2回目
聖地から戻ってきたドフラミンゴはショックのあまり父上の死前後の記憶を失っていた。
24歳になった頃にはそれなりに思い出せてはいたものの父上の死因が自分であることは思い出せず、記憶が欠けていることを自覚しながら過ごしていた。
一方でロシナンテ(♀)はセンゴクに拾われる際にドジって頭を打ち記憶を失い、その後記憶を取り戻そうとすることもなく海兵として過ごしていた。
元天竜人であり今は記憶がないロシナンテを世界政府は利用すべくドフラミンゴの元へと送り込み、動向を報告せよと指示を出す。
過去のわだかまりもなく再会したロシナンテは能力者であることは明かさず普通に声をかける。それに対してドフラミンゴは妹との再会を喜んだ。
『実の父親を撃ち殺した海賊』と聞いていた相手が兄を名乗り自分たちは元天竜人だと言ってくる状況に(何故自分は海兵で兄は海賊となってしまったのか)と困惑したロシナンテはセンゴクへ事実確認をする。
センゴクは出生について知っていたものの今話すことは任務の妨げになるから話せないと言い、その反応でドフラミンゴの発言は事実らしいことを察しながらも父親を撃った記憶だけが失われている様子から、それほどまでに追い詰められていたのかとどこか他人事のように思う。
過去についてはそれきり話さなくなったドフラミンゴはロシナンテを自由にさせ、過去について聞く気のないロシナンテも自由に過ごしていた。
そんな中、海賊ではなく海兵となって平穏を手に入れたいヴェルゴとわかりやすく力での上下関係を重視したいディアマンテと顔を合わせたロシナンテ。彼らがドフラミンゴを裏切るつもりであることは全く把握していないが、何故か好感度の高い二人に対してかなり距離を置きたいような態度である。
そんなロシナンテを気にせずヴェルゴがいつものように海兵になりたいのだと愚痴を零すが、現役海兵であるロシナンテからすれば海賊が海兵になれるわけがないという認識である。それをそのまま伝えてヴェルゴの心を負ったロシナンテは二人から情報を得てセンゴクへと伝え、そこまでわかれば充分だから帰還するように指示を出され任務のフリをしてセンゴクの元へ帰ろうとした。
センゴクの指示によりロシナンテが海兵であると気付いたドフラミンゴはディアマンテに声をかけて追いかける。裏切りたい気持ちはあるもののドフラミンゴの意思を尊重するつもりもあるディアマンテは大人しくついて行き、ドフラミンゴが弱々しく引き止めようとしたイトを振り払ったロシナンテへ斬りかかった。
そのダメージにより記憶を取り戻したロシナンテはあまりのショックに戦意を喪失して呆然としているが、裏切り者を許すわけにはいかないドフラミンゴは銃弾を三発撃ち込んだ。
まだ息のあるロシナンテはドフラミンゴに死んだものと誤解されたまま放置され、そのまま誰に看取られることなく命を落とす。
再び家族を自らの手で殺めてしまったドフラミンゴはロシナンテの死に関しても記憶から消し、センゴクは得られた情報から全てを──自分の指示により海兵だとバレたことまで正しく理解してしまった。