龍を、狩る

龍を、狩る

晴景がセックスしてるだけ

くすぐったそうに景虎が身をよじる。首の周囲。本来なら急所であるところ。ここが敏感なのは数度の行為の末に分かったことだ。晴信は白い肌に歯を立て、首筋を舐め、項へ齧り付いた。しなやかな体が震える。唇から漏れるのは呻き声と喘ぎ声の混ざったような音。快楽を感じ取っている証だ。

「………景虎、」

普段は何を考えているのか分からない顔をして時間と場所を考えず晴信に突撃してくるというのに、閨ではまるで愛らしい猫の様。───この差がたまらなく男心を擽るのだ。獣のように食い散らかしたくなるのだ。

「や、やめ、やらぁ、そこ、ん、ぅ」

顎の下を擽ると制止するような、それでいて甘えた様な声が上がる。若草の瞳は潤み、どうやら一段上の快楽を欲しがっているようだ。

「………景虎、いいか」

「んにゃ、も、はやく、きてぇ……はる、のぶ……っ」

返ってきたのは愛らしいおねだり。どうやら機は熟したらしい。

晴信が緩んだ孔へ押し入った瞬間、身体が一際大きく跳ねた。

中はいつも以上に熱く柔らかく融けていて、晴信自身を絶妙に締め付けてくる。どぷり。更に腰を沈めれば組み敷いた身体が艶めかしく動く。

「…………っ、景虎、ここがいいんだな」

「……………」

「分かった。このまま行くぞ」

景虎から拒否の意思は感じられない。晴信は沈黙を肯定と受け取ることにした。



その後は何度いやらしい水音を立てただろう。何度最奥を穿っただろう。

晴信の背筋を甘い疼きが駆け上がる。

「景虎………っ」

腹の底がどくどくと脈打つ。快楽で頭がくらくらと回る。瞼の裏が白く弾け、張りつめた物がするすると解けていった。

「ぁ、ぁっ、や、ん、あぁ……っ!!」

どうやら景虎も達したらしい。

雪白の体が、晴信の下でびくびくと痙攣している。─────息絶える寸前の獣のようだ、と晴信は思った。口には絶対に出さないけど。

余計なことを言って肋を折られるのは二度と御免である。


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