3D2Y
“鬼”を知る者三日三晩空を飛んで落ちた場所はもはや懐かしい場所だった。
「ここは···双子岬だな···」
偉大なる航路の入口にある双子岬に飛ばされたエースは途方に暮れていた
「アイツらも同じようにどっかに飛ばされたのか?んでおれはどうやってシャボンディ諸島に戻りゃいいんだ。船なんかねぇぞ。」
とりあえず立ち上がり行動し始めたエース。海に近づくとアイランドクジラのラブーンが水面に頭を出した。
「ラブーン!久しぶりだな!クロッカスのじいさんは元気にしてるか?」
「ブォ」
答えるようにラブーンは鳴いた。するとラブーンの体内から一人の老人が出てくる。
「ラブーンが突然水面に出るから誰か来たのかと思えば···君だったか」
「クロッカスのじいさん、久しぶりだな」
「ああ、1年ぶりくらいか。懐かしいもんだ。ところで君はどうしてここにいるのかね?新聞では確かシャボンディ諸島にいるとあったはずだが」
「七武海のくまってのに飛ばされたんだよ。じゃなきゃ偉大なる航路を一周もしてないのにこんなとこに来ねェよ」
「ほう、それは大変だな。分かるだろうがここからシャボンディ諸島までは1年程はかかる。これからどうするんだ」
「とりあえずシャボンディ諸島に戻らなきゃなんねェ。しっかし船なんかねぇし。どうやって帰るか見当もつかねぇ」
「船ならリバースマウンテンからやってきた海賊のものを奪えばいい。碌でもない奴らもやって来る。」
「ああ、そりゃいいな。んじゃ船が来るまでここで待つか。」
そうして船が来るまで双子岬で過ごしていた。
数日経ってやっと船が来た。これでシャボンディ諸島に向かえる、とエースは息を巻いて敵船に乗り込み瞬く間に制圧した。
「よし。クロッカスのじいさんに挨拶してくるか。」
エースはクロッカスの下へ向かう。クロッカスは新聞を広げていた。
「じいさん。船も手に入ったしもう行こうと思うんだが。」
「ああ、もう行くのか。···少し聞きたいんだが、新聞のこの写真は君の兄弟ではないかね?」
「へ?」
突然の兄弟の話題にエースは反応できなかった。
「ライブと書いてあるが。」
「ちょっと見せてくれ!」
(ライブなんてアプーしか心当たりがねぇ。何やってんだ?)
新聞に目を通していく。何かに気付いたのかエースの口角が上がった。
「なんだよ、勝手に決めやがって」
「なにか書いてあったか?」
「ああ、じいさん。悪いが予定が変わった」
「そうか」
兄のアプーのメッセージを受け、エースは修行の心当たりを探す。そして1つのことに思い当たる。
(強くなるためにやらなきゃいけねェことはいっぱいある。でもその前におれがすべきことは···いい加減アイツのことにケジメをつける)
「クロッカスのじいさん。」
「どうした?」
「海賊王について聞きてェことがあるんだ。アイツはどんなやつだった?」
「······」
真剣な目で見つめるエースにクロッカスは口を開いた。
「ロジャーか、あいつは···」
クロッカスによって語られるロジャーの話にエースは耳を傾ける。
(今まで憎んでた海賊王について自分の中でケリが付けばおれはもっと先に進めるはずだ。だから)
2年後に、シャボンディ諸島で
おれはもっと強くなる