0.プロローグ

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先生、あの、これを…。


はい、お弁当…です。


今日も作ってきてしまいました。


だって先生、いつも学園の食堂で同じメニューばっかりですし…

それでは栄養のバランスが偏って心身に悪影響を及ぼさないか心配で……


いえ、私は心配いりません。いつも自分の分は作っていますから、ついでみたいなもの、ですよ。だから遠慮なさらないでください。さあ、どうぞ。


はい…受け取ってくださってありがとうございます、先生。




あっあのっ、


…もし、よければ、なのですが…


今日は屋上が解放されていて…それが、新校舎もなんです。


たまには気分を変えて、食堂や職員室ではなく屋上でお昼にするのはいかがでしょうか?

新校舎の屋上が開いていることはあまり知られていないですから、きっと人も少なくてのびのびと出来ると思います。裏の花園も見わたせて綺麗なんですよ?

…私も今日はそこでお昼にしようと思っているので……良ければ一緒に、どうでしょうか。


えっ……いいんですか!? …嬉しい、です…それでは、お昼に。










あっ、先生……


…いえ、謝らないでください。


先生は優秀で、生徒思いで、他の先生方からも期待の若手として注目されていて…。


生徒たちからも慕われていて、頼られていて…お忙しいのだと分かっています。

だから、お昼をご一緒できなかったのは……仕方ないんです。


……先生の気が済まないと仰るのでしたら…でしたら一つだけ、お願いをしてもいいですか。


では…


体育倉庫の片付けを手伝ってくれませんか…?


はい。片付けです。倉庫の。


本来私がやるべきことではありませんが、引き受けてしまって…はい。


いえ、問題ありません。…準備はほぼ済ませてあります。

もしまた急に来れなくなった時のために、私の連絡先を…


それはいい、ですか……。

………わかりました。



…絶対行く?



……はい…♡


じゃあ…ぜったい、ですよ?






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