2スレ112触手姦経由の純愛ユママコ(破)4/6
まだ完成してません! 加筆修正するかもです。BL・純愛になる予定・純愛だけどリョナ凌辱前提・触手姦描写・セッッッですhttps://telegra.ph/2スレ112触手姦経由の純愛ユママコ破36-01-01
これの続きです。
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結果は言うまでもない。自分が翻弄できると踏んだ条件で、マコトはどうしようもなく甘やかされていた。
なんて事ない。単にマコトはどの段階でも致命的な失点を重ねた結果、こうしてトロトロになってしまったのである。
(こんなの、無様だ)
どう考えても余裕綽々とは言えない。もっと翻弄できる気がしていたが、どう考えても遊ばれているのはマコトの方だった。思い返しても口淫失敗以降勝利できるタイミングがない。やはり口淫は完遂すべきだった……とマコトは猛省した。ユーマが思考を読むことが可能であれば静かにキレそうな結論は、幸いにも彼に伝わる事はなかった。
他に方法があるとすれば、仕切り直す事だろうか。例えば、どこかで拒絶したらユーマは止まっただろう(気合いで)。若しくは拒否反応でもあれば即座に気付いて静止できた筈だ(気合いで)。そうすればマコト主体で再スタートを切ることも、非常に低い確率ではあるが可能だったかもしれない。
なお、少なくともユーマが認識できる範囲でマコトからの拒絶はなく、当のマコトも気持ち良くて嬉しくて仕方なかったからこそ現状がある。あれこれ考えあぐねても、結局今の形に落ち着き易い事は言うまでもない。
それでも悔しいので、マコトは言い掛かりを思い浮かべる事にした。
(ノロノロ抽送してさぁ、やる気あるのか?)
嘘。マコトは身を持ってこの動きがマコトを気遣ってのものだと知っている。怖くないように、そして気持ちいいように、弱点を狙い定めて穿っているのだ。時折より深く挿入しているが、他の狼藉者のように無理に結腸へ押し入ろうとはしてこない。
(犬みたいにハァハァしてみっともないとは思わないの?)
嘘。ユーマが犬だとしたら、マコトだって大差ない。枕に噛み付いている分、お気に入りの玩具で遊んでいるかのようで、マコトの方が寧ろより犬の様である。本当はそんなことどうでもいいどころか、首の辺りに当たって、じりじりと官能が刺激されるのが辛いのだ。最も、それ自体をマコトは悪く感じていなかった。
(おちんちん、いきなり撫でるのやめてくれないか。びっくりする)
嘘。たまに触られると、マコトはいつもの愛撫を思い出して寧ろより安心してしまう。もっと触って欲しくて腰がカクついてしまうのを、恐らくユーマは気付いている。腰が動いたタイミングで、笑いが漏れていたから。愛おしげな忍び笑いで、マコトの腰は重くなってしまう。
(耳、食むのもやめろ。音が響いて気持ち悪い)
嘘。
(合間合間に首とか肩を舐めたりキスするのはさ、暇なの? わざわざ毛布巻いたのキミだよね。中途半端に脱がしては戻すし……どっちなの?)
