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恋煩いを発症して苦しむウタ

ホンゴウが恋煩いと診断するも、ルフィ達に迷惑がかかると会うことを拒否

本音は?と聞くと離れたくない

大人気ないです、シャンクスは

何とか説得してホンゴウとベック当たりがどこかの島にいたルフィ達に会いに行って感動の再会(フランキーは号泣)

一味入りは最初は罪悪感から拒否するも、全員が気にしてないと知って入る

シャンクスに返すものが増えたと独り言のルフィ


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「はぁ〜……」

赤髪の娘はふと、自分の家とも呼べる海賊船の部屋でため息をついた

「どうしたんだウタ。最近ため息をつくことが多いな」

エレジアでの事件の結末として自分の海賊団に密かに戻った彼女は数日間は親たちと昔のように遊んで楽しんでいたが、ここ最近はやけにため息をついて壁や空を見るようになったのだ

「そう?シャンクスの気のせいじゃない?……だるいから横になる」

「そうか。腹が減ったらいつでも来い」

「……ん。」

朝食も食べれずに部屋に居座る娘に優しく声を掛けて赤髪の父は部屋から消えた


「……はぁ〜…ルフィ。」




紅白髪の彼女は今度は船の甲板に移動して風にあたり海を眺めていた

「____はぁ〜……」

「まだお腹が空かないのか?」

「……うん。」

「なら一緒に歌うか!歌えばきっと…」

「……ごめんシャンクス」


「歌う気分じゃないの」

「…………そう…か」




「お前ら!緊急会議だ!!」

赤髪の船長は幹部を広い一室に招集して娘の容態について話す

「まさかウタが歌う気分じゃないなんてな…どうすりゃいいんだ!」

「ルウのこのバカみてェな元気を分けれたらいいんだがな」

「……とりあえず食べれるようにすりゃあいいんだろ。」

ここまで黙っていたベックマンは口にくわえていた葉巻を口から取り出して解決策を提示し始める

「まずはルウに栄養のある料理を"可愛く"盛らせる。そうすればウタも食欲が湧くだろ」

「か、可愛く?よく分かんねェな」

「それでも元気が出ないならホンゴウに任せればいい」

「おれ任せかよ!!」

「おお!さすがだなベック!これならウタがご飯を食べるよう説得をする役もベックでいいな!!」

「……は?」

船長が勝手に開いた会議は船長の勝手によって終わりを迎えた



「あ〜、ウタ。飯を持ってきたぞ」

「……ベックマン。私はお腹空いて…」

空いていないと言おうとしたが、可愛くカラフルに盛り付けられた料理を見ると彼女は今日初めて目を輝かせて手に受け取った


「可愛い!いただきま〜す……んぅ、おいしい!おいしい!」

(良かった 食べてくれたか)

