100回クリイキしないと戻らないカントボイスカリと巻き込まれたデイビットと引き継ぎ担当(?)トラロック

100回クリイキしないと戻らないカントボイスカリと巻き込まれたデイビットと引き継ぎ担当(?)トラロック


・ご都合主義カントボーイの呪い(?)ふたたび

・濁点♡喘ぎ

・トラロックは途中からの参戦

・相変わらず無茶振りする全能神

・快楽に弱いイスカリ

・イスシコに巻き込まれた可哀想なデイビット

・書くにあたり二部七章シナリオまだ読み返してない(デイビットってトラロックのこと何て呼んでたっけ?)

・〇〇はそんなことしない案件多数

・二次元のエロはファンタジー

OK?

「……いるか?」

 なるべく平静を装い、部屋の中へ声をかける。いる、という苛立ち気味の声を聞き、デイビットはオセロトル王の居室へと立ち入った。

「『また』か」

「それ以外で貴様の世話になぞなるか」

 既に素肌にシーツを纏うのみとなっていたイスカリは、こちらを睨みつけながらそう言う。

「それもそうだな」

 デイビットはそれだけ返すと、前回より布類を多めにした荷物をイスカリの寝所のかたわらへ置く。

「……早くしろ」

「わかっている。少し待て」

 アルコールティッシュを取り出し、手の消毒を行う。ローションの容器を傾け、掌へと取る。

 粘液が人肌まで温まるのを待ちながら、デイビットは再び『これ』を行う原因となった出来事に思いを馳せていた。



「……は?」

 テスカトリポカ──自分と契約しているサーヴァントの一言に、思わず気の抜けた声が口から出る。

「そうなるよな。オレもだ」

 朝起きたら、イスカリが再び『男性の特徴を喪失』していたらしい。イスカリ自身からの報告と、テスカトリポカ自身の手による確認(手の甲で軽く触れただけとのことだ)により、それが偽りではないと明らかになった。……対処法がおそらく、先日の『あれ』と同じであろうことも。

「ハチドリは確かにあのわけわからん生物を一匹残らず狩り尽くした。それはオマエも確認したよな、デイビット。……にも関わらず、イスカリにかけられた呪いが再び発露した。……何なんだあのデタラメ生物。何らかの欲望で生きてるとしか思えないが」

 どういう種類の欲望なのかは想像したくもないが、とテスカトリポカは肩をすくめる。その一点に関してはデイビットも同感だった。

「まあ、そんなわけでやり方を知ってるオマエにこうして頼んでるワケだが……そんなに嫌か?」

 テスカトリポカに問われる。なるべくポーカーフェイスを保っていたつもりだったが、それほど表情に出ていたのか、と我がことながら呆れる。

「それはまあ」

 ここで嘘をついても仕方がないので、デイビットはそう答える。

「身体の一部分以外は完全に男。魂はオレの倍以上を生きたとはいえ、肉体年齢はオレよりずっと下の相手だ。他の誰かと性交渉を行ったこともない。そんな相手に無体を働くことには、流石に罪悪感を覚える」

「無体じゃない、治療であり解呪だ」

 テスカトリポカはそんなふうに嘯く。「知ってるぜ?オマエが生まれる前は、治療ということで女性に性的な快楽を与えることもあったそうじゃないか。オレがこの間オマエに渡した道具もその発展形だ」

「そうか、初めて知ったな」

 そしてそれは自分には不要な知識である。そう判断したデイビットは、今聞いた情報を思考の外に追いやった。

「まあ、そんな感じだ。ってことで、ほれ」

 テスカトリポカは、手に持った荷物を手渡してくる。反射的に受け取って中を見ると、粘性の液体が入った容器やら様々な形の道具やらであった。テスカトリポカ謹製と思しき、使い方の説明書までついている。……あの日、イスカリへの『解呪』が終わった後、思いつく限りの文句と処分しておくようにという言いつけと共に突っ返したと記憶しているが。まだ持っていたのか。

「受け取ったな?」

 にやりと口の端を吊り上げるテスカトリポカの言葉に、はたと思い至る。しまった。これが目的だったか。

「安心しろ、イスカリには話をつけてある。……ってことで、頼りにしてるぜ、兄弟」

 そう言って契約者の肩を叩き、テスカトリポカはその場を後にする。デイビットはため息を一つついて、イスカリの居室へと向かうのであった。



 ふと、視線を感じる。王の居室のすぐ外からだ。そちらに顔を向けても、ここからは見えづらいところに居るのか、人影も見えない。

「……クリプター?」

 イスカリが訝しげな声をあげる。

「いや、誰か居た気がするんだが……気のせいだろう」

 そもそも今日はテスカトリポカの指示で人払いをしている。誰かがこの場に近づくなんてあり得ない話だ。

「そうか」

 イスカリはそう言うと、ぐ、と顔を顰める。しかし、そうしていてもやらなければならないことが消えるわけではないと正しく認識しているようで、ゆっくりと寝所に身を横たえ、脚を開く。

