>113 タイトル思いつかない

>113 タイトル思いつかない


むーっ……

フーシャ村からシャンクス達が去ってから数日後に謎の夢(微弱な見聞色)でウタの現状を見て、ガープにダダンに預けられる代わりに先にエレジアに連れて行け(連動エピソードでガープは知っている)と懇願するルフィ


根負けして連れて行って再会、ガープが真実の電伝虫を見つけて視聴してる所をウタに見つかって自殺しそうな所をルフィが見つけて説得、ガープも内容からウタに罪はないと判断し、目を瞑って電伝虫は廃棄


立ち直ったウタがエレジアの復興のため残ると言い、ルフィが成長して村から旅立ったら迎えに来てと約束


あとは原作通りダダンの下で育てられて出航、迎えに行く


ゾロとかあたりは仲間に加えた後でもいいかな

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____赤髪海賊団が去ることで静けさを取り戻したフーシャ村の丘の上で寝そべってどこかから運ばれる風を肌で感じていた


「____静かだな……」


そこは目を閉じてしまえばすぐに眠りについてしまうほど安らかな草原だったため、目を閉じたルフィは眠ってしまった



____なんで


これウタの声だ なんでこんなのが聞こえてくるんだ


____なんで……

今度はあいつの姿も見える……なんで泣いてんだ


____なんで私を捨てたの!!!!

え!!?


____シャンクス…なんで……なんでこの"エレジア"に置いてけぼりにしたの

なんだよ……なんなんだよ これ……


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「はっ!!!!」

あれは夢だったのだろうか

夢ならウタがあんな思いをしていないと喜べるが、おそらくあれは夢ではない


目が覚めても胸に焼き付いている

彼女の涙も泣き言も全て


「"エレジア"にいるって言ってたな 行ってみれば分かるのかな」


しかし彼は船も航海術も持ち合わせていない

持っているとすれば……


「ルフィ!!!!」


「げっ!じいちゃん!!いつ帰ったんだよ」


「ついさっきじゃ!!それよりお前 赤髪と随分仲良くしてたそうじゃな あいつらは海賊で海軍の敵!お前の敵なんじゃぞ!!」


「だから!!おれは海軍にはならねェっていつも言ってんだろ!!」


「じいちゃんに向かってその口はなんじゃ!!!!」


「ぎゃ〜!!ごめんなさい!!」

片足を捕まれ宙に吊るされると少年の頭に血が登った

そうなることで少年はあるアイデアを思いついたようだ


「そうだ じいちゃん おれさっき変な夢見たんだよ 夢の中で____」

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「____だから"エレジア"に行って確かめたいんだ! それに今行かなかったらおれ 悔いが残る!!」


(……赤髪が自ら滅ぼした国に自分の娘を置いていった……? あんな国では修行場になりえんじゃろうし………これは海軍としても調べる必要がありそうじゃな)


