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このスレ見て景和くんを「兄さん♪」と呼ぶ弟英寿くんがぶっ刺さったので書いた。疑似兄×弟。本当に疑似。
あとデザ神誕生したら世界リセットされて参加者の記憶なくなるだろうがよえーっ!とかあるけどそこら辺は全部無視して欲しい頼む。
「…あのさ」
「何だ?」
「俺と英寿くんは、こ…恋人同士だよね?」
「ああ、そうだな。……何笑ってるんだ?なんか変なこと言ったか」
「いや、そうじゃない、ゴメン…」
当然のように肯定してくれる英寿くんに、どうしようもなく顔がニヤける。嬉しくてしょうがない。
俺、桜井景和は浮世英寿と付き合っている。
正しくは、お付き合いを始めたばかり、なのだが。
出会ってから1年、自分の恋心を自覚してから半年。俺から猛アタックして、やっと応えてもらったのだ。
なのに…なのにだ!
「恋人になった途端に兄弟になるって、そんなのないよぉ…」
俺の恋人はスターで神様でかわいい弟
前回のDGPも、英寿くんの優勝で幕を閉じた。
何度目か分からないデザ神になった彼の今回の願いは、ギロリさん、ツムリさん、俺、英寿くん、道長くん、祢音ちゃんで家族になっている世界、だった。
……なんで?
いつもの穏やかな笑顔のままで何を考えているか分からないギロリさんは置いといて、道長くんは「お前のろくでもない願いに俺を巻き込むな!」とめちゃくちゃ怒ってたし、逆にツムリさんは表情が「無」だったな…なんか似たようなことあったのかな。
祢音ちゃんだけは「お兄ちゃんが出来たの嬉しい!」と大喜びだったけど。あの子強いな…。
で、家族が増えたな!とニコニコ顔の英寿くん。
…と、状況についていけてない俺。
そしてちゃんと一戸建ての自宅まであるという徹底ぶり。
これ、スター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズの財力で用意したのかな…。なんかツムリさんが「増築してる…」とか呟いてたし。
そして、今はその家に用意されている俺用の部屋に英寿くんと二人でいる。
当然ながら本来の俺の自室より広いし備え付けのベッドも大きい。そのベッドに二人で腰掛けて話を切り出した訳なんだけど…。
「ねえ、英寿くん。なんでこんな世界願ったの…?」
「ま、色々とな」
はぐらかされた。まあ答えてもらえるとは思ってなかったけどね…。
「はぁ~…」
「どうした?もしかして、恋人になったばかりの俺とイチャイチャしたかったか?」
「したい!!!…です、ハイ…」
…めちゃくちゃ食い気味に反応してしまった。
英寿くんは俺の勢いに驚いたのかぱちぱちとまばたきをして(かわいかった)、すぐににんまりと笑う。
「別にすればいいだろ。それはそれ、これはこれってやつだ」
と言いながら、英寿くんが俺の膝の上に乗ろうとして来た。「んしょ」なんて言ってるのがかわいい。
でも手を滑らせでもしたら危ないので、俺は慌てて英寿くんを引き寄せて膝の上に乗せた。ついでに細い腰をしっかりホールドする。
そうしたら俺の首に腕を回してピタッとくっついてきた。うっ、幸せの重みがする…。
「いや~…、でもさあ、今は俺が兄で英寿くんは弟なんだしさぁ…」
からかい半分もあると思うけど、それでも甘えてくる英寿くんはかわいいし、男兄弟の兄の立場なんて体験できる機会なんてそうそうないしで、普段だったら大歓迎してたと思う。でも仮にも「兄弟」を名乗っといてこの状況は、俺の心臓とか他の部位的にも色々よくない。大変、よくない。
「ふぅん…、こんなしっかり抱き寄せといて、あんまり説得力ないけどな」
「そ、それはごもっともなんですけど」
「それに、弟の俺は嫌い?」
「英寿くんを嫌いになんかならないよ!?」
「お、おぉ…、ありがと…。…とにかく、これは『家族ごっこ』みたいなものだからあまり本気にしなくていい」
「はあ、『家族ごっこ』ねえ…」
「という訳で、よろしくな、『兄さん』♪」
「うう~…」
思わず呻き声をあげてしまった俺を見てくすくすと英寿くんが笑った。
色々言っといて何だけど、一番困るのは英寿くんに『兄さん』と呼ばれるのはとてもいいな、と思ってしまっている自分がいる事なんだよなあ…。