鼓動
――ドクン
悪魔の実を飲み込んだとき、ぞくりとした寒気と呼応するように心臓が高鳴った。
――ドクン
初めてその眼がこちらを見たとき、歓喜するような震えがあった。
――ドクン
死の満ちる場でその姿が見えたとき、胸が騒めくまま足を進めた。
――ドクン
意識が無い中叫び呼ぶ声に、一つ、呼応した。
――ドクン
独り死を覚悟していた中、希望に満ちあふれているその瞳に、何かが責め立てた。
――ドクン
鳥籠が解ける中、落ちる身体を能力で手繰り寄せれば、薄らと笑みを浮かべた顔に安堵と何かが過った。
――ドクン
深い穴の底に消えた巨体に、勝利の安堵で重くなる身体とは別に違和感があった。
――ドクン
聞こえなくなった“声”に焦燥を覚えるはずなのに、僅かな期待があった。
――ドクン
・・・トット♪・・・ドットット♪ドンドットット♪
――ああ、漸くお目覚めか――
「・・・遅いぞ、 」
溢れた呟きは誰の耳にも届くこと無く、終わりの歯車は廻り始める。
この後どう展開させるか悩んでる