嘘。
(汗臭いんだけど。シャワー浴びた意味ないな)
嘘。
嘘、嘘、嘘。全て嘘。本当は気持ち悪くない。ビクビクしてしまうからマコトが恥ずかしいのだ。毛布に手を掛けられるとキスを待ち望んでしまうし、密着すると汗の匂いがして、今一番近くにいるのは誰か突き付けられてより意識してしまう。
そうやって、幾度言い掛かりを思い浮かべている内に、スキンが取り払われたりしている。
すっかり緩くなったスキンから自分のペニスが引き抜かれるのを感じて、マコトはユーマが結局一度も達していない事を思い出す。微かな劣等感と、自身への失望。それが思考にまで漏れ出る。
(……ずっと射精してないじゃないか。やっぱりボクじゃキミを気持ち良くできないのかな)
これは本心だった。自分ではやはり力不足だろうか。ユーマが興奮しているのは、ずっと硬い竿や発汗、呼吸の荒さから伺える。決定打がないのかもしれない。
(それとも、キミって焦らされるの好きだったりして)
そうだったら下手でも多少は救いになるかもしれないと、マコトは自嘲した。
そうやって思考を逸らして油断していたからだろう。今まで自身を覆うようにしていたユーマが、一転して離れたのを感じて、マコトは「もう終わりなのかな」とちょっと悲しくなった。途端に弱虫が顔を出す。……これでは挿入があるだけでいつもと変わらない。
ボクだとユーマを気持ちよくさせてあげられない。
短い呻きの直後、ユーマのペニスが抜けていくのをマコトは感じた。腸を捲って離れていく感覚が、結論への正確性を重くしたようだった。
そんな仄暗い自嘲を吹き飛ばすように、パンっと肉が打ち付けられたのだから、マコトは一瞬何が起きたか分からなかった。
「あ゛……? え゛」
「ごめんなさい。マコトさん」
枕に阻まれていたであろうに、ユーマはマコトの困惑を正確に拾っていた。マコトの腰が、強く掴まれる。指が埋れる程肉がない、薄くて骨の感触すらしそうな腰が戦慄いている。抑えきれない心拍の名残を指に伝えているのだ。
「ボク……もう我慢できないみたいで」
その宣言は、ユーマにとって屈辱的だった。自身への失望が混じっていた。
だって、大切にしなければいけないと、つい先程思った筈なのだ。それを自身の身体も、意志も裏切ろうとしている。
「ボクも、イきたい……」
絞り出すような「ごめんなさい。こんな感じで強く打ち付けていいかな」という言葉を受けて、マコトはもぞもぞと動き出した。
「ぬいて」
「う……」
ショックを受けつつも、マコトの経歴を思えばそれもそうだとユーマはペニスを引き抜きにかかった。引き留めるような抵抗感と、漏れでるあえかな声を理性でもって黙殺し脱出は完了した。ひとりだけ盛り上がっている息子が虚しさを誘う。ユーマは決してがっつかない理性を今すぐにでも欲しくなった。
(怖がらせちゃったかな。これはもう、ひとりで抜くしか……)
「かんちがい、してるだろ」
ばふっとシーツとクッションの上に落ちたマコトは、のろのろと横向きに転がった。
腰が抜けてしまっているのだろう。そこからなんとか若干痙攣する腕でもって、巻かれていた布団を乱しながら寝返りを打つ。マコトが仰向けになる頃には、その小さな身体は何も纏っていない状態となった。ベールの残骸は他ならぬマコトの手によって端に退けられる。その先にあったのはテイッシュに包まれたスキンやら、ローションの容器だったので、もしかしたらまた新しい汚れが付着したかもしれない。
そんなことは、マコトにはどうでも良かった。
心なしかあの特徴的な癖毛が萎れていると、情けない顔をしたユーマを認めて、マコトの顔が綻ぶ。それはどうにも悪戯を思いついた子供のようだ。散々愛撫されて興奮の兆しを見せる乳首や薄桃に染まった肌。この状況に再び首をもたげはじめるペニス。流された涎や涙、汗。乱されて今や額にまだらに張り付く毛髪。