「よし分かった!!じゃが帰ったらわしの言うことを聞いてこれから山で過ごすんじゃ いいな」


「それでもいい!!!!あいつに会えるなら」

先を考えず今を優先する事にしたルフィは祖父と共に休暇用の船でエレジアへと向かったのだった


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数日かけて船は目的地に到達した


「ここが"エレジア"か〜」


「まだ随分煙臭いのう 本当にお前の友達はここにおるのか もう一人の生存者と一緒に他の島に行ったんじゃ……ん?」

鼻をつまみながら辺りを見渡すガープの目にあるものが映った

それは巨大なエレジアの城の三階ほどの窓にかけられていた洗濯物であった

周りの光景から見れば異色と言う他ない傷んでいない綺麗な衣服がそこに吊るされていたのだ


「あそこか」


「そういえば夢の中のウタは窓から海を見てた きっとあの城から見てたんだ!」


目的地を見つけた二人は住居の壁の欠片が散らばった通路を歩いて向かった


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「……」

「…ウタ ご飯ができたよ 一緒に食べないかい」

「…ありがとうゴードンさん。でも今日はお腹空いてないから…」


「そう言って昨日の夜も食べていないじゃないか 食べないと力が出ないよ 」


「…分かった 下で待ってて」


彼女に前向きな言葉をかけることが出来ない自分を悔やんで元国王ゴードンは音を立てながら扉を閉めたのだった


階段を下りると彼はテーブルに料理を運んで彼女の来訪を待ち望んだ


そこへ……


「おーい 誰かおるか?」


城に響く大声が配膳中のスープと共に彼の背中を震わせた


「……誰だ」

怯えることなく料理をを置いたゴードンは音のなる方へ赴き客人と相対する


「わしはガープ こっちは孫のルフィ」


「よっ」

ガープに服を掴まれて持ち上げられることでゴードンと同じ目線に立ったルフィは城の入口で軽い挨拶をした


「ガープ……どこかで聞いたような…」


この国は少し前まで平和で滅多に海軍の世話にならなかったため海軍の英雄の名はこの国の人間には轟いてはいなかったのだ


「それよりおっさん この島にウタは居るか?」


「!?…………君はウタの友達かい…?」


「ああ そうだ!!ここに居るのか!?」


この少年の喜びようを見る限り彼女の能力を悪用しようとする人間では無いと知ったゴードンは彼らを料理が並んだテーブルに座らせてそこで待つよう頼んで、自分は階段を上がりウタの部屋へ行き "ルフィ"という少年が君に会いたがっていると伝えると部屋から飛び出した彼女に押されて一緒に階段を転げ落ちた


「いてて……あっ…ルフィ……」


「ウタ!!やっぱりここに居たのか!!!!」


孤独に囚われた少女の目に光が舞い戻る


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紅白髪の少女は父親に捨てられた日の事を話そうとしたが、弱い姿を見せたくない好敵手である少年の前だというのに泣き出してしまい上手く喋れずにいた

そこで代わりに話すよう泣きじゃくる少女に頼まれたゴードンは重い口を開き何度も言葉が詰まりながらも事の全容を語った


「____そして海軍の追跡を振り切って"彼ら"は海の向こうへと消えていったのだ」

国を滅ぼした赤髪海賊団を憎まずに、むしろ親しげに語る彼に対して、皿に乗った肉を齧るガープは違和感を持っていた


「これがウタがここに住むことになった日の全容だ」


話し終えると誰も何も言わなかった

ゴードンは皆に背中を向けて奥歯を噛み知り、ウタはその日を思い出して表情が再び暗くなり、ルフィはシャンクスがやったことを信じられずにいたが否定の言葉を切り出せず、ガープは未だ自分の収めていた国を滅ぼした海賊を親しげに語ったゴードンの喋り方に疑問を持っている


一同が何も喋らず目の前の料理に手を付けない時間が続くとガープは気分転換に浜辺に出ると言い、所々壁に穴が空いた城から抜け出した


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ルフィの祖父は浜辺を歩きながら知り得た事を頭の中で整理している


実はゴードンの語り方以外にもガープが難色を示した情報が彼の話の中にはあったのだ


(歌が上手な赤髪の娘……トットムジカ…赤髪が滅ぼしたというのは信じられんかったが出ている情報をまとめると辻褄が合ってしまう)


(あの娘がパーティの中、トットムジカを歌ってしまったことで魔王が現れ赤髪海賊団が迎え撃ち交戦。魔王が街を焦がし市民は全滅。奴らに守られていた元国王と魔王に取り込まれていた少女だけは無事だった。…娘を置いていったのは罪を赤髪が被るためじゃったということか)


(証拠はないがこれで説明は……む?)


砂を蹴り歩いていると石とはまた違う何かを蹴った感覚がつま先に伝わった

それは映像を記録できる電伝虫だ


「なんじゃ なんでこんなものが砂浜に」

それを拾い上げると日陰に電伝虫の目を向けて記録されていた映像を流した


「これは____」

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……彼の推理は合って"しまっていた"

映像には魔王の攻撃によって燃え盛る街と人"だったもの"。その魔王に向けて"ウタ"と叫ぶゴードンや市民の声。それに立ち向かう赤髪海賊団の姿


間違いなくその映像は先程の彼の推理を証明してしまうものであった


「____海賊の子は報われんのか…」


……さらに酷なことに浜の影に映していた、その映像を見ていたのは一人だけではなかった



「そっか 悪かったのは私だったんだね」


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ガープが城を出たあとに続いてウタも外の空気を吸いたいと言い城から出ていたのだ

