>117 救世主が本音で話せるはずだった相手
ウソッチョたちが船上で配信を見てるのに興味を持ってよくよく見たら幼馴染で、向こうも気づいて配信が終わった後に個人的な通信で連絡取り合うってのも見たい
前スレ33に似てるけどルフィ側は配信しないってことで
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「おっほ〜!!いい歌声だな!!」
ウソップとチョッパーはある配信者を知って以来、部屋にこもりその配信を見ることが多くなった
今日も今日とてその歌配信を電伝虫を通じて見ている
後ろから近づく者に一切気づかず
「お前ら何見てんだ〜?」
麦わら帽子が良く似合う男。麦わらの一味の船長、ルフィだった
「おっ!ルフィも見るか?」
「歌姫ウタの配信を!」
「ふ〜ん」
その配信者の名前も称号も気にならないルフィは二人の頭の間から顔を覗かせて壁に映された映像を見たのだった
「……おれこいつ知ってるぞ」
「えっ!?」
「ルフィの知り合いなのか!?」
「そうだ!こいつはな シャンクスの娘なんだ!!」
衝撃の事実に驚愕した二人を無視して、画面の向こうの人物を昔から知っている彼は、楽しそうに歌っている彼女の姿を嬉しそうに見続けた
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彼女の歌配信が終わるとルフィはウソップたちから教えて貰ったウタの連絡先に電話を掛けて話をしようとした
「……おっ 繋がった!!」
「こんにちは ウタだよ〜!今日はどうしたのかな?」
「ウタ〜!!久しぶりだな!」
「…あっこの声!あんたルフィでしょ!!」
「そうだぞ!あれから成長して歌姫になれたんだな」
「…うん。まぁ……頑張ったから…ね」
「どうした?なんで辛そうなんだ?」
「……疲れてるだけだよ。それよりルフィは何をやってるの?」
「海賊に決まってんだろ!今だって海の上だ!!」
今までで一番嬉しそうにルフィは語った
「……海賊…か」
「そうだ!!久しぶりに会いてェからどこの島にいるか教えてくれよ!!」
「……ううん いい。ルフィにはルフィの冒険があるでしょ。私はあんたの邪魔をしたくないの」
「……そうか。ならさ!こうやって話すだけならいいだろ!!お前の配信が終わったらこうやって話し合わないか?」
「うん それならいいかな!!」
歌姫の口調は元通り明るくなり、彼との約束を交わした
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「__それでね!今日もその人たちに歌声を届けてあげたんだ!!そしたらね、ありがとうって生き残った島の人全員がお礼してくれたんだ!!」
「それは良かったな!歌を届けるウタはそいつらのヒーローみてェだな!!」
「……ううん。救えてないからヒーローなんかじゃないよ。その人たちに服も食べ物もあげれない私なんかが…ヒーローだなんて……歌じゃお腹は膨れない」
「…お前は考えすぎるんだよ。もう少し気楽に……」
「なれる訳ない!!今もこうしている内に海賊に襲われる人がいるんだ!!楽しいこと、大切な人を奪われているんだ!!____あっごめんね。ルフィに八つ当たりして……ルフィに言っても解決できないのに。これじゃあ私も私に縋るファンの人たちと同じだね」
____いや、私なら解決出来る。今の私の知名度と電伝虫を利用すれば……
「ごめんルフィ!!いい案が思いついたから今日は切るね。今日も相談に乗ってくれてありがとう!!」
「そんなのいいっ……もう切れてる…」
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「……おっ!!ウタか?あれ以来何日も連絡してくれなかったよな。何かあったのか?」
「ちょっと"ある計画"をね。それよりルフィ。私今度デカいライブをする予定なんだ!ルフィたちにもぜひ来て欲しいからライブ会場のエレジアまで来て欲しいんだ!もちろん特等席を用意したから!!」
「おれたちはいいけどよ、いいのか?おれたちは海賊なんだぞ。お前のファンはみんなおれたちみたいな海賊が嫌いなんだろ?」
「黙ってればバレないって!いいから来てよ。私の初の大舞台なんだから!!」
「そうだな!なら行くよ エレジアに!!」
「良かった。じゃあ次はエレジアで話そうね」
「おう 楽しみにしてるからな!!」
「……ルフィ。新時代を創る勝負」
「私の勝ちになりそうだね」
END