「……さっさと終わらせろ」

「了解した」

 デイビットはイスカリの足の間に座ると、ローションを纏わせた親指をイスカリの秘部へ滑り込ませる。

「ふっ……」

 イスカリが、小さく息を吐き出す音が聞こえる。

「痛いか」

「痛くは、ない……んっ、続けろ」

「わかった」

 柔い力で、小さな陰核を擦り上げる。イスカリの呼吸に耳を澄ませ、徐々に速度を上げていく。

「はぁ、はぁ……ひぅっ♡」

 ぴくり、と腰が小さくはねる。絶頂が近いのだろう。ちらりと様子を伺うと、イスカリはシーツを両手足の指できつく握り、奥歯を食いしばりながら、切なげな瞳で壁を眺めていた。

 膣の奥から、ローション由来ではないぬるつく液体が出てくる。指でその液体を掬いあげ、陰核に塗り込むようにして擦ると、

「はぁっ、あっ♡んっうぅぅっ♡♡」

 イスカリの腹の奥がきゅっと締まるような感覚がした。絶頂に達したのだろう。

「はぁ……あっ♡待っ、♡クリプター、あぁっ♡す、少し、休ませ、っ♡ひぅっ♡」

 イスカリの抗議の声が聞こえるが、構わずに擦り続ける。

「いいかイスカリ。時間がない。オレにも、おまえにもだ。遅れればそのぶん計画の遂行に影響が出る。それは避けたい。わかるな?」

「わっ♡わかって、る、♡わかってるっ♡ただっ♡これ♡つよ、い♡から♡♡」

 イスカリは両手足の指に力を込め、シーツを爪で引き裂かんばかりに強く握りしめている。自分を襲う快楽に必死で耐え、少しでも正気を保とうとしているようだ。

 こうしている時くらいは、正気など手放せばいい。その方が手っ取り早く終わらせられるから。そんなことを言ったところで、それを聞き入れる性格ではない。デイビットはイスカリをそう認識している。

 イスカリは真面目な性格だ。自分が生まれて一年で死ぬとわかっていて、オセロトルたちを導き、王として振る舞う。外見も実年齢も、まだ子供と言えるものだというのに。

 陰核を擦り上げながら、漏れ出る愛液を掻き出すように膣の入口に中指をつける。

「あ゛っ♡♡」

 未知の感覚に驚いたのか、イスカリが背中をびくりと反らせる。

「や、それ♡くちゅって♡するの♡♡やだぁ♡♡♡」

「嫌だはやめてくれ」

 手を止めずに、デイビットは言う。

「これは必要な措置だ。恨むなら妙な呪いを避けられなかった自分自身を恨んでくれ」

「ぐ、ぅ……んぅ♡」

 感度が鈍った。今の発言で機嫌を損ねたかもしれない。

 すまない、と言うのも、これから挽回すればいい、と励ますのも、どちらも違う気がして、デイビットは無言のまま陰核と膣口への責めを続行する。

「んっ、クリプター、その、ぬるって、くちゅくちゅするの♡なんか、おかしくなり、そ、で♡んっ♡はぁっ♡なんか、く、くるっ!?!?♡♡♡」

 うわごとのように言葉を紡ぐイスカリが、また絶頂する。

「絶頂を迎えやすくなるということだな。善処しよう」

 それだけ言うと、デイビットはイスカリを3度目の絶頂に導くことに注力した。



 イスカリを30回ほど絶頂に導いたあたりで、デイビットは『自分たちが誰かに見られている』ことを確信する。何らかの意思がこもった視線が、自分たちにまとわりついている感覚が抜けないのだ。

「ふーっ……♡ふーっ……♡」

 絶頂の余韻に浸るイスカリを一旦放置し、辺りを見回すも、やはり誰もいない。よほど隠密性能に優れているのか。あるいは……。

「……く、りぷたー?」

 こちらの様子を伺うイスカリを他所に、デイビットはアルコールティッシュで一旦手を清める。

「どうした、今日はその、まだ……」

「少し待て。準備がいる」

 デイビットはそれだけ言うと、持って来た荷物を漁る。確か底の方に……あった。

「……」

 それを片手に、デイビットは少し逡巡する。何が『感度が上がるらしいからイスカリがイきにくくなったら試してみろ』だ。それをしたら完全に成人前(あくまで現代基準だが)の少年に無体を働いている図ではないか。だが、今の己の推測が正しければ、手の中のこれが必要であることもまた事実であった。

