tトリニティ崩壊編後編

tトリニティ崩壊編後編


「っ!!セイアちゃん!!あの子っ、どこっ」


闇に落ちていた聖園ミカの意識が戻ったのは、数時間の跡のことであった。

武器は取り上げられ、体は縛られている。


そんな中、真っ先に彼女の中に浮かんだのは、セイアのこと。

最後に視界に映った姿。


間違いない、彼女は、陸八魔アルとグルであった。

呼んだはずの身内も皆そうだ。手配していたのはセイアだ。


思えば、最初からすべて手のひらの上であったのだろう。


ミカは、体の内側から、怒りが湧き上がってくるのを感じた。


必ず、今の状況から脱して何とか……。


そう、おもっていた。


「ナギサちゃん!」


そして、思い出したのは最初に捕らえられた彼女のこと。


抵抗した自分とは違って、すぐにとらえられた彼女はいったいどうなったか。


「ミ、カさんっ」


そして、その求めた彼女の声が、奥から響く。

すぐにその方向へと向かおうともがくが、それでも、彼女の体に縛り付けられた鎖が体に食い込むだけ。


倒れた後の彼女の力では、それを壊すにはいささかパワーが足りなかった。


ナギサの靴の音が、暗がりの広がる倉庫に響く。


「はぁっ……はぁっ……」


息を荒くした彼女が、ミカの前に現れる。

疲労が激しいのか、ミカの姿を見て安心したのか、その場にへたり込んでしまう。


「ナギちゃん!大丈夫?お願い、これ、外してっ。私が何とかするから」


しかし、ナギサは、動くことはない。

いや、……立てない。


「ナギ、ちゃん?どうしたの?」


「ふふ、何とかする、なんて、そんなこと彼女がするはずないだろう」


そっと、ナギサの肩に触れたのは、セイア。

ティーパーティの裏切り者である彼女であった。


「……ナギちゃんに何をしたの」


絞り出すように、声をだす。


ナギサの様子がおかしい。そう、ミカは気が付いた。

彼女に触れられたナギサは、体をまるめ、羽を縮こまらせて、頬を紅潮させている。


「大丈夫、すぐに君にもわかるさ」


そういって、彼女は、ナギサの脇に手を入れて小さな体で器用に引きずっていく。

まって、と、手を伸ばしたい。


「あら、あなたはこっちよ?」


だが、その前に彼女の前に、彼女が立ちふさがる。


すなわち、……この場の勝者が。


「っ……私を解放して」


「えぇ、ちゃんと終わったら無事に返すわよ」


そういって、アルはミカの顎を持ち上げ瞳を見つめる。


「……そう怒らないでよ。というか、今回は私、自衛しかしてないわよ」


「……私と、ナギちゃんをはめておいて?」


「はめるもなにも、私だって驚いたわよ。トリニティはそんなに足を運んでるわけじゃないし……というか、あの金髪の子についてなんて何にも知らないし」


けれど。

と、そこまで話して彼女は会話を打ち切る。


「負けて捕らえられたお姫様……。どうなるか知ってるかしら」


「……さぁ☆怪物のご飯とか?」


「あら。良く知ってるじゃない」


「……ゲヘナは食人も流行ってるの?」


「そんなのしそうなのは美食くらいよ」


いるんだ、とこぼす、ミカの言葉に彼女は耳を傾けない。


「実のところ、ここ数日、いろいろあったのよ」


それは、ミカも知っていることであった。

ゲヘナ統一。自分たちも隙を狙った故に理解していた。


ゲヘナの力は数と自由。


だからこそ、その統一。その取り決めには時間を割いたのだろうことは予想が付いた。


護衛、いや、素直に仲間を連れずに彼女がこの場に来たのも気晴らしなのだろう。とも。


「そう、だから……溜まってるの。本当は、こっちの子に相手してもらうつもりだったのだけれど」


「……へ?」


実際のところ、彼女たちは何も知らなかったのだ。

なにせ、アルのペットになる。その意味を。


情報を制限されていたから。


陸八魔アルがふたなりである。

その情報を知らなかった。


だから、聖園ミカは、生まれて初めて直視するそれに対して、すべての意識を奪われた。

怒りも憎しみも、目の前にいるのが悪魔の子であることすらも。


ただ、目の前に突き付けられたそれの、支配者としての雄の臭いに、彼女は自分の内側にある臓器が下へと降りる感覚を覚える。


それを感じた瞬間、ミカの理性は、駄目だ、と。幾度も唱え始める。

既に彼女は敗北者。自分たちがやろうとしたことを踏まえれば、どう身柄を扱われても仕方がないと。理解はした上で、彼女の理性は其れに反抗する。


これをぶち込まれれば、終わる。

聖園ミカはその肉体を彼女に貪られ、彼女の雌として生まれ変わることになる。


何よりも問題なのは、反対しているのは理性だけであること。

体も、本能も、そのうちに宿る神秘でさえも今や抗うことをやめ、それを喜びとして捉えてしまっている。


履いてきたかわいらしい下着は既に濡れていて、心臓は焦りなどではなく、強大な群れを従える長の元に入れることに高鳴っている。


もはや、ミカの瞳からこぼれる涙が屈辱によるものか、それとも、目の前の少女のモノになれることの喜びかミカにさえ分からない。


「それじゃあ、行くわよ?」


そして、それは、打ち込まれた。

濡れそぼった彼女の内に準備など不要。


ねじ込まれた痛みも、膜を破られたそれさえも感じる暇もない。

頭に浮かぶのは喜びと快楽。

一体、どれだけの相手をすれば身につくものなのかなど、初めてのミカには到底分からなかった。


「安心して、ひどいようにはしないから」


この状況が既にひどいものだと叫びたい理性など、あっさりと快楽に蹂躙されていく。

与えられる快楽は、麻痺毒のように体を痺れさせ、ミカの頭を馬鹿にするほどの快楽物質を分泌する。


彼女が大きな一物で、ミカの内側を蹂躙するたびに、ミカの理性を削り取り、それ以上の気持ちよさに獣のように啼く。


与えられる快楽に限度などない。

目の前の主人が腰を振れば、彼女はもうイくしかない。

何度も、何度も、何度も、時間も数えられないくらいにイかされて、それでもなお、ミカを抱く彼女は、達していない。


だが、もう、ミカは限界だった。


「キ……て……♡」


蕩け切った彼女は、疼く体の奥に、アルの、悪魔の熱を欲しがった。

その果てに何があったとしても構わない。


使えない理性を、矜持を、彼女は捨て去った。


「……ふふ、えぇ、……ちゃんと、楽しむために……壊れなさい」


内側で彼女の肉を広げる剛直に、絞り上げるように膣を締めることで彼女は応える。

瞬間、弾けたそれは、彼女の内側を白く染め、満たし、十数秒の時間を空けて、彼女の内側から零れ落ちる。


「はぁ……はぁ……♡」


息が上がる。彼女も体力には自信があったが、それでも、限界だと悲鳴を上げていた。


「さて……まだ、一回よ?」


だが、……彼女の主人はそれでは終わらせない。

彼女とつながったアルの肉棒は、未だに萎れることはない。

たった一度で、満足するほど、彼女のそれは優しいものではなかった。


「私を、満足させてくれるかしら」


月明かりに照らされる彼女の下。


「はい♡」


聖園ミカは彼女の元へと下り。


……この夜、ティーパーティは崩壊した。

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