12年ぶりの感覚
「あははは!くすぐったい!やめてぇ!!」
ここは、麦わらの一味が考古学者、ニコ・ロビンの自室。何やら今は、けたたましい笑い声が響いているが…
「あら、もうギブアップ?あなたがくすぐってほしいって言ってきたのに。」
そう言って、ロビンは笑い声の主、ウタから生やした無数の手を消し去る。
「はー…はー…!もう、あんな全身をこちょこちょしてとは言ってないよ!…でもありがと、とっても懐かしい感覚で楽しかった!」
ウタが思い出すのは、12年ほど前のルフィとの勝負。内容はくすぐり勝負で、勝ったり負けたり楽しかったのを覚えている。
その感覚が、12年ぶりに蘇ったのだ。嬉しくないはずがない。
「…何なら、もっと激しくしてあげられるけど?」
そう言って、ロビンは再度ウタの身体に無数の手を生やす。どうやら興がノってきたらしい。
「ちょ、待って!流石にこれ以上…あああっ!?」
その日、ウタはもう存分笑った。12年分…否、下手したらそれ以上分に笑った。無論苦しくもあったが、ウタにとってはその苦しみさえも、“喜び”なのであった。