2年後へ向けて その2

 2年後へ向けて その2

8歳差ルウタたまらんマン

「ルフィ…!」


「おれがもっと強ければ… 白ひげのおっさんだって守れたかもしんねぇ… おれがもっと強ければ…! サカズキの兄ちゃんを止められたかもしんねぇ…! おれがもっと強ければ…!!」


「おいルフィ!」


ひたすらに自らを責めるルフィに、シャンクスが胸ぐらを掴み制止する


「! なにすんだよシャンクス…!」


「それ以上口にするんじゃねぇぞ…! その行為は、白ひげとその家族の顔に泥を塗ることになる…!」


「!」


「白ひげは覚悟を決めて戦ってたんだ…! お前も分かってんだろ…!」


「分かってるさ…! でも…!」


「だったらもう自分を責めるのは止めろ! 勝てなくったっていい! 逃げたっていい!! 乗り越えろ!!!」


「! シャンクス…」


「お前も、エースも、ウタも 生きてるんだ… 今はそれに感謝しようぜ ルフィ…!」


「……そうだな」


―――


「1人にしてよ… 2人ともどっか行って…」


「そうもいかん… ルフィくんと再会する前にウタさんになんかあっちゃあ示しがつかん」


「ウタ… 戻ろうぜ… 元気になって兄貴にまた会おう…」


「ルフィになんて! もう会えないよ!! どんな顔して会えばいいのさ!!」


「!」「!」


「海に出る前から…!! 海に出てからも…!! 心の何処かで… ルフィがいるから大丈夫だってずっと甘えてたんだ わたしは…!!」


「……」「……」


「こんなんじゃ…! 船長失格だよ…!!」


「…ウタ」

(つれぇだろうな… 3人であんだけ鍛えてきたのに… 勝てない相手はまだまだいるんだ…)


「…ウタさん!」


打ちひしがれていたウタの肩に、ジンベエが手を置いた


「ジンベエさん…」


「今は辛いじゃろうな… どんな壁も越えられると思うておった“自信” 疑うことも無かった己の“強さ” それらを無情に打ち砕くでも足も出ぬ敵の数々…」


「………!!!」 ポロッ


「そして何より… この海で頼りであった“彼”の存在… 自分が荷物になっていたのではという“疑念”… 辛いことの連続じゃったな…」


「ジンベエ…」


「ジンベエさん…!」


「じゃがな、辛いことばかり考えてはいかん エースさんはこうやって生きとる ルフィくんもきっとどこかで生きとる 失ったもんばかりではない」


「でも…! わたしは…!」ポロポロ…


「……あんたのことはエースさんから嫌というほど聞いとった…」


「…!」


「船長というもんはな… 強ければいいわけではないんじゃ… 慕われ… 憧れ… その人の人柄によって船長としての格が勝手に生まれるもんじゃ…」


「………」


「今は世界という巨大な壁を前に目の前が覆われ、先の見えん不安に押し潰されとるだけじゃ それは一旦押し殺せ」


「…ッ」


「無いものは無い… それでも、今のあんたにしかないものがきっとある… “それ”を思い出すんじゃ」


「!!?」


「“それ”はきっと、あんたが信頼に足る女だと思われているからこそあるもんなんじゃ」


「ハァ… ハァ…」ジワ…


静かに、指で数え、“彼ら”の顔を思い出す…


「仲間が…」



「仲 間 が い る" よ !!!」


「……… そうか…」


「…なぁ ウタ」


「エ"ー"ス"ゥ…」


「おれのオヤジだってな… ただ強いだけじゃなかった… でっけぇ愛と、とんでもねぇ優しさで家族を守ってた」


「う"ん"…」


「兄貴やサボや、お前と同じさ… たしかにおれを愛してくれてた…」


「う"ん"…!」


「アラバスタでお前と再開した時、おれは安心したんだ あんなに頼もしい仲間達がついてるんだって… まだ小さくて… おれたちの後ろを付いて回るだけの… 昔のウタじゃないんだって…」


「エ"ー"ス"ゥ"!」



「だから胸を張れ ウタ お前は、あいつらの船長だ」


「…ッ!」


「ゾロォ!! ナミィ!! ウソップゥ!! サンジィ!! チョッパーァ!! ロビン!! フランキーィ!! ブルックゥ!!」


「……ルフィ…!!!」


「わたしには…! 仲間がいる…!!」


「……わたし達 …集合場所があるんだ…」


「そうか……」「………」


「すぐ会いたい…… みんなに会いたい!!!」


――――

女ヶ島 湾岸

「え〜!? レイリーさん!!?」


「おぉ! ウタ君 早速会えてよかった!」


「何でこんなところに!? わたし今からビブルカードでシャボンディ諸島に戻るつもりだったの みんなは!?」


「いやぁ… まだ集まってはいないだろう」


「レイリー…?」


「…エース君 初めましてだね キミも無事で何よりだ」


「“冥王”レイリー…!!本物か…! 驚いた…!」


「……“冥王”レイリー 親父の仲間か…」


「……わたしからロジャーについてあれこれ言うつもりは無いよ ただ、1つ言うなら…」


「なんだ?」


「“ロジャーは間違いなく、キミとルージュを愛していた”… と言ったところだ」


「………ケッ」


「……ふふっ」


――――


「―――さて 本題に入ろうか ウタ君」


「!?」


「キミはこれからシャボンディに向かうつもりだと言ったな」


「うん! 仲間達に会いたいの!」


「本当にそれでいいのか?」


「え…?」


「あの島でキミ達の身に何が起きた」


「………!!」ゾクッ


「繰り返すために… また集まる気か?」


「それは……!」


「私から一つ提案がある のるかそるかは勿論 キミが決めろ」


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