「おいクリプター、何を……うわっ!?」

「悪いが、準備にもう少し時間がかかりそうだ。それを外すな。少し待っていろ」

 デイビットは立ち上がり、目隠しによって視界を奪われたイスカリを置いて居室の入り口へと向かった。

「やはりおまえか、トラロック」

 外を覗くと、デイビットの予想通り、そこには内側を青く染めた黒い髪の女性──トラロックが立っていた。

「……何故、わかったのです」

「消去法だ。おまえがいるここで王の居室に誰にもバレずに侵入できる存在がいるとは思えない。テスカトリポカが観に来るとしたら堂々と姿を現すだろう」

 トラロックは無言のまま、少し眉を吊り上げる。文句でも言いに来たのか。

「それにしても、ちょうどいいところに来た」

 何か言われる前に、デイビットは口を開く。

「……何が丁度いいのです、か」

「引き継ぎだ。オレにもやることがある。いつまでもこういう雑用にかかずらっているわけにはいかない」

 それを聞いたトラロックが、軽く目を見開いた。

「……兄様は」

「やらないそうだ」

 大きなため息をつく。テスカトリポカがやればいい、というのはデイビットが未だにこの件について抱く感想だ。ただ、デイビットの見立てによると、仮にやる気を出したとしてもイスカリ(の女陰)で遊び出して余計に時間がかかるだろう。それは時間効率的にも、イスカリの精神衛生にもよろしくない。

 その点で言えば、彼に対して気を遣っているトラロックなら、少なくとも彼の過剰な負担になる行動を取ることはしないだろう。

「……わかりました、受けましょう」

「助かる」

 デイビットは彼女を部屋の中へ招き入れようとし、ふと立ち止まる。

「ああ、始める前に注意しておくことがいくつかある」

「何です」

 デイビットは言う。

「物音を立てるな。声も出すな。イスカリにオマエの存在を認識させるな。どんなものを見ても、だ。これを守れないならすぐに出て行ってもらう」

「……気づかせなければいいのです、ね」

 頷くトラロックを連れて、デイビットはイスカリの待つ寝所へと戻った。



「あっ♡あぁ……んっ、あぁ♡」

「……」

「あまり同じ箇所ばかりを擦っても効果は薄い。そうじゃない、擦る部位は変えずに擦り方を変えて……反応がいいところを……そう、そんな感じで。……ああ、爪は立てない方がいい。そこも粘膜だからな。刺激が強ければいいというものではない。怪我をしたら感染症にも繋がる……まあイスカリには関係ないが」

 イスカリに気づかれないように、小声でトラロックに指示する。言われなくてもわかっている、と言いたげにこちらを睨むと、トラロックは言われた通りに責め方を変えた。

 イスカリに触れはじめた時のトラロックは、おっかなびっくり触る時と大胆に責める時の差が激しすぎた。内臓に傷をつけそうな時だけは止めに入っていたが、軽く指示を出しているうちに、少しずつコツを掴んできたらしい。どういう反応を見せた時に強くすればいいのか、どのくらいのタイミングで擦る角度を変えるのか。さすがは女体を持つ存在、と言ってしまうと不敬にあたるだろうか。……不敬でなくても立派なセクシャルハラスメントなので、デイビットはその感想を押し込める。

「ん゛ぃっ♡♡」

「……今ので79回目だな。もう少しペースを上げたいところだが……」

 恐らくは、イスカリの肉体を慮る故だろう。テスカトリポカ曰く、彼女にはイスカリに使われている王の魂が在ったらしい。

 次に自分がやることになったら、ある程度絶頂させた後に少し休憩を挟ませるのもいいかもしれない。いや、役目を果たさなくなったタオルを交換する時の時間がそれに当たるだろうか。……二度とやるつもりはないが。

