>158 最も近く最も遠い観測者達

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デートするルフィウタを出歯亀する麦わらの一味&赤髪海賊団&エース&サボ&ガープ

最初はゲームセンターだのバイキング大食いだので勝負していたのでまだまだガキだなと笑っていたけど、終盤になってジュエリーショップに入りしっとりした空気で結婚指輪を物色し出す2人に色めき立つ出歯亀勢

最終的に2人にバレて全員で盛大な大宴会となりノリで結婚式の日程まで決まってしまう

話の中心である2人は心から笑って幸せになることを誓い合う


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※現パロ



「なに!?ウタとルフィが休日デートするだと!?」


赤髪とその仲間たちが住まう家で、家を離れてアパートで一人暮らし中のウタの父親であるシャンクスは携帯電話で娘の友人からの密かな報告を受けてひとり叫んでいた



同時刻、その報告はまた別の"保護者"へと行き渡っていた


「場所は!?時間は!?」


ルフィの義兄弟であるサボとエース、祖父であるガープもまた彼本人ではなく孫の友人からその連絡を受けていたのだった


____なぜ本人たちではなくその友人が報告するのか…そもそもなぜ報告するのかだって?

それは興味や好奇心…はたまた風変わりなふたりの経緯を見守るためか……

そもそもその友人たちも彼らの話が"たまたま"耳に入ったことでそれを知ったのだ


つまりこれは友人が、親代わりが、義兄弟たちが"保護者"となってデートをするふたりを興味本位で見守る行事であった


____当然デートの主役のふたりはそれを知らない。ドッキリ番組の標的のように……あるいは撮影スタッフに気づかない"初めてのお使いをする子供"かのように


翌日の主役が特にこれといった準備をせずにゆったり眠る中、保護者はせっせと変装の準備を進めていた



____そして夜が明け、待ちわびた日は太陽と共に顔を出した


ここでひとつ問題

保護者たちはデートの待合場所を知りません

ならどうやってどこかで待ち合わせをするふたりを探すでしょうか?


