12&22
B3「こういうのは勝ち負けじゃないだろ」
そう言いながら私の手を握り、私の耳に口を当てる。
アクアくんの吐息がくすぐったくて、心地よくて、身をすくめてしまう。
「あかねの手は触ってて心地いい。ちゃんと手入れをしている、女の子の手だ」
こういった行為をする時、アクア君は私の体のことを褒めてくる。
体に気持ち良い刺激が走っている最中に、心まで満たそうとしてくるアクアくんは、本当に卑怯だ。
顔や体から、心地いい熱がなかなか引かなくなる。
腰を突き動かしながら、アクア君はどこか済まなそうな顔で誤ってくる。
「……悪い。リップサービス、あんまり上手くないんだよな。事実をそのまま言うしかないから」
ずーるーいー!
そういうところ、ずーるーいー!
そう訴えたかったけれど、快楽で頭が染まっている私にまともな思考ができるわけもない。
「ここ、痛くないか?」
私を優しく気遣いながら、女性器を刺激するアクアくんに、私は「うん、うん、大丈夫」と言葉を紡ぐので精一杯だ。
「ならよかった」
そんな拙い返答に、アクアくんは安心した表情を浮かべる。
……私が痛い思いをしないよう、気遣ってくれてるんだろうな。
アクアくんとの行為に夢中になっていても、それぐらいはわかった。
◆
あかねの体は目に毒だ。
胸部に至っては、豊かに弾むさまを目の前で見せつけられるので、本当に目に悪い。
「……アクアくん、おっぱい吸う?」
「ぶふっ」
思わず腰を止めて吹き出してしまう。
「いや、搾乳プレイはもうしねぇから」
「ん~? 本当かな~?」
さては余裕ができてきて、調子に乗ってるなこいつ。
「……まあ、嫌いじゃないが」
「でしょでしょ?」
「繋がってる時は、あかねの顔を見れるようにしておきたい」
「……へ?」
顔を真赤にしてほうけてるあかねの目を見ながら、お腹……子宮、至急にあたる部分を撫でる。
「ひゃあ!?」
想定外の刺激に身を捩るあかね。
お家デートの時は抱きしめるふりをして、外から子宮をさすっていた成果が出てきて何よりだ。
「感じてる顔、かわいいぞ、あかね」
「……アクアくんのいじわる」
「セーフワードが聞こえてこないので、続行するぞー」
「え、ちょ、ま――――」
何かいいそうなあかねの口をキスで塞ぐ。
だが、最近は鼻で息をすることをようやく覚えてきたのか、積極的に舌を絡めてくる。
ちょうどいい。そこまで積極的なら、今日はキスでもっと感じれるよう仕込んでみよう。
……俺があかねにしてやれることなんて、こうやって奉仕することぐらいだし。
今日もたくさん気持ちよくしてやると思いながら、俺達は繋がり快楽を貪り続けた。