するのか? 童貞臭い奴だな」
「そうは思わないけど……」
じとっと半目で呆れたように返すマコトは、いつも通りの彼に見えた。
(気の所為かな。ボクが必要以上にマコトさんを可哀想に思っているだけ?)
自分が失礼なくらい過敏に受け止めただけだろうか。ユーマは引っかかりを覚えつつ「本当に大丈夫?」と溢した。
「終盤は結構無茶させたでしょ。本当に痛みとかない?」
「くどいな。……気持ち良かったよ、ちゃんと」
ぷいっと顔を逸らしたマコトの耳はほんのり桃色をしていた。
「そ、そう? よかった……」
「……」
気持ち良かったこと”自体は“嘘ではないらしい。
(でもやっぱりちゃんと今後も注意しないと心配だな)
手櫛を上擦った声で「くすぐったい」とマコトに拒まれながら、ユーマは懇願された時を思い返していた。切迫詰まった震えた声は、悲鳴と大差がなかった。今はそうではなくても、あの時は何か怖いと感じた事があったのかもしれない。
その恐怖の回復の有無を問わず、現状のマコトは打ち明ける気がない。ユーマは本音を引き出すに値していないのだ。
もし懇願も含めて、ユーマの錯覚であるならいい。それが一番だ。
(そうじゃなかった時、ボクはあなたの信用に足る人間でありたい)
その為に、ユーマは隠そうとしていた秘密を打ち明ける事にした。いや、きっともうバレてはいるだろう。だからこそ、ユーマは誠実であろうとしたのだ。
「マコトさん、あのね」
呼びかけに応じるように目を合わせたマコトは、温い腕の中で少し微睡んでいた。すっかりここが安堵できる場所だと刷り込まれている。
「マコトさんの絶頂の条件は覚えてるよね」
「痛みがトリガーになる……だろ」
「今日、その法則下にないイキ方をしてたの気付いてる?」
「え」
凍り付いたように目を見開いたマコトから、ユーマはこの事実が気付かれていなかった事を知る。まだ誤魔化しが効いた事実を後悔する邪心をユーマは人知れず殺した。
この事実が関係性に変化を齎すと知っている。それでも、彼には話すべきだとユーマは判断した。ユーマの恋はユーマのものであり、マコトに強いるべきものではないからだ。判断は彼に委ねられなければいけない。
「前から少しずつ痛みを弱くしていたんだけど、今日遂に痛み無しでもマコトさんは絶頂できるようになったんだ」
言葉に詰まりそうになりながら、ユーマは「おめでとう」と祝した。
それがマコトを追い詰める一手となったと知らずに。
(そっか。ボク、キミと睦み合う理由すら無くなってしまったのか)
そんな絶望を押し殺して、マコトは「へえ」と関心を示した。
「そんな事してたんだ?」
「ボクにサディスティックな趣味はないからね。痛め付けない方法があるならそれに越した事はないだろ」
そもそもユーマはサディストを名乗れる程の暴力をマコトに振るった事がない。
(……随分、だいぶ、偏執的に……いや単に助平野郎だからか、触れ方はいやらしいしねちっこいとは思うが)
そんな愛撫を思い出して、燻る情欲が恨めしくなりそうだったマコトは「その企みは成功した訳だ」と返した。
「そしてボクはひとりでもやっていける余地が生まれたと」
「とりあえず、少なくともアナルセックスは出来るね。触手を使わないオナニーもきっと出来る」
ユーマは言及しなかったが、男女間のセックスを成功させることだって出来る可能性もある。最もマコトはとことん調教されているので、通常のセックスは難しいかもしれないが……可能性がゼロとは言い切れない。
何れにせよ、マコトに触手以外の選択肢が与えられたと言う事実は揺るがない。
ユーマとマコトの約束の優位性は、失われたのである。
「マコトさんはどうしたい?」
そうしてユーマはマコトに選択を委ねた。きっとマコトを慮ってそんな行動を取った。そうマコトは理解しつつも、精一杯考えている振りを続けた。
「……ボクだけでどうにか出来るか、試してみたい」
たっぷり時間を取って答えたマコトに、ユーマは一瞬落胆を滲ませたが、すぐ取り繕って「わかった」と笑った。
「おめでとう。違う選択肢を見つけられたね」
本心ではある。しかし寂しさや後悔もある。恋愛とまでいかなくてもマコトはユーマに情のようなものは注いていた。それに気付いて、得難いと思った当日に手放すような選択肢を取る。
(勘違いするな。マコトさんがこの関係を築いたのは、これが最もマシな選択肢だったからだ)
それ以外の選択肢があるなら、ボクが選ばれる余地はない。そうユーマは自身に言い聞かせた。
そんなユーマを、マコトは揺らぎそうになりながら黙殺した。マコトの得意な黙殺は、今日も成功した。
「何かあったら、またボクに連絡してね。すぐ駆けつけるから」
「ほどほどに期待しておこう」
「……ちゃんと助けがいる時は呼んで欲しいな」
「……」
返事を誤魔化す為に、マコトはユーマをぎゅっと抱き返した。
そんな誤魔化しの為の抱擁にも、ユーマは嬉しそうに「わかってる〜〜?」なんて笑うから。マコトはユーマの肩に顎を寄せて、つい口にしてしまった。
「ありがとう」
「……」
「キミのお陰だ。きっとボクひとりじゃ得られなかった」
一時でも安寧が与えられて、少しだけ夢が見れた。いずれもマコトには得難い奇跡。その感謝が未練がましく紡がれてしまう。
それを聞くユーマもまた、内心離し難いマコトを抱き締めながら「御礼を言われるような事はしてないよ」と溢した。
本当にしてない。途中からは、ずっとユーマの欲求が混ざっていた。
不埒なまま触れ続けていた自分を恥じながら、ふたりは暫くそうして抱き合っていた。
互いの本心に気づかないまま、汚れたベッドの上で熱だけが伝播していた。
翌日、「急な仕事が入った」とマコトが部屋を出て行き休日はお開きとなる。
それから3ヶ月、マコトからユーマへ連絡が入る事はなかった。
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