>187 花売り

>187 花売り


国家の体をなしていないエレジアが世界政府に取り込まれたことで追い出され路上生活者となったウタが、花売りをしてる最中ルフィと出会い買ってもらう


住民、主権、外交能力が無いしこうなるのが普通なのかなと


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「……おひとつ要りませんか」

今日もとある島で紅白髪の彼女はどこかからか詰んできた花を街を歩く人々に売ろうとしていた


____19歳の彼女がこのような人生を送っているのにはある訳がある


彼女がこうなる数ヶ月前

いつも通り元国王ゴードンのレッスンを受けている時、ある船がエレジアに漂着した


それは政府の船。彼らは国家の体を成していないエレジアを再構築するために世界政府の管轄下に置いたようだ

しかしその決断はウタを守るゴードンにとっては都合が悪く、彼女がウタウタの実の能力者だと知られぬ内にその場にいた政府に"保護"という名目で別の島へと移住させるよう頼んだのだった


話についていけず、よく状況を理解できずにいたウタは最後にゴードンに囁かれた"政府や天竜人には気をつけろ"という言葉の意味を船の上で何度も考えてエレジアから旅立ったのだった


そして彼女はたどり着いた島で小さな家と少額を与えられるが、お金はすぐにつきてしまい 服や装飾品を売るもそのお金も使い切ってしまった

そのため働き方を知らない彼女は昔に本で見た花を売る仕事を行って金を集めていたのだった


「……お花…お花は要りませんか?」

みすぼらしい服と汚れた髪が特徴的となってしまった彼女は街を歩く人ひとりひとりに声をかけていたが、買ってくれる人など中々現れなかった


「……今日こそ売れると思ったのに…」



「……お腹すいたな…」



「……お花…お花は要りませんか…」


「ひとつくれ!!」


「……えっ!?ありがと___ルフィ!?」


「久しぶりだな〜ウタ!!」


「…………やだぁ…」



「見ないで!!こんな私を見ないで!!」

新時代を誓い合ったというのに、夢には近づけずこんな姿でいる所を彼に見られて彼女は激しく動揺していた


「……ウタ」

その場で小さく暴れる彼女の腕を抑えて彼は彼女を静止させる


「……やだぁ……」ポロポロ…


「____決めた 買うよ」

「お前ごと 全部買うことにした!!」


「……ぇ?」


「こんな格好のお前をほっとけねェよ だからお前を買うことにした もうお前にこんなことはさせねェし そんな汚い格好もさせねェ」

「だから来いよ ウタ!!」

少年は笑顔で彼女に手を差し伸べた


「____うん まいどあり!!」

彼女は昔と変わらない綺麗な笑顔で少年に返答したのだった



少年に優しく手を引かれ、ふたりは楽しそうに笑いながら街を駆けていった



END

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