遺憾無く性の匂いを漂わせていなければ、日常の只中で見てもおかしくはない表情。最も、上記の状態でそんな事をすれば、恐ろしく蠱惑的に見えるだろう。
「よいっしょ」
薄いが柔らかそうな太腿を抱えて、自分を凝視するユーマに、マコトは良いようにされてきた秘所を晒す。撫でられると悦ぶ会陰や、今し方抜けたペニスを望んでパクパクと開閉するアナル。散々仕込んだローションが、開閉に合わせて薄い尻たぶのあわいに流れていく。
「このたいせいなら、いいよ」
そうしてマコトは意地らしく脚を開こうとした。力の抜けた下半身でそれは難儀しているようで、結果的に特に意味もなく白い足が揺れる。
上手くいかなくて、もしかしたら後背位の方が良かったかもしれないとマコトが思った頃に、ぐっと指が食い込みそうな程右の太腿が掴まれた。
「……!」
「こっちの体勢は苦しいかもしれないよ」
こんな状況でも警告してくる律儀さに、マコトは「これは、目的があるからこのかっこうがいいんだ」と口にするも、ユーマは怪訝そうな顔をしている。
「ボクのおねがいきいてくれるなら、キミのすきにしてくれていい」
「お願い?」
「さいしょだけでいいから、いれたらぎゅってして」
「……」
ぴたりと停止ボタンでも押したように、ユーマが静止する。
この体勢なら、マコトも抱き締め返す事ができる。お願いとか懇願が守られない事が常だった身だ。別に守られなくても落ち込まないが、もし守られたら、マコトも応えるつもりだった。
「キミ、だっこよくするだろ? ボクもそれすきだから……ボクもぎゅってしたい」
片方の太腿に指が食い込んでいるから、マコトは安心して右腕を投げ出した。抱擁をねだる甘えん坊な腕が、中空で揺れている。
「さっきのたいせいだと、ボクはぎゅってできないだろ」
ユーマはそのお願いの意味を反芻してから、一度大きく息を吐き、黙りこくって肯首した。それを認めて「あし、もって」なんてねだれば、ユーマの廃棄寸前のブレーキはいよいよもって機能しなくなりつつある。
ギラギラした目でマコトの脚を開きにかかるユーマは、平常からかけ離れていた。あれだけ普段穏やかで、容姿から可愛らしいと見做されるユーマがこんな形で自分に迫っている事実。それをマコトが愉快に感じた時には、腰はだいぶ持ち上げられていた。俗に言うちんぐり返しに近い姿勢は、女性に比べれば身体が硬いと言えるマコトにはやや苦しい。
(でも、今は気分がいいから許してあげる)
見知った身体が重なるように近付いたからマコトは「力、抜いてくれるかな」というユーマのお願いを素直に聞いた。ぐっと、好きなものが押し入ってくる。性器の代わりにしている直腸は当然内から圧迫された。如何にユーマの性器が特筆すべき程の大きさではなくとも、それは苦しさが内在する行為だ。そんな事はわかっているけれど、一番近くにユーマがいる現実は、マコトを陶酔させるに足りた。
挿入をそのままに、太腿から手が離れて押し潰すようにユーマの半身がやって来た。行き場のない足がユーマの腰辺りに巻き付くのと、要望を叶えた腕がマコトの背中に回されるのは同じタイミングだった。
文字通り抱かれているのだから、布越しではなく肌と肌が重なっているし、肩口では忙しない呼吸音が聴こえる。それに報いたくなったから、マコトはその鬱血した細い首に縋りついて「ユーマ」と吹き込んだ。糖蜜でも煮詰めた様な、好意が凝縮された歯に絡みつくような甘い囁きは、ユーマの耳に直に流れ込む。
それは、今まで散々焦らされていたユーマにとって猛毒のようなもので、漸く訪れた報いだった。
「ぅ、……」
「わ、あ?」
胎の中で薄い膜越しに熱さを味わいながら、マコトは急に重くなったユーマを受け止めた。縋るように力が込められ、マコトはそこでユーマが絶頂した事に気づいた。
「プッ……アハハハッハハッッッッッ!!! キミ、三擦り半でイったの?」
