>>119 合体
『多分これが一番ルウタだと思います』
「ウタ!おまえウタだろ!!」
「ルフィ!?ルフィーー!!」
“空想を現実に変える”悪魔の実の能力者であるルフィと“現実を空想に変える”悪魔の実の能力者である両者が、覚醒状態で抱き合った。
「離したくない」「一緒にいたい」「相手に見合う存在になりたい」「知識や体験を沢山共有したい」そういった思いのままウタワールドでハグという形で繋がった二人は、1つの身体に2つの心を持つ合体戦士ルウタとなっていた!
「…………え〜……」
知識も記憶も感情も人格も全て統一されてしまった彼(♀)の取る選択とは?彼女(♂)の辿る結末は?新時代計画の行く末は?というかそもそも戻れるの?てかオリキャラ化してね?
誰も知らないコンサートの幕がいよいよ上がる
「____もしかして……」
ライブ会場で主役の歌姫が自分の幼馴染に似ていると判断したルフィは興奮して心臓の音が高鳴っていた
「____やっぱりそうだ!!ウタ…お前ウタだろ!!!!」
その言葉には”ドッドッドッ!!”という高鳴る心臓の音が混ざっていた
「____!!!! もしかして……ルフィ!?」
対して歌姫の方も彼の正体がわかると体からオレンジ色の蛍の光を体から放出し始めた
そしてそんな”異常”な二人は抱き合った
____離したくない 離れたくない
__一緒に居たい いつまでもどこまでも
___思考も体験も全て共有したい
___たとえそれが辛い体験だろうと…
その願いからか、ルフィの身体が溶け始めてウタの身体と混ざり合い…ウタの髪色の赤の部分が白くなった
「____何これ」
それはこの未知の状況に対してだけでは無い
「何この辛さ!?…苦しい……心が痛い」
「ウタはなんでこんなに辛い思いを……ルフィは辛い思いをしても乗り越えてきたんだね……あああぁぁ!!!!ごめんなさい!!あの日帰れなくてごめんなさいぃ!!」
心が混ざった影響か、彼女の心の化身にはルフィとウタというふたつの心が宿りそれぞれの心は互いの辛い思い出を受け取っていた
観客や彼の仲間は近づけない
彼女の心が激しく揺れると自動防壁とも思える壁が突如会場に現れ、声をかけることすら出来なくなってしまったのだ
「あああぁぁ……ルフィ…ごめんなさい__おれのほうこそもっと早く逢えてればこんな重荷背負わせずに済んだのに」
「ウタ…だからってこの世界に閉じ込めるのは間違い_違う!!これこそ新時代なんだよ!!……ルフィの新時代の方がいいのは分かるんだけど今も苦しんでいる人達がいるんだよ!!その人たちのためにも…今日で新時代を作らないと」
「____お前の覚悟は分かるよ…でもよこのやり方じゃ全員は救えない____分かってるよ…分かってるよ…」
「____なんだか落ち着くな…お前の心音が子守唄みたいだからか?_ルフィ…私も落ち着いたよ さっきはごめんね いきなり怒鳴って_いいよ……シャンクス来てくれるといいな」
「__うん…」
「ルフィ……____ウタ……」
「しばらく…このまま……二人きりで」
突如彼女(?)の姿がライブ会場が消える
再び現れるは歌の世界のフーシャ村
その森にある風車小屋であった
「わたしたちのステージ……」
「新時代が完成したらここもライブ会場にしたいな……」
二人が辿る結末は
____永遠の魂の共有か
____それとも再来する別れか
それは誰にも分からない
END