23日目
鳥飼天竜人父上は3日後に帰ってくる。
それまでに今の状況をどうにかしなければならない。
D.Dには申し訳ないが、MC01746を回収、状態を確認する。
幸いな事に本体の大幅な破損は見られないが、衣服は新調しなければならないだろう。明日にでも腕利きの仕立て屋を呼ぶ事にする。
毎日のようにMC01746を眺めている父上を欺く事が出来るのか不安だ。しかしやってみない事には分からない。最悪D.Dの関与がバレなければいいのだ。
私が全ての罪を被ろう。
D.Dが暴れた場合に備え、私は彼の傍に座り込んだ。相変わらず胎児のような眠り方だ。
私がまだほんの子供だった頃、その長い脚を惜しげもなく伸ばした不遜な態度に惹かれたものだ。
いつか拘束を解けるほど状態が回復すれば、伸び伸びと手脚を広げて踊るように飛ぶD.Dを見たい。
点滴の管を眺めながら、心理学を学ぶ事を決意する。
手先の包帯を取り換え、本日の観察は終了。