「…………今まで散々前後運動はしてたから、三擦り半ではないだろ」
爆笑するマコトの髪を撫でながら「カッコ悪いなぁ」とユーマは独りごちた。
(よかった)
笑いを堪えきれないよう装って、マコトはひとり安堵していた。ユーマは自分に興奮して、射精できる。その事実がわかりやすい形で提示された。
(別に、カッコ悪くはないよ)
言うとなると恥ずかしい気がするから態々マコトは口にしなかった。髪を撫でる手に心地良さを感じながら腕や足に力を込めた。甘えん坊の仕草にユーマは少し息を詰まらせたが、それでも冷静にマコトに呼びかける。
「ちょっと抜くよ」
「ん」
短い抱擁は解かれて、役目を果たして精液を溜め込んだスキンを携えたペニスが出ていく。
直ぐに外されて口を絞られたスキンは、そのままティッシュに包まれてベッドの端に追いやられた。
(いっぱい出てた。いいなぁ)
あんな風に直に感じて受け止めてみたいなとマコトはそれを羨ましげに見送る。膜越しで熱いのだから、きっと直に受けたらもっと熱くって、直腸の蠕動によっていっぱいに広がる筈だ。
冷たくない、熱い粘っこい体液が。好きなものの興奮の証が。
(言ってもつれないだろうけど)
癪に触ったので、マコトは別の事を考えることにした。マコトは紆余曲折を得て俗に言う賢者タイムが廃されるように調教された肉体だ。しかしユーマは違う。1回絶頂すれば、クールダウンするのが自然である。セックスを終了するタイミングにはいいかもしれない。
マコトはこの短い間にまた勃起しているのだが、大人しくしていれば治りはするだろう。
(切なくはあるけど、いつもユーマに強いていたからな)
本当はもっと気持ちよくなって欲しいのだが、それを強いる怖さをマコトは誰よりも知っている。自分はともかく、ユーマを苦しめるはマコトとしても避けたかった。
休みは2日取ったのだ。翌日に可能ならば続きをしよう。
そうマコトが提案しようとした所で、ユーマが横に転がってきた。そのままマコトの頭を胸に抱え込む。
(あ、やっぱ終わるんだ)
このまま一旦寝るのかな。今寝たら変な時間に起きそうだ。平べったい裸の胸に頬を寄せて、マコトはそんな事を考えた。肌を寄せると暖かくて、我慢するのも悪くない気がした。
「マコトさん」
「?」
「今日は悪戯しなくていいの?」
言葉を噛み砕いたマコトは、1週間前の出来事を思い出し「今更?」と呟いた。
「……ごめんね。返事を随分待たせて。あなたをちゃんと抱きたいから——その、触ってくれるとボクが嬉しいんだけど」
マコトが額を胸にくっつけながら見たペニスは、布に隠されていなかったが、臨戦体勢という訳ではない柔らかなものだった。
そっと手を伸ばすと、手の中でピクッと震える。ぎゅうっと締め付けられる頭を歓喜でいっぱいにして、マコトは「キミも好きに触ってくれ」と伝えた。
「いいの?」
「お願い、叶えてくれただろ」
それだけ言うと、マコトは薄っぺらい胸の谷間に吸い付いた。浅い窪み程度の谷間は普通の人間ならつまらないかもしれない。
こんなに暖かくて、安心できるのに。
(とくとくしてる。ちょっとしょっぱい)
その間も捕まえたままのペニスを扱くのは忘れない。そんな動作にやっぱり自分の愛撫を真似ている様な所感を覚えて、ユーマは優越感と愛おしさを味わっていた。
マコトを性感帯を調教したのはマコトに非道を強いた者達だが、この愛撫はユーマが教えたものだ。同じ人間から分かれた以上、単に仕草が似ている可能性もある。
(もし、ボクの真似だったら、嬉しいな)
このままユーマ自身が“手本“を見せるのもいいかもしれない。ただ、マコトは耐え切れないだろう。
そこでユーマは直接的な愛撫は避けることにした。抱え込んだ頭の、流れる長髪を縫って、頸に触れる。
「ん゛、ん……」
