>>12 一人ファッショー
ある日のサニー号船内
ルフィはウタに連れられて彼女の部屋に入った
「なァ見せたいものってなんだよ?」
「じゃあ目を閉じて後ろを向いて待ってて」
彼が律儀に後ろを向いて目を閉じている間にバタバタと何かを開け閉めしている音が部屋に響いていた
「お待たせ!もう振り返っていいよルフィ 」
「今日はこれから出る番組用の服をルフィに見てもらおうと思うんだ!」
「で…どう?かわいいでしょ!」
彼女は上機嫌で彼に聞いたが対してルフィの感想は……
「ん〜…いつもとなにかちがうのか?」
「……え?」
「ちょっと!いつもと全然違うでしょ!もっとよく見てよ!!」
上機嫌だった彼女は少し怒ってしまった
そしてその理由をルフィは理解できなかった
「……あ!分かった!!」
「やっと!?…」
「ああ!!アームカバーの色がいつもと違うな!!」
「確かにそこも変わってるけどそれ以外にもわかりやすい場所あるでしょ〜!!スカート部分の柄とか!!」
「あ そっか!!そこもあったな!!」ししし!
「……次はもっと変化のある服を着た方がいいわね」
いつの間にかウタの目的は自分の服装の感想を聞くことではなく、いつもの服装と何がどう変わったかをルフィに聞くことになっていた
「じゃ〜ん これなら分かるよね?」
「これは簡単だな!」
「でしょ!さぁ…どこがどう変わったか教えてよ」
「アームカバーの色が緑色に変わったな!」
「違う〜!!たしかに変わってるけど違う!!!!」
「なんだ?そこ以外も変わってるのか?」
「……もうこの服の事はいいよ…次の服はちゃんと変化に気づいてね……」
ウタは少し悲しそうにルフィに背中を向けてクローゼットへと向かった
「____これで最後…違いに気づいてよね」
「……ん?」
何か異変を感じたルフィはウタの体に近づいて何かを探すかのように彼女の体を色々な方向からまじまじと見ていた
「ル…ルフィ…///近い……」
新しい服装を見て欲しかったというのにいざまじまじと見られると彼女は恥ずかしがってしまった
「あ〜!!あった!!」
ウタの左腕を見ていたルフィは探しものを見つけたようだ
「な…なにが?……ソレトカオガチカイ」
顔を赤らめながらも彼女はルフィに何を探していたかを問いた
「ししし! 内緒!!」
「…は〜!?ちゃんと教えてよ〜!!」
「や〜だね!! べ〜!」
怒っているウタをからかうようにルフィは子供のように彼女を小馬鹿にして”満足そう”に部屋から出ていった
「……もう…なんだったのよ……結局違いはアームカバーの色しか答えない……あっ____」
「……そういうことね…安心してルフィ…あの”マーク”はわたしの宝物だから絶対に外さないよ」
ルフィはずっと彼女の服装の違いに気づいていた
____だからこそあのマークが服の装飾から外れてしまっていないか心配になっていたのだろう
____だからこそルフィはアームカバーに関してしか答えないしジャケットに新時代のマークが描かれていたのを見て満足そうに部屋を出たのだろう
END