<<18

<<18


そうだ。いつかはやらないといけないことだったんだ。私は精一杯勇気を振り絞り、叫ぶ

ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᚲ ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᛏ ᛏᚨᛏ ᛒᚱᚨᚲ


その日、私は気付いた。

自分がとんでもない事をしてしまう所だったということを

ルフィの嫌な予感を頼りに一足先にエレジアに来た麦わらの一味。

そしてルフィは私の違和感に気付き、

エレジアで本当は何があったのかをゴードンさんに問いただした。

そしてルフィやブルック、ゾロに諭され

私はルフィの船に乗ることに決めた。

ライブ当日は物凄い盛り上がりようだった。

私の人気を実感し嬉しくなると同時に、

過去の私が何をしようとしていたのかも実感し、恐ろしくなった。

一応引退ライブということにしていたのだ。計画が計画だったし。

だから私が配信を辞めても問題ない。

ルフィの船に乗ったが、気がかりな事があった。

トットムジカだ。私は荷物に積んでいない。

ゴードンさんが載せる訳もない。

一体誰が?一味の皆には実物は見せていない筈だ。


私は捨てることにした。

「これで…」ピラッ

海に捨てた。戻ってくることはないだろう


「スー…スー…」

バシン!!!

「きゃぁっ!?」

窓に張り付いている、これは…

「なんで…なんでここに…」

トットムジカだ。

次の日

ビリビリビリ ピラッ

破いて海に捨てた。


「うっ…うぅぅ…」

バシン!!!

「わァッ!?!?」

トットムジカだ。

しかも破いた筈なのに無傷だ。

別の日

トントントントン パララッ

包丁で細切れにして捨てた。


「……」

バシン!!!

「あ゛ぁ゛ぁ゛!!」

案の定だ。

また別の日

ボォォ

燃やした


「スー…スー…」


起きたら、部屋にあった。

それから毎日のことだ。

捨てた。

戻ってきた

捨てた。

戻ってきた

捨てた

戻ってきた

すてた

もどってきた

すてた

もどってきた


私の精神は、もうとっくにガタが来ていたのかもしれない

「ハァ…ハァ…」

「どうした?ウタ、元気ねェじゃねぇか」

「あっい、いやルフィ、なんでもないよアハハ」


ルフィ達に、こんなこといったら私が捨てられちゃうかな。

違うんだ。ルフィ達が私を捨てることなんてない。そんなのはわかってる。

でも、もし、もしもこのことを話して、

捨てられたら。

私は立ち直れない。

「うっ…ごめんなさい…ごめんなさい…」

「私が…私が…」

バシン!!!

「ヒィッ!!!」

「もうゆるして…わたしが…わたしがなにをしたっていうのよ…」



『じゃあな、ウタ。』

「まって…まってるふぃ…おいてかないて…いかないで…!!おいてかないでよぉ…!」


「わァッ!!ハァ…ハァ…ハァ…」

「あっ」

あった



「ウタ、やっぱお前、なんか隠してるだろ」

ある日の夜、ルフィに訊かれた

「ヒッい、いやルフィなんも隠してないよ!?」

「おれたちは仲間なんだ。不安な事があったら、なんでも相談してくれ!」

「ウッ…グスッ…ルフィ…!」



「ハァー…なるほどな、それでウタはあんまり寝れてなかったんだな

道理で隈がひどいとおもったんだ。」

「私…何回も…色んな方法を試したけど…いっつも帰ってきて…!」

「なァ、ウタ」

「ヒッ、な、何?ルフィ」ブルブル

「無理して捨てる必要あんのか?」

「えっ」

「これを捨てる以外の方法を探す。」

「その間、おれが一緒にねてやるから」

「うん…!ありがとうルフィ」


次の日、おれは早速ロビンに話を聞きに行った

「ロビン!それで、コイツは一体なんなんだ?」

「これはトットムジカ。人間の負の感情の集合体よ」

ウタはおれの膝の上で寝ている。

「でもなんでウタがそんな奴に付け回されてんだ?」

なんでよりにもよってウタが。

「トットムジカはウタウタの実を食べた人によって歌われる事で実体化できるのよ」

「そうだったのか、だからウタが」

「じゃあ、どうすればいいんだ?」

「トットムジカと、対話するしかないわね…」

「それしか、ないのか…」

ふとウタの方に目を落とす

「スー…スー…」ポロ

悪夢を見ているのだろう。

涙を流していた。

「ウタちゃんの為にも、やるしかないわね」

「そう…だな」



「るふぃ…」

「おれはここにいる、安心しろ」

「うん…」

こころなしか、ウタの口角が上がったような気がした。


ウタワールドと現実の二班に別れて、トットムジカを弱らせる。

「右足ッ!」

「雷霆!!」

「魔神風脚!画竜点睛!」

「左足!」

「海流一本背負い!!」

「鼻歌三丁…矢筈斬り!」

「右手!」

「火の鳥星!」

「五樹咲き、スパンク!」

「右手!」

「ラディカルビーム!」

「モンスターポイント!」

「頭!」

「王蛇!」

「一大・三千・大千・世界!!」




「捕まえた!捕まえたぞ!!」

「なんか縮んでる!?」

「ウタは!?」

「まだ起きてない!」

「こいつどうする?」

「アウ!この檻にぶち込んでろ!」

「キュエエエエエエ」


「う…私…」

「あ!起きた?ウタ?」

「トットムジカ捕まえたぞ!」

「(ちょっと可愛いかも)」

「あなたが…トットムジカ?」

「コクコク」

「なんで、こんなことしたの?」

「……」

「寂しかったんだ。ずっと楽譜のなかにいて。」

「コクコク」

「じゃあ…分かった!この姿なら、大丈夫でしょ?この姿で、暮らそ?」

「パァァ」

「たしかにアンタがやった事は行けないこと。だから、ちゃんと私の指示に従うんだぞ?」

「コクコク」

「よし、いい子!」

Report Page