擽る様に撫ぜると、すっかり過敏になったマコトの肉体は、どうやら快感としてこの刺激を拾ったらしかった。柔らかい愛撫の合間に、手コキを受けてユーマも息が詰まる。
「……っ、こちょこちょ、気持ちいいかな?」
問いかけには答えず、マコトは赤子の様に目の前の乳首に吸い付いた。小さくて薄い色の乳首を舌で覆うと、頭上からは「くすぐ、あは、マコトさっ」と性感とは程遠い答えが返ってきた。
(なんかムカつく)
当然ながら、マコトの乳首は性感帯である。ユーマは乳首の愛撫の傾向として、指で何かするより、口に含む事が多いのでやってみたのだがハズレな様だ。
ちなみに実際の所どうなのかといえば、マコトがいい反応を示すのが上記のやり方なので、ユーマも好き好んでこの愛撫をやりがちなのが真相である。
それでも性器と共に弄るものだから。
「ひ、? っン、あれ」
僅かばかりでも違和感は拾える様になる。それを認めてマコトは得意げに「気持ちよさそうだね」と笑った。
「おちんちん触りながら、だったからだよ」
「でもピクッてしてただろ」
「うぅ……」
このままでは形成不利とみたユーマは、体勢を変えることにした。マコトの頭を抱え込む体勢から、マコトと向き合う形でずれ込む。
向き合ったマコトは、なんだか得意げだった。
「もっと触ったら、性感帯になるんじゃないか?」
「……やるにしても今度ね」
そう受け流してマコトの額に口付けると、忍び笑いがユーマの鎖骨の辺りに当たった。遊ぶようにそのまま歯が柔く食い込む。
やったなとばかりに頸から背骨を伝うようにマコトを撫でれば、鼻にかかったような声と共に甘噛みが終わる。それでも果敢に乳首を弄ろうとするマコトに、ユーマも手本を見せることにした。
胸元に潜り込んで、無防備だった乳首を口に含む。一度乳輪を甘噛みしてから、乳首を強めに吸い込む。
「ゆ゛、卑怯だ……ろ!」
そうは言いつつ、押し当てるように動いてしまうのは、最初にこんな関係を持った時から変わらない。断続的になってしまうユーマへの手コキと、継続してしまうあえかな声が、かえってユーマの性感を刺激する。
逃げ出す素振りすら見せない腰をグッと寄せれば、カクついた動きが指に伝わった。
最後にユーマは唾液でテラテラした乳首を唇で挟んでから離してやると、ずいっともう片方が差し出された。
「? なに」
「……いや、敵わないなぁって」
指摘すると次は無さそうなので、ユーマは大人しくマコトの乳首に吸い付いた。当の本人は「赤ちゃんみたいだね」と笑っているが、マコトは母親として捉えるには蠱惑的である。
吸い付きながらユーマはなんとなくシーツを使って、散々舐った乳首を拭くと「まえから、おもってたけど」と声がかかった。
「なんで毎回なめるとふくの……?」
「冷たいの好きじゃないでしょマコトさん」
「そうなの?」
「そうだよ」
あまりピンと来ていなさそうに「ふーん」と漏らしたマコトは、そのままその声を次第に甘ったるいものにしていく。覚束ない手付きでユーマの頭に指を食い込ませて、もう片方の手は亀頭の先を指の腹で引っ掻いていた。
それが随分勃ち上がっているものだから、どうにもマコトの頬は緩んでしまう。
(おちんちん、元気になってきた)
薄い腹と起立したペニスの間に指を差し込んで弾きながらマコトは浮ついた様子でユーマの名前を呼んだ。
ちゅぱっとリップ音を響かせて離れる唇を追って、マコトの目線が泳ぐ。それを認めたユーマがその夢見るような顔に唇を寄せると、醒めるように甘やかに潤んでいた瞳が目一杯開かれた。
「だ、駄目だ」
焦るように唇を覆う手のひらの上から「どうして?」とユーマがキスを降らせながら尋ねれば「おちんちん、しゃぶったろ……」と弱々しい声が手のひらから漏れ出てくる。キスが嫌であると言うより、口淫の後である事をマコトは気にしている。最初は恋人とでもしろという断り方だったことを思えば、勝ち取ってきた信頼を感じてユーマは喉で笑った。
