4号ほろ酔いVer.没話

4号ほろ酔いVer.没話


※4号ほろ酔いVer.のさらに没話です




 気が付いたらスレッタは仰向けになって寝ていた。ここ最近借りている部屋の、自分用として割り当てられたベッドだ。

 え、なぜ。混乱していると、水を持ったエランが部屋に入ってくるところだった。

「起きた?スレッタ・マーキュリー」

「エランさん。え、どうしてわたし、ベッドで寝てるんです?」

 自分は確か、パーティに出て、ウキウキしながら取り皿に色々な料理を盛って、エランの待っているテーブルへ座ったはずだ。

 それで、美味しそうな葡萄ジュースを口に含んで…。その後に、色々あったような気がしたけど…。

「どうやらきみ、極端にお酒に弱いみたいだ。空き腹だったところにワインを飲んだから、すぐ体に回ってしまったんだろうね」

 突然テーブルに突っ伏したから驚いたよ。そう言いながらエランが水と薬を差し出してくれる。スレッタはそれを飲みながら、彼が自分に言っていた情熱的な言葉の切れ端を思い出していた。

「エランさん。あの、え、エランさんも、お酒を飲んでいましたよね。何か、わたしにいっぱい、えっと、い、言ってくれてませんでした?」

「…まぁ、確かに言ってはいたけれど。ちょっと説教臭かったよね。ごめんね」

「えっ説教!?」

「見かねたお医者の彼が間に入って宥めてくれたけど。…お酒って怖いね」

 自分の記憶とまったく違う。では、あれは自分の願望…夢だったのだろうか、そんな…。


 項垂れたスレッタは、その様子をどこかホッとした顔で見ているエランの様子には気付かなかった。






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