>106 ごしゅじんさま

>106 ごしゅじんさま


「……クゥーン」

____朝か ご主人様を起こさないと

「ワンワン!!ワンワン!!」

うーん…ご主人様が起きてくれない

こうなったら……

「……ぺろぺろ」

可愛い寝顔を私の唾液まみれにしちゃった♡


____やっと起きてくれた

あはっ♡ほっぺたこねてくれる♡嬉しくて笑顔になっちゃうなぁ♡



ご主人様がご飯を作ってくれる間に服を用意しないと

タンスを開けて……今日はこの服でいいかな

さてとキッチンに____


…ご主人様と一緒に眠ってたベッド

匂い嗅ぎたい シーツの温もりを感じたい 体を転がしたい……

我慢しなきゃ…ご主人様に服を届けないといけないのに……


「わんっ♡」

無理無理!!我慢できないよ♡ルフィの匂いが消える前に堪能したい♡

えへへ♡ベッドで転がるのやめられない




____ご主人様が呼んでる 料理が出来たんだ 服を届けてあげないと



四本足でキッチンに着いたらご主人様の目の前に口で咥えていた服を置く

そうするとル…ご主人様が私の頭なでなでしてくれてる♡嬉しい♡嬉しくて本物のワンちゃんみたいに舌出ちゃってる♡

「ハァハァ…ハァハァ……♡」



ご主人様の生着替え…襲いた___

____待ての命令されちゃった…


____えへへ♡"待て"ができたからご主人様に抱っこして貰えた♡ご主人様の隣のイスで食べる朝食はたまらないなぁ

食べやすい卵料理 犬食いしやすいから助かるなぁ


「わん♡」

ご主人様に美味しかったと伝えるために空のお皿を見せてひと鳴きする

今日も手料理美味しかったよ ルフ…ご主人様♡



____うん…ルフィが仕事に行くから今日も留守番だ

悲しいけど仕方ないよね

「クゥーン……」



____あっ…ハグして頭にキスしてくれた♡ここまでされたら笑顔で見送るしかないね


「わんわん♡わんわん♡」

笑顔で私は出かけるご主人様を見送った




____さてと ご主人様が帰ってくるまでに家を綺麗にしないと

裸だから少し肌寒いけれどそれでも生まれたままの姿で掃除を始める

そうすれば帰ってきたご主人様がなでなでしてくれる

えへへ♡想像したら今から楽しみに……


"ピンポーン"

「ひっ!!」

やだ…外の人……怖い……


怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い

早く鳴り止んで…ピンポン押さないで…





____やっと鳴りやんだ……もうやだぁ……怖い 怖いよぉ


恐怖心を抱えつつも私は身の回りの掃除を続けた

次はお皿の片付けだ


____あっ!!手が滑っ……


パリン!!!!


あっ……割っちゃった お皿割っちゃった

皿を割った悪い子がご主人様の手で外に締め出されるって映像をテレビでみたことがある


やだぁ…締め出されるのは……ルフィに嫌われるのはぁ……

私は頭を抱えてその場で蹲って泣き出してしまった





____私がこうなってしまったのは外用の服を着て、ルフィと昼の公園の散歩に行ってからだ


「ウタ トイレ行ってくるからここでいい子に待ってろよ」

「わん!!」

ルフィの物だと分かるようにルフィ直々に付けてもらえた首輪のリードを離された私はトイレのすぐ側でルフィの帰りを待った


すると"いかにも"な格好をした男たちが寄って集ってきた

私はルフィだけの犬なのに勝手に髪や肩を触られる……やだ…気持ち悪い

「ワンワン!!!!ワンワン!!!!」

必死に吠えてもやめてくれない…

ルフィ早く戻ってきて……


ルフィが戻ってくれると集まっていた気持ち悪い男たちを追っ払ってくれた

でも私の髪も肩も……頭も…知らない男たちの手で汚されてしまった

「……クゥーン……」

駆けつけてくれたルフィに抱きついて 私は今すぐにでもお家に帰りたいと訴えた


私はルフィの胸から頭を離せずに抱き寄せられたまま、外の世界を一切見ずに温かいお家に帰った


以来私は外の世界を…そこに生きる人達を怖がるようになってしまった


________________


「……」

…怖い……怖い……



「____」


____ルフィの声 そうかいつの間にか帰ってきてくれたんだね

ルフィに頭を撫でられて落ち着くと私は素直に割れた皿の破片が散らばっている場所を見つめた


____怒られると思ったけど彼は私の体に怪我がないか心配してくれた


何があったか聞かれたから私は引き出しから紙とペンを取り出して何があったかを絵に描いて見せた

ルフィに絵を褒められても今は素直に喜べない


……ルフィは対策を即座にとってくれた

自分は仕事で疲れているはずなのに……


ルフィの優しさに私は嬉し涙を流してしまい彼の膝に寄りかかった


そしてそのまま彼の膝で夕食も食べずにご主人様と共に眠りについた

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