「食べ終わったら念の為ホンゴウのとこに行って異変がないか見てもらおうな」

「…んむっ…うん!」



可愛いものを見て美味しいものを食べて た事で元気を取り戻した彼女はその足で医務室に向かった


「ホンゴウさん来たよ」

しかし時間が経ったからか、その元気は無くなってしまっていた

「おお来たか!そこに座ってくれ」

船医のホンゴウはベッドに娘を座らせて診察を開始した


「……どこにも異変がないな。心の問題か?」

「ウタ お前なにか悩んでいることとかあるか?」

「……う〜ん。悩んでることか…」

「無いのか?考えていることとかは?」


「え〜っと、考えることはあるかな」

「何をだ?」

「最近はルフィの事がね、一日中気になるんだ。それしか考えられなくて…気が落ち着かなくて……へ、変かな?」

「…………」



「はい集合!!みんな集合!!」

今度はホンゴウが船長と幹部を部屋に集めて会議を始めた

「おおホンゴウ、ウタの容態についてなにか分かったか?」

「……ウタは……おれたちの娘は…」

「……まさかそんなに酷いのか!?」


「ルフィに恋に落ちた」

「「「………………」」」


「嘘だ!おれたちの娘はまだ可愛い子供だぞ!恋なんてするわけが無い!!」

「こんな日が来るとは覚悟してたが…実際に来ると衝撃で意識を失いそうだ」

「「知らない男じゃなくて助かったがな!」」


「どうする?あの症状はルフィに会わない限り良くならないぞ」

「ならルフィに会いに行こう!みんなもルフィに会いたいだろ?」

「そうは言ってもなルウ。おれたちにはあいつとの約束が……」

「もうルフィは立派な海賊だ!会いに行ってもいいだろ?」

「……会いに行けないのはお頭だけだろ。ならお頭以外が連れていけばいい」

「……えっ。おれだけお留守番か?」




「なぁウタ。……ルフィに会えるとしたら…会いたいか?」

「ルフィに!!ベックマン!!ルフィに会えるの!?」

「…会いたいようだな。…いいんだぞお前がルフィの仲間になって一緒に旅をしても。お頭もいいと言っている」

(嘘だけどな)

「えっ……でも…私なんかが仲間になってルフィの邪魔にはなりたくないな」

「ルフィとルフィが選んだ仲間たちだぞ?お前のことをそんなふうに扱う奴はいないさ」

「ルフィとずっと一緒にいたいんだろ?これはチャンスだ。どうしたい?」

「……一緒にいたい。」


「ルフィと一緒にいたい!」

「____そうか。なら連れてってやる。」

「いいの!?やったー!!」

「……まったくルフィの話になると元気になるな」





____そして船長シャンクスを除いたメンバーで赤髪海賊団は麦わらの一味の前に現れる

幹部の面々が成長したルフィとの再会を喜んでいるとさらに奥から一人の女性が顔を出した

「____お前!!」

「嘘っ!?」

「あ…あぁ……」

その人物を麦わらの一味は幽霊でも見ているかのような目で見つめていた


「ルフィ 久しぶり」

「ウタ〜!!」

「うおおぉ!!ルフィおめェ!良かったな〜!!」

「生きてた…ウタは生きてた!!」

彼の仲間は声を上げて喜び、その大半は嬉し涙を流した


「____ルフィ。また会えてよかった!そろそろ私たちは戻るね」

「おい待てよ!まだ会ったばっかじゃねェか!もう少し……」

「それじゃ……」

「待て」

彼らに背を向けて前から去ろうとした娘をベックマンは手を握り引き止める

「一緒に旅したかったんだろ」

「____だめだよ。好きな人の夢の邪魔は出来ない」

「その言葉はおれに言わずルフィに言ってやれ」


「……」

少女は誰にも見せない暗い顔を、先程までと同じようで少し違う無理した明るい顔に変えてルフィの前に向けた

「……ルフィ。私…あんたと一緒に旅してもいいかな?」

「いいに決まってんだろ!おれもみんなも大歓迎だ」

「そうよ、仲間になるなら私たちは誰も拒まないわ!」

「船長のワガママに慣れてるお前ならすぐ馴染めるだろうよ。」

誰も拒む者はいなかった。彼女を優しく迎え入れる優しい人物しか麦わらの一味にはいないのだから


「ルフィ。ウタを…おれたちの娘を頼んだぞ」

「ルフィ〜ウタ〜元気でな〜!」

二人を古くから知る赤髪海賊団の幹部は大きく手を振り二人に背を向けて海賊船に戻った


そしてその様子を遠くから見るものが一人


「……ルフィ。帽子の他に返してもらうものがひとつ増えたな。」

「おれの大事な娘だ。あいつを泣かすようなマネはするなよ」


END


おまけ


「……」

夜の見張り当番のルフィはつまらなさそうに海と星を眺めていた

「……隣…いい?」

「ウタ〜!おう座れよ!」


「お星様。綺麗だね」

「そ〜だな〜。でもお前の方が綺麗だけどな」

「……へ?」


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