黒腔 続く足場

黒腔 続く足場


「痛ってぇですわ...」

かなりの高所から無理やりに降りて砂漠に不時着を致しましたが...間が良いのか悪いのか丁度一護たちがそこにはいた

「翼ちゃん!大丈夫!?」

井上さんが落ちておしりを抑えている私を心配して駆け寄り即座に回復を始めた

「大した事はありませんわよ...」

「結構アチコチ回ってたけど結局見かけなかったなツバサ 何処行ってたんだ?」

随分とボロボロの死神装束を纏う一護が普段より輪に掛けてぶっきらぼうに聞いてくる

「何処と言われますと...藍染及び東仙要 市丸ギン他三体の強そうな破面が一堂に居まして 藍染が話でもしようとしたので突っぱねて『プリメーラ』とかいう1番の破面に追いかけられただけですわよ?」

しばらく沈黙が続き...とりあえず井上さんは血相を変えて回復に専念しだした

「なるほど...つまり君は敵の大将や副将達の前に躍り出た挙句に敵の一番強い兵に追われて逃げてきた という訳だね」

メガネをキラリと光らせながら石田君が話を纏めた

「なあ 翼 本当に 本当に何をやっていたらそうなるんだ...怪我は無いのか?」

チャドさんも随分と心配そうに大きな手で私の肩を掴み揺らしながら聞いてくる

「だ~いじょう~ぶですわよ~~」

地味にグワングワンと揺られながら一護を見る やはり随分と思い詰めた顔をしている


「随分と喧しいネ こちらは準備が出来たヨ」

その声を聞いて手を払いのけ刀に手を掛ける

「この声は...仇敵 涅マユリ!ここで会ったが実際100年目ですわ...」

副隊長と共に黒腔を作り高い場所に陣取っている涅マユリが見える

「喧しいと先ほど言ったばかりだヨ サテ…中の解説はしないョ 来たと逆に進めば現世だ」

そんな光景をみて一護は少し不思議そうにしている

「…何だネ?」

「…いや そういや浦原さんも俺たちを見送るとき ちょっと高いトコ立って喋ってたなあと思ってさ」

そう言われて涅マユリの不愉快で愉快な顔が歪む

「…ナニ?」

「あんた技術開発局の二代目ってことは浦原さんの弟子か何かだろ?似たとこあるよ やっぱり」

それを聞いて私は一つ付け加えた

「この男の悪辣さと碌でも無さは浦原と似てはいますが...このクソださいメイクは似てなくて助かりましたわね でないと貴方の師匠変なメイクって陰口言われますわよ」

随分と怒り心頭なマユリを捨て置き 卯ノ花隊長と一護と私で黒腔へと飛び込んだ


黒腔を一護と喧嘩...もとい仲直りしつつ黒腔を進む

「私は黒崎さんの霊圧を回復させます...先頭をお願いできますか翼さん」

もちろんと私は快諾する

「大丈夫か...コイツ迷子のファンタジスタだぜ?不安なんだが」

「大丈夫ですよ 危うければ随時指摘しますから」

ウフフと言いつつ卯の花さんは一護の霊圧を回復させるべく先頭から下がる

「...私の霊圧だと確かあんまり大きな道は作れませんわね!後の事を考えるとこれくらいでちょうど良いですわね!」

そう言って1㎝の幅に極力綺麗にそして強固に足場を形成し走り抜ける

「は...?何やってんだツバサあああ!?」

「えっ 何故...?あっそういう事ですか」

一護は完全に踏み外し落ちかけて必死に足場を掴んでいる

卯の花さんは一度踏み外した後もう片方の足で直ぐリカバリしたようだ

「いけませんね...翼さんの霊圧では目的地までこれ程まで切り詰めねばあちらに出た際に支障をきたしてしまいますね」

「死...死ぬかと思った しかし細せえのに随分頑丈だなこの足場」

卯の花さんは結局私たち二人の前でしっかりとした道を作り導いてくれた


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