麦わら帽子を被った少年のルフィに"一緒に行く"と言われたが一人になりたいと強く言うことで彼を振り払った

城を出る際振り返ると少年はぽつんと椅子に座り続けていた


「____強く言ってごめんね」


少女は城を出ると城の周りを歩いていた

城は丘の上に建てられていたためここからでも海と荒れた国の全容が見えてしまっていた

……海が見えれば当然 砂浜も見える


「……あれはルフィのおじいさん 手に持ってるのは何なんだろう」


少年の祖父が日陰に移動したためそれに合わせてウタもそれが見える位置に移動した

少女が近くの建物の壁に隠れた頃には映像が流れていた

それは彼女にとって目を疑う要素しか無かった


「……」

焼き焦げる街。変な姿をした巨大な化け物。それに自分の名を叫ぶ見知った顔の人々。

"気をつけろ!ウタという少女は危険だ"


この一言で全てが繋がってしまった


____あの日見た変な夢は私がやった現実だったのか


「そっか 悪かったのは私だったんだね」


国民や親達への謝罪と自らの罪を精算するために…逃げるために少女はその場から飛び降りて自殺しようとした

丘から随分降りたため崖から地面まで二階建ての住居の高さであったがそれでも今の彼女なら死ねるだろう


少女は迷いなく"先の無い地面"に歩み、落ちた



____もしも彼が居なければの話だが


「何やってんだよ!!!!」


「…………ルフィ…」


____________


少女に拒絶されても少年はウタを一人にさせたくなかった

だからバレないようにこっそり後ろをつけていたのだ


おかげでルフィは飛び降りた少女の足を掴めた


「ルフィ 離して!!私は死にたいの!!!!」


「いやだ!!今死んだって何にもなんないだろ!!」


「だからって生きてたらもっと悪いことになる!!私は生きてたらいけない人間だったんだ!!!!」


宙吊りの彼女は足を掴んでいるルフィの手をもう片足で蹴っていた


「おれは!!お前に生きていて欲しい!!シャンクスだってそうだ!!お前に生きて欲しいからここに置いてったんだ」


「なら!!私はここで生きたとして何が出来る!?国を滅ぼしたこんな私に何が!!」


「そんなもん!!」


「生きて自分で見つけろ!!!!」


力いっぱい腕を振るって

少年は少女を崖の地面に引き上げた


「はぁ……はぁ……」

「……くっ……うっ……」


少年は垂れ流れている汗を拭き

少女は止まらぬ涙を拭き続けた



「……ルフィ 私もう少し生きてみるよ」


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「……これはもう二度と見れんようにしないとな」

二人のやり取りを遠くから見ていたガープは電伝虫を地中深くに押し込み、上から土を埋めて隠した


事件の真実は地中深くに隠された

これでは他の海軍に知られることは無いだろう

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休暇が終わる前にルフィを送り届けるためにもガープは一日も経たずにでここを経つつもりだった


それを出迎えるのはゴードンとウタであった


「ウタは着いてこないのか?」


「うん ここでやりたいことが決まったから」

「そっか!それは良かった!!」


「それとさ…ひとつ約束してくれない」




「あんたが海賊になったら迎えに来て」


「いいぞ!!すぐに迎えに行……痛っ!!」


「じゃから!!お前がなるのは海賊じゃなくて海軍じゃろうが!!!!」


少年の麦わら帽子の上にたんこぶを二つ作ってから、ボロボロのルフィを担いでガープは船に乗船した





船が海の果てに消えるまでゴードンとウタは手を振り続け見送った


「ウタ ルフィ君に言っていたやりたいこととはなんだい?」


「それはね____」


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____10年後


「……あのさ ルフィ」


「遅い!!!!」


"メリー号"で迎えに来たルフィにウタはいきなり平手打ちをかました


「すぐに迎えに来てって言ったよね!!もう賞金首になってるのに!!」

彼女の手にはルフィの手配書が握られている


「悪かった。でもこの島が"偉大なる航路"にあるなんて知らなかったんだ」


「もういいから 行くよルフィ!!」


彼の首根っこを掴んで引きずりながら紅白髪の彼女は船に向かって歩いていた


「……ウタ」


「この国 綺麗になったな!!」


引きづられていると彼の目には新しい国の姿がよく映った

それは以前の瓦礫の山とは違い、住居が並び立ち人が住み着いている



「そりゃあ生きて頑張ったからね」


彼女は生きる

常に目標や夢を心に抱いて









END

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