「……いけるか」

 トラロックに囁くと、じろりとこちらを一瞥してから指の角度を変え、膣に無遠慮に指を突っ込む。

「ぅあ゛、あ゛ぁ♡♡」

 イスカリはそれだけで絶頂する。

「く、くりぷた♡……今の、いぎっ!?」

 イスカリが絶頂とは違う呻き声をあげる。デイビットの名を呼ばれたことに苛立ったらしいトラロックが、イスカリの陰核をひねりあげたのだ。

「……怪しまれかねないことはやめろ」

 あまり大声で注意することは憚らたため小声で注意するも、トラロックは素知らぬ顔である。

 ため息を噛み殺しながらふとイスカリの様子を見ると、今の行為で違和感を覚えたのか、身体を起こして目隠しを取ろうとしているところだった。

 まずい。この場にトラロックがいることがバレた場合、イスカリとの間に決定的な亀裂が入りかねない。

「外していいとは言っていない」

 イスカリの両手を押さえつけ、そう言う。

「だ、だが……」

「いいかイスカリ。オレの存在とおまえを満たす快楽以外を意識するな」

 寝所に寝かせ直し、両手を腹の上でまとめあげる。空気を読んでいるのか、トラロックはイスカリを責める手を止めていた。

「今だけ快楽以外のことを忘れろとまでは言わない。自分が絶頂を迎えることに違和感を覚えるな。オレはおまえの害になることはしない」

「しかし貴様は……ひぅ♡」

 イスカリがぴくりと身体を跳ねさせる。トラロックを見ると、イスカリの陰核を舌の先端で舐っているところだった。

「っ……」

 何をしている、と反射的に言いそうになったが、この場にデイビット以外の存在がいるとイスカリにバレるのはまずい。

 トラロックの肩を叩き、こちらに意識を向かせる。

『おいやめろ、オレが舐めてると思われる』

 口だけの動きでそう伝える。トラロックはデイビットの口の動きをじっと見ていたが、その間も舌の動きを止めることはなく、デイビットの口の動きが終わったと見るとふいと視線を戻して舌を動かすことに集中する。

「いっ♡♡やめ♡く♡、りぷた♡そこ♡きたない、から、あ゛ぐっ♡」

 イスカリが呻き声をあげる。トラロックがイスカリの陰核に軽くだが歯を立てたのだ。

「……爪を立ててはいけないところに歯を立てるな。痛いだけだろう。感じることのできる性的快感の減退にも繋がる」

 我慢できずに、小声でそう囁く。トラロックは、今度は視線をこちらに向けることさえしなかった。

「やらぁ♡それ♡むり♡きもち、すぎ、て♡あ、も、ぅ♡だめ♡い、んぁああああ♡♡♡」

 イスカリの身体が、びくりと大きく跳ねる。トラロックは、彼を労るようにしなやかな筋肉のついた腹を撫でた。

(反応も絶頂のペースも問題ない。今日のところはトラロックに任せていいだろう)

 デイビットはそう判断し、イスカリへの処置が終わるであろう時間が来るまで自分の用事を済ませることにした。



「トラロック神を巻き込んだな、クリプター」

 ことが終わり、トラロックが去った後、デイビットが寝所の後処理をしていると、未だ目隠しをつけたままのイスカリにそう言われる。

「……何のことだ」

「嘘をついてもわかる」

 イスカリは自分で目隠しを外す。露になった瞳は、憎い仇でも見るようにこちらを睨み据えていた。

「戻って来た時にわざと大きな足音を立てていたな。何かの音を隠すように。僕を責め立てている時も誰かに指示を出すようなことをずっと言っていたし、僕の腕を掴んで腹の上に置いた時も、その体勢ではあんな……」

 2,3秒口籠り、俯く。

「……あんなことは、出来ないからな」

「それだけか?」

「……テスカトリポカ神なら、何かしらお声はかけてくださるだろう」

 なるほど、この少年王相手では目隠しだけで気配を隠しきることは出来ないか。次からは耳栓でも準備してくれば良いか。……二度とやらないが。

「……で、おまえはどうしたいんだ」

「僕にかけられた呪い程度で、トラロック神の手を煩わせるな。テスカトリポカ神の手も煩わせるな」

 トラロックに関しては結構ノリノリだった気がする、という所感は口にしないでおこうとデイビットは思う。

「おまえ一人でこの現象をどうにか出来るとは思えないが」

「……貴様がやれ」

 イスカリは苛立たしげに嘆息する。

「貴様が言ったんだろう。自分のことは道具か何かだと思えばいいと」

 しばし、該当する日の記憶を漁る。記憶している5分間の中には存在しないが、こんなことでイスカリが嘘をつくとは思えない。きっと言ったのだろう。

「……それもそうか」

 デイビットはそう言うに留める。「他の誰でもなく、オレがいい……なんて言われたらどうしてくれようかと思ったが」

 声に、どこか呆れたような響きが乗る。それを聞いたイスカリは、かあっと顔を赤らめて叫ぶように返してきた。

「っ、変な言い方をするな! テスカトリポカ神のお手もトラロック神のお手も煩わせないためには貴様に頼るしかないと言っているだけだ!」

「そうか」

 そんなやりとりをしているうちに、片付けが終わる。

「まあそれ以前に。二度とこんな事態にならないように願うとしよう。……お互いにな」

 そう言い、デイビットはイスカリの居室を後にする。始めた頃はまだ午前中だったはずだが、今はすっかり日が遠くなっていた。

 廊下を歩きながら、デイビットはこれから済ませるべき予定をリストアップする。二度にわたる呪いの発露で、スケジュールに狂いが生じている。何とかして遅れを取り戻さなければ。そのためにするべきことを構築していく。

 こんなわけのわからない事態は、もう二度とは起きないはずだ。だというのに、まるで嫌な予感のように、昔どこかで聞いた言い回しが頭の中をリフレインしているのだ。


 ──二度あることは三度ある、なんて。

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