1回目
父を殺してから海賊にはならず生きてきたが、十数年を共にした最高幹部たちに裏切られた。
たどり着いた場所では、生きた人間を火炙りにして嗤う狂った集団がいる『昔から平和』な土地。
標的にされて火炙りされては気まぐれに毎回違う量の薬を与えられる生活で、体力は落ちて幻覚に苛まれる。
そこに突如訪れた男は、火炙りをしてこないどころか最も近くに住んでいた危険な男を排除してくれた。
だが、それだけで何かを諦めたように立ち去る。
どこからか現れた男たちに簡単に取り押さえられ、遠目に見た金髪はどこか懐かしくて。
思わず呼びそうになった名前に気付いて、愕然とした。
あぁ そうか お前は無事だったのか。
不思議と憎しみの感情はなかった。
お前はそのままでいい。おれのことなんて忘れて生きろ。
ロシナンテ。