「別にいいのに」
そもそもユーマが口付けを送っているマコトの手のひらも、さっきまでユーマのペニスを引っ掻いていたものだ。カウパー液だって付着している。ユーマ自身の嫌悪感は然程無いと言って良かった。
それでも羞恥で顔を染めたマコトに無理を強いるのは憚られた。そもそもこの関係の主導権を握っているのはマコトである。選ばれ続けたいなら、不要な意地悪は避けた方がいい。そんな事実を度外視にしても、ユーマ自身がマコトを怖がらせたくないのと同じくらい、嫌なことも避けてあげたかったのである。
「マコトさん」
呼びかけながらユーマはマコトを仰向けに転がした。シーツの上に広がった落ち着いた色の金髪を一房掬うと、マコトに見せつけるようにユーマは口付けた。これはデモンストレーションだ。
ユーマはしっかりマコトの視線が釘付けになったのを確認してから「キスしていいのは何処かな」と尋ねた。
教えてねと微笑み、今度は首に口を寄せる。喉の奥から聞こえる荒い息を噛み殺した「いいよ」を聞き届けて、首を食むと子犬みたいな嬌声がユーマの耳を慰撫した。
そのままユーマのキスは降っていき「さっきこの辺りキスしてたでしょ」と言いながらマコトの胸に吸い付いていたかと思えば、鳩尾や肋に唇が滑っている。
性感が著しく刺激される訳でもない愛撫に、それでもマコトは時折腰が跳ねている。口を覆っていた手のひらはとっくに綻んで、ユーマが覗いた時にはふにゃふにゃとした笑みが隠せなくなっていた。
(可愛いひと)
ゆったりした性感に油断している間にスキンの封を切り、ユーマはそれを表裏を間違えないように注意しながら口に含む。
そのまますっかり堪え性のなくなったペニスを捕まえて皮をズリ降ろし、捕食するように覆い被さった。
「わ、ゆーま……!」
頭上の悲鳴を黙殺して喉の奥にマコトを迎え入れたユーマは、予想通り咽せそうになった。生理的な嘔吐感と息苦しさを覚えつつも、なんとかユーマは根本まで咥え込んだが、絶対何度も短いスパンでやる愛撫ではないと確信した。
(あなたの興奮がダイレクトに伝わるのはいいけど……やっぱりこれは危険だ)
ユーマがスキンの装着が完了して顔を上げれば、マコトは納得のいってなさそうなむっとした顔をしていた。
「キミはいいの?」
「あなたのやり方はだいぶ無茶だったでしょ」
納得して無さそうな頬にユーマが唇を当てると、なんだかガサガサしていた。乾いたカウパーや涙やらの残滓だ。むずがるマコトを感じながらも、ユーマは自分のスキンも装着する。それをあまりマコトに悟らせないように、ユーマはそのまま再度上半身からキスを降らせて薄い身体を下っていく。
遊ぶように臍を吸った直後に、ユーマは不意にマコトの脚を持ち上げた。
弱い性感に微睡んで自分の指を甘噛みしていたマコトにしてみれば、その動作は青天の霹靂である。すっかり脱力した肉体の一際深い場所の入り口を、幾度目かの結合を求めペニスがノックする。
「いつのまに……」
「マコトさん見てたら興奮しちゃって」
「キスしてただけだろ」
呆れるような、しかしそれにしては語尾の柔らかい指摘と共に、マコトの腕が差し出される。
その姿にじんわりと愛おしさを感じたユーマは「挿れてもいい?」と聞いてみた。「うん」と幼い返事の後「今度は三擦り半じゃないといいな」とマコトが笑った。嘲笑うというよりかは揶揄うかのような響きに、ユーマは「もう」と漏らす。
「揶揄わないでよ。……ちゃんとカッコいい所見せるから」
「……うん」
挿入と共に、ユーマはマコトを抱擁した。隠し切れない密やかな笑い声を耳にしても、今度は暴発しなかった。
そうして、再度セックスが始まったのである。
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