»137 守る

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陰鬱な話になってしまいますが…現パロでウタがストーカーに襲われレイ○寸前に所でルフィが助けに来るも勢い余ってストーカーを○害してしまう

ルフィはウタを無事に送り届けた後に「自分みたいな人殺しなんて忘れてくれ」という手紙を残して出頭、有罪判決で務所入り

そして無事に出所した所でウタと再会、はじめはウタを拒絶しようとするけどウタの想いに負けて再び二人で一緒に暮らしてく事を決める…という話をリクエストしたいです

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ふたつ下のルフィは放課後に担任に呼ばれ教務室へ、待つと言っても彼は遅くなるからいいと言い残して背中を向けてわたしの前から消えてしまった

そのため生憎今日のわたしは学校の帰り道を一人で歩いていた


「はぁ〜…寂しいなぁ……」


「____ん?今日はひとりか……」



「痛ェ!!!!」バタッ

ん?今の声は…?あそこの裏路地からだ


「____どうしました!?」

「……いや〜転んでしまって…」

「立てますか?わたしの手を引いてください」

「いや〜助かるよ___UTAちゃん♪」

「……え?」


ドッ!!!!


「な…なんで?」

なんで…助けようとしたのに

なんでわたしの両手と両足を押さえつけるの?

____目の前の男が手を引いて立ち上がったあと、わたしの体を裏路地の壁に押し付けて両腕の手首を男の屈強な右手で掴まれ、両足は上から踏まれることで動けなくなってしまった


つまり もう抵抗することも逃げることも叶わない

……それに…

「……なんでわたしの配信の名前を?」

「やっぱりお前がUTAだったか おれはお前のファンだからな 調べあげて探し当てたんだよ」

「…ファンならなんでこんなことを?」

「もしかしてファンがみんなUTAちゃんを応援する存在だと思ってる?違うんだよ…おれみたいにお前を"抱きたい"って思ってる奴もいるんだよ」

「抱くって…?」

「UTAちゃんの柔らかい体をぬいぐるみのように抱き寄せたり、キスをしたり それから……」

「やだぁ!!離して!!」

「おいおい まだ全部言ってないぞ?もしかして…想像した?」

「やだやだやだ!!!!初めてのキスはルフィにあげるって決めてたのに!!!!」


「____そいつはいい!!おれがお前の初めての相手になるってことか!!」

「離して!!誰か助けて!!!!」

「呼んだって来ねェよ 悪いお口はキスでチャックしましょうねェ〜」

「ルフィ!!!!」

「だから来ね〜って____」

ガッ!!!!


「____ルフィ…ありが……」

安心したら意識が薄れて……

「…ウタ!!____」



「お前!!!!」

何度でも何度でも……男の顔を殴り続ける拳の感触が柔らかくなるまで彼は彼女を傷つけた男に制裁を与え続けた

"ぬちゃり"粘り気のある液体を殴る音と感触がした時ようやく彼は正常な判断を取り戻した


「これでおれは殺人犯か」

「____もう…ウタには会えないな」


血塗られた手を拭くことなくルフィは彼女を抱えてウタの家へと向かった


「殺人鬼の手で触ってごめんな…家に着いたらすぐにあの男に付けられた垢ごと洗い落としてやるから…」


「__そうしたら おれたちはお別れだ」


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「____ん…うぅ……」

ここは……わたしの部屋

部屋着に着替えてあるし、風呂上がりのように体がポカポカしている

……机に手紙?


「________________

ウタへ

ごめんな お前のことを守りきれなくて

あの男のことなら気にするな

もう二度とお前の前には現れないから


あいつは死んだ おれが殺した

だから▓▓▓▓▓▓▓▓おれのことは忘れてくれ

こんな殺人鬼のこともあの男のことも全て忘れて 今まで通り笑顔で楽しく生きてくれよ

▓▓▓▓▓▓▓▓


忘れてくれって言ってるのにこんな手紙を残すなんてバカだよな でもお前もよく知ってる通りおれはバカだから こんな不器用な真似しかできねェ


じゃあな 世界一の歌姫になれよ

ルフィ

________________」


「____ばか!!!!」

部屋着の上にパーカーを着こんだわたしはあの裏路地へと向かった


既にその場は救急車とパトカーと野次馬で埋め尽くされていた

野次馬の先にはエンジンをふかし今にも出発を待ち望むパトカーが一台


「ルフィ!!ルフィ!!」

届かない わたしの声は彼には届かず 否 届いても無視されたのだろう わたしが人生を狂わせてしまった彼を乗せたであろうパトカーは殺人現場から出発した


何も知らない野次馬たちがルフィのことを攻撃的だの危険人物だのと罵る

____あいつはわたしを守っただけなのに

「____嫌いだ」

何も知らずに彼を罵る野次馬も、彼を事件の殺人犯として扱う警察も、彼にこんな人生を歩ませてしまった自分自身も


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行間

大学一年生モンキー・D・ルフィ(19)

彼は過剰防衛による殺人の罪で懲役5年を言い渡されたのだった

本来なら未遂に終わった被害者の男が犯そうとした罪の大きさにより懲役3年ほどになる予定だったが、罪の重さを理解していたからか彼は裁判所にて減刑に難色を示しそれ拒んだのだった



____また彼は刑務所に入った後、全ての面会を拒み続けていたようだ


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そして5年後……


彼は景気を終えて刑務所から出所した

そして刑務所の入口でその彼を待つ者がひとり。


「____おかえり ルフィ」


「____人違いだ……」


「そんなわけないでしょ!!あんたは_」

「__早く帰った方がいい、ここはお前のような綺麗な人が居るべき場所じゃない」


「____だからわたしの面会を全て拒否したの?」

「何の話だか……」

「ルフィ!!!!」

「____離して」

「離さない わたしの幸せを願うならわたしと一緒にいて!!」

「あんたがいない5年間よりもいま話し合えてる数分の方が幸せなんだから!!!!」


「____ぐっ…うぅ……」

「いいのか? 殺人犯のおれが一緒にいても…」

「バカ 言わなくてもそんなの分かりきってるでしょ?あんたはどうなの?殺人犯だからってわたしから逃げ続けて…本当の気持ちはどうなの?」

「おれは____」


「ずっと一緒にいたい!!一生一緒にいてお前を守り続けたいよ!!!!」

「そんでずっと幸せに暮らしてェよ」


「良かった ならさ…一緒にいよう」

「__いいのか?嬉しい ありがとう!!」


彼女の愛から逃げられることなどなく、彼は5年も変わらない彼女の思いを受け取り、彼も刑務所生活で一切色褪せる事がなかった彼女への思いを伝えたのだった




「そうだ…ずっと言いたかったことがあったんだ」

「あの日わたしを守ってくれてありがとう!!」


「いいってよ!!」



END






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