____答えは単純だった


「____いい天気だな〜!」

「__やっと家を出たか 後をつけるぞ」



「____んぅ〜!今日は晴れてよかった〜!!」

「よし!服は決まってるな!!おれたちも後を追うぞ」


____こういうことである

朝六時からそれぞれのアパートの前で変装によって見た目を変えて物陰に隠れることで待機し、彼らが出てくるのをずっと待っていたのだ


……繰り返すが彼らは"不審者"ではない ふたりを見守る"保護者"なのだ


「ルフィ〜!」

「ウタ〜!!はやく遊びに行こう!!」


「____ふたりが合流した。これからが本番ね」

「ところでアイツらのデート内容はまともなのか?まだ子供っぽさが残ってるから心配なんだが」

「そんなもん あのふたりを追えばわかるじゃろうが」


待ち合わせをしたふたりが公園の時計の下でこれからの行き先に向けて歩き出す中、近くの木の下で変装をした数十人の集団はヒソヒソ話合っていた




第一のデートスポット ゲームセンター


「今日はここにある対戦ゲーム全部まわるよ!!」

「勝った回数が少ない方が今日の昼を奢るってルールだからね」

「いいぞ!絶対負けないからな!!」


「____やっぱガキだな」

「子供ね」

「だな」


変装した"保護者"たちは近場にあるクレーンゲームやメダルゲームをしながらアーケードに熱中するルフィとウタを子供のように思って見守っていた


「うぅ〜……次こそは…」

「にっしし!!じゃあ次はお前の得意なリズムゲームにするか」


「____ルフィのやつ優しいな」

「いや、あれはただ勝負に勝って調子に乗ってるだけだろ…」

「まあウタが勝ち始めて笑顔になったからいいんじゃないかしら」



「よーし!全部遊び終わったな……そういえば何回勝ったか数え忘れてたな」

「あ…私もだ____じゃあ最後の勝負に勝った私の勝ちってことで!!」

「ずるいぞ!!……こうなったらやけ食いしてやる!!」

「別にいいけどそのランチ代を払うのは勝負に負けたルフィなんだよ?」

「____ぎにに……」

「……わかった。今回の勝負は罰ゲームなしにしてあげる だからいっぱい食べようね!」

「いいのか!?ありがとうウタ!!」


「____うぅ……ウタは優しい子に育ったな……」

「相変わらず親バカじゃのう」

「ジジイも十分ルフィに甘いだろ……」

「それを言うならガープのジジイもエースもおれもみんなそうだろ」


それぞれの愛を語る"保護者"の面々は片手間の戦利品のぬいぐるみやお菓子を抱えて店を出たのだった



「……そうだ!バイキングで大食い勝負なんてどう?」

「いいなそれ!一時間でどれだけ食べれるか勝負だ!!」



「____混んでるから最低限の人数で行くわよ」

「どうやって決める?」

「……戦争でも始めるか?」

「え?ジャンケンって考えてたんだけど?」




「うめェ〜!!うますぎて手が止まらねェよ!!」

「んう〜!! あんまり喋ってると私が勝っちゃうよ!!」

「んあ!?大食いでは負けねェからな!!」

「「……ゴクッ…次の皿ァ!!!!」」



「____なんだアレは 部活終わりの学生か?」

「どう見てもそれ以上でしょ……」

「あいつらの腹袋は無限か?」

「…んが〜……」

「エース!食べながら寝てんのかよ!?ルフィたちを見守るんじゃなかったのか!!」






「____もうおなかいっぱい」

「____皿が多すぎてどっちがどっちの皿か分からねェな この勝負は無かったことにするか」

「うん なら最後の場所に行こっか」



「……んが〜…」

「エース起きろ!!ルフィとウタが動き出したぞ!!」

「____あ?もう夜か?」

「昼だ!!いいから行くぞ!!」

「あいつら次はどこに行くつもりだ?」

「どうせ可愛らしい場所でしょ あのふたりには大人のデートはまだ早いのよ」





「____嘘だろ」

「なんでこんなとこに……」

「ウタ〜!!お前にはまだここは早い!!!!」

「ルフィ〜!!お前もじゃあ!!!!」


____いくつもの指輪が並ぶ場所

ジュエリーショップが彼らのデートの終着点であった


「どれも綺麗だね」

「……ルフィ…私の指に似合うのはどれだと思う?」

「どれも似合うぞ!いつかお前に指にはめる日が楽しみだ!!」

「……ありがとう。私も早く来て欲しいよ」

どこか切なく…されど幸せそうな顔でふたりは店から顔を出した


……そこに佇むは彼らの足跡を追う変装した"保護者"の姿


「____みんな何してんの」

「……うぅ…まさか指輪を決めるところまで進んでいただなんて…」

「ルフィ!おれたちはお前たちの結婚に賛成だ!!」

「だからこれからお前たちの結婚を祝して宴をするぞ!!!!」


「エースもサボも何勝手なこと言ってんだよ?」


「心配するなルフィ!みんなで金を出してでかい結婚式場を用意してやるからな!」

「ああ!!だから今は宴を楽しむぞ!!!!」


いつの間にかその場にいる全員で宴をすることになり、赤髪の広い家でバーベキューセットを取り出し始めたのだった




____皆が盛り上がる中、主役のふたりは静かな物陰で夜空を見上げていた


「今日は楽しかったね」

「おう!また今度遊びに行こうな!!」



「____ねぇルフィ…」

「なんだ?」

「好きだよ」


「昨日も今日も明日も明後日も……ずっとずっと大好きだよ」

「おれも昔からずっと大好きだぞ!!もちろんこれからもずっとな!!」



____彼らは多くは語らない

最小限の言葉で彼らは最大限の想いを伝え合えるからだ


今宵の想いは果たしてなんだったのだろうか

…そんなもの考えるまでもないか


間違いなくそれは____




"誓いの言葉"


"明日も笑い合って生きようね"と……



END

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