10番目

10番目


「(ゔ……死ぬほど疲れた……)」


試合が終わり、チームVは部屋に戻ってきていた。もちろん完勝である。

ポイントで返してもらったスマホでゲームをしながら、凪は疲労困憊だった。


「(早々に3点決められたから、少しは負担かからずにできたでしょ)」


火事場の馬鹿力か、チームYが弱かったのか、それともどちらもか。多分後者な気がする。


「(眠い……)」

「布団が硬ぇ」


スマホを手から落とさないことに必死になっていたら、御影の声が聞こえて少しだけ目が覚めた。


「俺がいつも寝てるベッドのクオリティがS級だとしたら、こりゃF級だ。死体を置く布団だな」

「(そこまで言う??)」

「おい凪。スマホ取るの手伝ったんだから、次は俺のためにあの『高級安眠ベッド』手伝ってよ」


凪は今眠い上に、どこでも寝れる性質だから、それをするのは、ちょっと面倒くさく感じた。


「えー面倒くさい。ばぁやに頼めば?」

「ばぁやはいないの!」

「(それはそっか……ねむ)」


ここで凪の眠気の限界が来た。……確かに、毎日この眠気を感じるんだったら、安眠ベッドはあっても良いかもしれない。御影がここまで疲れるのかはさておきだが。凪は一瞬で手のひらを返した。


「ちょっと……、寝るねー」

「は? ……ったく、飯までには起きろよー?」


言葉も言えていたかはわからないが、御影の仕方無さそうな声は聞こえた。


「(次の試合の分析は、後にしよ……)」


ガクリと頭が落ちる。頭に手のひらが乗った、気がした。

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